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親の反対を背にプロの道へ、27歳アンの快進撃が止まらない![全米オープン]

2019年「全米オープン」でのアン

「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月26日~男子9月8日・女子7日/ハードコート)の大会6日目、女子シングルス3回戦。


ワイルドカードクリスティ・アン(アメリカ)が、エレナ・オスタペンコ(ラトビア)を6-3、7-5で破り、4回戦へとコマを進めた。

痛々しいまでにテーピングが巻かれた右腕で、強烈なストロークを放ち、2017年「全仏オープン」覇者であるオスタペンコに勝利したアン。地元ニューヨークで多くの観客の喝采を浴びた彼女の、これまでのテニス人生は、華々しいものではなかった。


「全米オープン」会場のある、フラッシングメドウズにほど近い、フラッシング・ホスピタルで産声を上げた現在27歳のアン。初めて「全米オープン」本戦へ進んだのは、11年前の2008年。1回戦でディナラ・サフィナ(ロシア)と対戦し、惜しくも敗退している。


アンはその敗戦を糧に、夢見ていたプロの道に進むつもりだった。しかし、彼女の父親は「おまえは大学に行くんだ!教育も受けずに、テニスだけに専念するなんて、何の意味もない!」とプロへの道に反対。結局アンは翌年も「全米オープン」予選へ出場したものの、2回戦で敗退し、直後にスタンフォード大学への進学を決めた。


大学では、化学技術社会論を学び、テニスチームのキャプテンを務めあげて2014年に卒業。アンは卒業後、3年間という条件で、父親からの経済的援助をとりつけ、再度プロへの夢を追いかけ始めた。


約束の期限がきた2017年、引退をほぼ決意していたアンだったが、夏までに世界ランキング115位にランクインし、「ウィンブルドン」にはじめて出場。予選3回戦までコマを進め、経済的な余裕を得た。


アンはその後、拠点にしていた競争の厳しいマイアミではなく、家族と友人の住む地元ニューヨークへ戻ることを決意し、「テニスを楽しめなくなっていた。でも、どうせ長く続ける予定じゃないのであれば、楽しめるうちに楽しむべきだと思って地元に戻ったわ。人生を楽しんでいれば、テニスの結果もいい方向に進むと信じているの」と語っている。


しかし、経済的に安定してきたアンに対しての父親の考えは、いまだに頑なだ。1回戦で彼女が、スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)に勝利した後も、「困ったなぁ、もし勝ち続けてしまったら、どうやって大企業に就職するんだ?」と嘆いたという。


今やグランドスラムの4回戦へ進む娘に対し、彼の考えは変わっているだろうか。オスタペンコに勝利した後のインタビューでアンは、「多くの人たちが、夢をあきらめて後悔している」とコメント。あきらめずにここまできた道のりを振り返り、勝利の喜びをかみしめた。


アンは4回戦、第25シードエリース・メルテンス(ベルギー)と対戦が決まっている。1回戦後のインタビューでは「プロをあきらめた時には、大企業に魂を売るわ」と語ったアンだが、魂を売るのはまだ先のことになりそうだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「全米オープン」でのアン

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