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大坂なおみとバジンコーチ。約13ヵ月間の「素晴らしい道のり」

2018年「BNPパリバ・オープン」の時の大坂なおみ(右)とバジンコーチ(左)

2月11日に、共にツアーで戦い続けてきたサーシャ・バジンコーチとの別れを発表した大坂なおみ(日本/日清食品)。大坂は自身のTwitterで「彼のこれまでの貢献に感謝しているし、今後の幸運を祈ってます」とツイートし、それにリプライする形でバジンコーチも「ありがとう、なおみ。君の幸運を祈ってる。素晴らしい道のりだったね。その一員に加えてもらえて、感謝してるよ」とコメントを返している。


バジンコーチが「素晴らしい道のりだった」と話しているように、このチームで歩んだ約13ヵ月間は、大坂のキャリアで大きなものになった。その道のりを改めて振り返る。

■2017年12月(世界68位):バジンコーチがチームに加入
グランドスラム本戦初挑戦だった2016年は、出場した3大会全てで3回戦進出を果たし、キャリアハイ40位を記録した大坂。しかし2017年はその3回戦の壁を破れず、68位でシーズンを終えていた。一つの壁にぶつかっていた大坂が、飛躍のためにシーズンオフにチームに招聘したのがバジンコーチだった。


■2018年3月(世界22位):自身初のツアー優勝
バジンコーチ加入の効果は、すぐさま現れる。2018年の「全豪オープン」で、これまで5度阻まれてきた3回戦の壁を破ってグランドスラムベスト16入りを果たすと、3月にはグランドスラムに次ぐ大きなカテゴリの大会である「BNPパリバ・オープン」で、自身初のツアー優勝を飾った。


この飛躍の要因を、大坂は当時のWOWOWのインタビューで「メンタル面が大きく変わりました。以前はアップダウンがありましたが、今は落ち着いてプレーができています」と話している。女子ツアーではセット間やコートチェンジ時に、コーチからアドバイスを受けられるオンコートコーチングと呼ばれる制度があり、実際にバジンコーチが試合中に大坂を励ましている様子が、何度も見られた。


一方のバジンコーチは「試合中はテクニックや戦術のことを話しているわけではない。彼女には『すべてOK』『落ち着いて』といった言葉が必要なんだ」と当時のインタビューで話している。


■2018年9月(世界7位):「全米オープン」初優勝
バジンコーチはこの大会、大坂に対して厳しい態度で接していたという。グランドスラムでは女子ツアーと異なりオンコートコーチングは禁じられており、劣勢でも一人で立てなおさなければならない場面が来ると見越していたからだ。


バジンコーチの言う通り、その場面は4回戦のアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)戦で訪れる。第1セットを6-3で奪った大坂だったが、第2セットはサバレンカが反撃し、この大会初めてフルセットにもつれ込む。さらに第3セットでは苛立ちもつのり、先にブレークを許してしまう。


今までの大坂ならここで崩れてしまうことが多々あったが、この日は正念場で我慢のプレーを続けて踏みとどまり、すぐさまブレークバック。何度もこぶしを握りしめて自分を鼓舞し、最後は相手のダブルフォルトでグランドスラム初のベスト8進出をもぎ取った。大坂がまた大きく成長した試合だった。


コート上で一人になっても最後まで勝ち抜く力を得た大坂は、自身の憧れであるセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)と決勝の舞台で対戦。見事優勝をもぎ取った。


■2019年1月(世界1位):「全豪オープン」初優勝、世界1位へ
この大会が始まる前までの大坂は、第1セットを奪った試合では55連勝中。だが昨年第1セットを落とした試合は2勝20敗と、勢いのままに勝つことは得意でも、粘り強く戦えていなかったのがこれまでの彼女の特徴だった。


また「全米オープン」で優勝したことにより、日本メディアだけでなく世界のメディアからも大きく注目されるようになった大坂。当然続く「全豪オープン」でも優勝候補の一人として考えられ、大きなプレッシャーがあっただろう。


そんな注目の集まったこの大会で、大坂は3回戦、4回戦と2試合続けて第1セットを落とす劣勢からの逆転勝ちという成長を見せた。そして準決勝、決勝もフルセットにもつれながらも強敵から白星を挙げ、グランドスラム2大会連続優勝、そして初の世界1位を掴んだ。


約13ヵ月前は世界68位と発展途上でメンタルが弱いと言われていた選手が、この短期間で成長を重ね1位に輝いた。そしてそのそばにはいつもバジンコーチがいた。


今回別々の道を歩むことになった二人だが、それぞれがさらに飛躍することを期待したい。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2018年「BNPパリバ・オープン」の時の大坂なおみ(右)とバジンコーチ(左)
(Photo by Harry How/Getty Images)

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