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元世界4位のテニス選手が今シーズンでの引退を発表「次の章が本当に楽しみ」

「全仏オープン」でのバーテンズ

オランダ人女子選手として史上最高となる世界ランキング4位を達成したキキ・バーテンズ(オランダ)が、2021年のシーズンを最後に引退することを発表。WTA(女子テニス協会)公式ウェブサイトが報じた。

シングルス、ダブルス共に10回の優勝を果たしている29歳のバーテンズは引退の理由に、昨年のパンデミックと、完治していないアキレス腱の負傷をあげ、その2つが「全仏オープン」後に人生の次の章に進む決断をするきっかけになったと述べた。


「私がテニスで成功を収められたことは分かっているわ。引退するのが早過ぎるのかは分からない。怪我のせいだけじゃないの。人生が他にもいろんなことがあるんだと見せてくれた。長くキャリアを続けている多くの選手たちも、きっと同じように感じているんじゃないかしら」


「もしもコロナがなかったらもっと長く、あと2〜3年は続けていたかもしれない。あるリズムで何かを続けていると、そのまま行くのが私には楽なのね、それがどれだけ長くなっても。だから私は年間30大会をこなせた。毎週毎週トーナメントに出て、シングルスもダブルスも。だけど一旦離れると、身体の状態をそこへ戻すのは簡単じゃない。今私は家での暮らしがとても楽しいの。だから、どうしてまた苦しまなくちゃいけないの、って自問してしまう。自分の体力、怪我、コート上でのストレス。これで私の人生の新しい章を始められるんだと思って、今はそれが楽しみよ」


2020年のシーズンが始まった時、バーテンズは引退を考えてはいなかった。その1年前、彼女はキャリア最大のタイトルとなった「ムトゥア マドリード・オープン」で優勝、オランダ人女子選手として史上最高となる世界4位を達成した。2019年の「WTAファイナルズ」では、世界女王アシュリー・バーティ(オーストラリア)に勝った唯一の選手となった。2019年の年末ランキングでは2年連続のトップ10入りを果たした。


翌年の最初は前年の好調を維持して、まず「ブリスベン国際」で準々決勝に勝ち進んだ。「全豪オープン」ではベスト16に進出し、「フェドカップ」では2試合に勝利。「サンクトペテルブルク・レディース・トロフィー」ではディフェンディングチャンピオンとして出場、2連覇を飾った。長くクレーコートが得意とされていたが、ハードコートでも活躍し始めた。


「いいシーズンになりそうだと思っていたわ。でもその後コロナのせいで全てが変わってしまった。身体を休ませることにした、それが必要だと思ったから。先が見えない事態で、毎日の練習を続けるのは難しかった。だから完全な休養期間にしようと思ったんだけど、正直に言うと私はそれがとても気に入ったの」


夏にバーテンズがコートに戻りテニスツアーの再開に向けて練習を始めると、すぐにアキレス腱の痛みが再発した。2020年シーズンが終わる頃、彼女は手術を受けることを決断。医師はリハビリの困難さを警告したが、彼女には自信があった。「私は強いから大丈夫、他の人よりも早くリハビリを終える。本当にそう信じてた。でもそうはいかなかった」


調子が良かった練習の日々は消え、歩くことさえ困難になった。自分の身体に自信が持てなくなり、心が折れてしまった。「もし自分の100%を捧げて毎日頑張っても、もう十分じゃなく、満足は得られない。自分に聞くしかなかった、どうして私はまだこれを続けているの?と。その『どうして』に答えが出せなかった。そうして、決心ができた。もう十分だ、って」


「コーチと、トレーナーである夫とも話した。そしてパリから帰ってから、最終的に決めたの、このままこの状態でキャリアを続けるのは私の望んでいることじゃない。自分の意志で、自分の望むように辞めたいと思っていたから。だから、今シーズンを最後にすると決めたわ」


「もう毎日自分を追い込んで練習しなくていい。キャリアを通して、自分のベストを尽くして結果を出したいと願ってきた。それにはすごいエネルギーが必要だった。もうそれをしなくていい、もう予定に追われることはない。自分の食べたいものを食べて飲みたいものを飲んでいい。友達にも家族にもいつでも会える、3ヶ月も4ヶ月も前から予定を調整しなくてもね」


「私にとっては、今はそれが一番大切なことに思える。新しい家を持って、新しい生活を始める。将来は多分子供を産んで、犬も飼って、そんな普通の家庭生活よ。今の私はそれを本当に楽しみにしてるの」


今後の彼女の予定は「WTA500 イーストボーン」(イギリス、イーストボーン/6月21日~6月26日/グラスコート)、「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)、「東京オリンピック」(日本・東京/7月24日~8月1日/ハードコート)となっている。その後の大会に出場するかどうかはまだ決めていない。


「オリンピックに親友のデミ・シヒュースと行けるのはとても嬉しい。デミにとってはオリンピックに出る夢が実現する。その経験を共有して、そうやってキャリアを終えられるのは最高だと思う。一緒に何か素晴らしいことをしたいわ」


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全仏オープン」でのバーテンズ
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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