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次代のアガシ&グラフ、18歳で結婚、同性カップル...テニスコートで生まれた愛5選

@Getty Images

昨年、バレンタインデーに合わせてテニス選手同士の有名カップル5組をご紹介したが、選手同士だからこそ理解し合える部分も多いようで、その後もコートで次々と愛が生まれている。今回はより最近誕生したカップルをご紹介しよう。

■アガシとグラフに続け!? テニス界を代表する新たなビッグカップル


現在最も有名なカップルの一つは、ともに世界トップ10につけているガエル・モンフィス(フランス)とエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)だろう。スビトリーナが同じ相手と長く付き合っていたこともあって、ほとんど接触のなかった二人の距離が一気に縮まったのは2018年の終わり。彼女がパリで友人たちと会っていることをInstagramに投稿すると、ちょうどその時にパリにいたモンフィスがメッセージを送ってきて会うことになったという。


年明けの「全豪オープン」中に交際が噂され、二人共同のInstagram(アカウント名は二人の名前のイニシャルを組み合わせた「g.e.m.s.life」)がオープン。そこには二人が普段どう過ごしているかといった様子や、一緒に行っているチャリティ活動が投稿されている。9月のスビトリーナの25回目の誕生日には、モンフィスが自身のInstagramに「誕生日おめでとう、僕の愛する人。君は自分で思っている以上に僕の人生を変えてくれたよ」というメッセージを投稿した。


モンフィスはスビトリーナとの関係について「彼女はハードワーカーで非常にプロフェッショナルだ。時にはプロに徹しすぎていると思うくらいにね。バランスを取ることが必要だから、僕がもうちょっと楽しむよう促すこともある。彼女は逆に、僕に規律をもたらしてくれるんだ」と説明する。そのおかげか、モンフィスの2019年シーズンは37勝19敗と、前年(29勝20敗)に比べて勝率が大幅にアップし、「全米オープン」では自身3度目のグランドスラム4強まであと一歩(準々決勝進出)だったほか、ランキングは32位から10位まで上昇した。


スビトリーナは食事をグルテンフリーで揚げ物なしにするなど節度ある生活をしているが、モンフィスに誘われてマーベル映画『アベンジャーズ』シリーズを全作観たりと、息抜きすることもあるという。また、クリスマスプレゼントをテニスコートに置き、スビトリーナがサーブをそれに当てたらゲットできるという趣向にするなど、テニスと楽しいことをうまく絡めているようだ。テニス選手はシーズンが長いため、異なる仕事を持つ相手だとなかなか一緒にいられないが、二人は同じ都市で同時期に行われる大会に参加することも多く、移動や滞在の間も一緒に過ごすようにしている。


「同じスポーツ選手の方が付き合いやすいのはたしかね。ガエルは私が直面していることがいかに困難かも理解してくれるし、私が助けを必要とすれば支えてくれるの」


■イタリアの新星の恋人は、あの悪童の元カノ


2019年の「全米オープン」でベスト4となり、その1年で54位から8位まで急浮上したマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)は、テニス以外の話題でも注目を集めている。恋人が、ニック・キリオス(オーストラリア)と2015年から2年間、くっついたり離れたりを繰り返していたアイラ・トムヤノビッチ(クロアチア)なのだ。ベレッティーニのプレイヤーズ・ボックスにトムヤノビッチが座っていたり、街なかを一緒に歩いたり、レストランで夕食を共にしたりしていたことで2019年9月頃から交際が噂され、10月に本人たちが認めた。


モンフィス&スビトリーナと違い、二人は一緒の大会にはあまり参加できていないが、ビデオチャットなどで連絡を取り合っているという。また、トムヤノビッチは少しでも時間ができれば遠方でも恋人の応援に駆けつけている。「一緒にいられる時間はすごく貴重だから、練習で打ち合ったりしているよ」と二人の関係について語るベレッティーニによれば、彼らには「犬とTVシリーズが大好き」という共通点があるそう。


ベレッティーニもかつて他のテニス選手(同国人のLavinia Lancellotti)と交際していたが、トムヤノビッチには同業者以外の魅力があると語る。「彼女のブルネットの髪が好きなんだ。それと、純粋とも言える人柄もね。彼女は聡明で教養ある女性で、とらえどころがない。そこに惹きつけられるんだ」


しかし、イタリアの新星と付き合っていることでトムヤノビッチの方は苦労することもあるようだ。彼女は2020年の「全豪オープン」1回戦でシード選手にストレート勝利したにもかかわらず、直後の会見でその試合ではなく恋人について聞かれるという経験をしている。


一方、かつてトムヤノビッチといる時の自分を「最も幸せ」と表していたキリオスは、彼女と別れた後はユージェニー・ブシャール(カナダ)の双子の姉ベアトリスと噂されたり、アンナ・カリンスカヤ(ロシア)とSNSで痴話喧嘩(?)を繰り広げたり、18歳のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)と噂になったりと、コート外でも相変わらずお騒がせ男となっている。


■グランドスラム優勝直後に引退…夫を支える姉さん女房


ファビオ・フォニーニ(イタリア)とフラビア・ペンネッタ(イタリア)もテニス界を代表するカップルだ。バルセロナにある同じテニスクラブで練習していた二人は、友人関係を経て2014年に付き合い始めると翌年婚約し、2016年に結婚。交際当初から「母親になるのが夢。何十年経っても一緒にいる、うちの両親みたいに温かい家庭を築きたい」と話していた5つ年上のペンネッタは、2015年の「全米オープン」で優勝した直後に現役を引退し、2017年に息子、2019年には娘を出産した。


「試合中のファビオは感情的だけど、コートを離れるととても穏やかでフレンドリーなの。私たちはとてもいい関係を築いていると思う。笑いにあふれ、助言もするし、テニスや私生活について腹を割った話もできる。私たちがこれまでのキャリアで下してきた決断の多くは、二人で話し合って決めたものよ。私たちはいつでもお互いに対して正直なの」


フォニーニは、グランドスラム優勝のほか、「フェドカップ」4冠を誇る妻から多くを学んでいるという。ペンネッタと付き合い始めた頃のキャリアハイは13位だったが、2019年4月にモンテカルロでマスターズ1000大会を初制覇し、同年6月にはイタリア人の男子シングルス選手として史上3人目となるトップ10入りを果たした。


また、「家族が最優先」で妻子の存在が力になっていると語る彼は、これまでに獲得した9つのタイトルのうち5つが父親になってから手にしたもの。子どもたちがまだ幼いため一緒にツアーを回ることはできないが、時間ができたら頻繁に連絡するほか、3週間に一度は必ず家に帰るようにしている。2019年には母国の有名ブランド、アルマーニと夫婦でアンバサダー契約を交わし、そろって広告に登場するなど、二人三脚で歩んでいる。


■子どもの頃に出会った“敵”と18歳で結婚


フォニーニ&ペンネッタと同じく、同国のテニス選手同士で結ばれたのはテイラー・フリッツ(アメリカ)とRaquel Pedraza(アメリカ)。2016年にともに18歳で結婚した若夫婦だが、ジュニア時代から活躍していた二人が初めて会ったのは12歳の頃。男女ダブルスの敵同士として顔を合わせたのが始まりだったという。


元世界10位のKathy May(アメリカ)を母に持ち、2015年「全米オープン」のジュニア部門で優勝するなど、プロ転身前から注目されていたフリッツ。2017年1月に息子が生まれて父親になった彼は、その2ヶ月後に当時7位だったマリン・チリッチ(クロアチア)を下してトップ10選手から初勝利をあげた。


若くして家庭を持ったが、「コート外のことは妻がすべてやってくれるから、父親になった今もテニスに集中できているよ」という言葉通り、朝早くから夜遅くまでトレーニングに励んでいるフリッツ。とはいえ、朝起きた時と夜寝る前は必ず子どもの顔を見るようにしており、息子と触れ合うことも忘れていない。


そんな妻の支えもあって、2019年6月には「ATP250 イーストボーン」で初優勝を遂げ、妻子と喜びを分かち合った。アメリカの20代前半の選手として最も高いキャリアハイ(25位)を誇る彼は、同国の次代を担う一人と目されており、最近ではドミニク・ティーム(オーストリア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、ベレッティーニといった格上の選手からも勝利を挙げることが増えている。


■いつかダブルス優勝も…ともに現役の同性カップル


世界に合わせて、テニス界でも徐々に多様化が進みつつある。それを象徴するのが、ともにベルギー人のアリソン・バン ウィトバンクグリート・ミネンの同性カップルだ。2018年の「ウィンブルドン」2回戦でディフェンディング・チャンピオンのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)から金星をあげたバン ウィトバンクが、勝利後にコートで恋人のミネンとキスを交わしたことをご存知の方もいるのではないだろうか。


その「ウィンブルドン」から4ヶ月前に恋人同士であることを公表していた二人の元にこれまでに寄せられた反響は、好意的なものばかりだという。バン ウィトバンクは「私たちは一緒にいられて本当に幸せだし、批判的な意見がないことを喜んでいるわ。カミングアウトした時の周囲の反応が怖いという人もまだいるけど、秘密にしなくて済むことにホッとしているの。だって秘密にした状態では、その人は本当の意味で自由とは言えないし、精神的にも良くないもの」


ミネンは「同性愛者だと公言できない人に自分たちがインスピレーションを与えたい」と話す。「状況はどんどん良くなってきているわ。10年後には、わざわざカミングアウトしなくても良くなるんじゃないかしら」


ベルギーのテニス協会で2015年の終わりに出会うとすぐに恋に落ちた二人は、それまで同性と交際したことはなかったという。バン ウィトバンクは「かつては人に話すことにとてもナーバスになっていたわ。どんな反応を示されるか分からないから」と振り返る。しかし今では両親も自分の子どもたちと同じくらい娘のガールフレンドが大好きだそう。


両者のシングルスのランキングにはかなり開きがある(キャリアハイでバン ウィトバンクは37位、ミネンは110位)ためなかなか同じ大会に出場できていないが、交際4年目の2019年7月についに初対戦が実現。結果はバン ウィトバンクの勝利に終わるも、試合後には仲良くハグとキスを交わす二人の姿が見られた。


ダブルスでペアを組むこともある二人。2018年のルクセンブルク大会で優勝したほか、2019年の「ウィンブルドン」にも出場して1回戦突破を果たしている。バン ウィトバンクにとって夢である「二人でグランドスラムのダブルスで優勝すること」もいつか叶うことを祈りたい。


(テニスデイリー編集部)


※写真は左からエリナ・スビトリーナガエル・モンフィスフラビア・ペンネッタファビオ・フォニーニ
(@Getty Images)

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