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タトゥー入り選手は試合に有利? テニスとタトゥーの関係

プレーヤーの肌に踊る様々なデザイン。近年テニス選手の間で、タトゥーが増加傾向にあるようだ。タトゥーを入れた選手の方が、そうでない選手よりも活躍しているという調査結果もある。

◆タトゥーが目を引く選手たち
ポロナ・ヘルツォグ(スロベニア)は、比較的凝った絵柄を彫り込んだ選手の一人だ。骸骨とバラをあしらった右腕の大きな図柄が目を引くほか、左腕にも時計とバラの模様が見られる。人生の虚無感を表現する「ヴァニタス」という静物画からモチーフを取り入れているようにも思われるが、必ずしもすべてのモチーフに意味はないとヘルツォグは語る。骸骨など、人体の構造が単純に好きということのようだ。

タトゥーに惹かれる選手はヘルツォグだけではない。Tennis World USA誌はほかにも複数の選手のケースを紹介している。2015年のウィンブルドンでナダルに勝利したダスティン・ブラウン(ドイツ)の脇腹には、父親の顔が大きく刻まれている。ケルンで活動する著名な彫り師に巡り会ったことで、長年の夢だったタトゥーをついに彫ることができたという。このほかにも、アイルランド人作家による「失敗しても再挑戦せよ」という趣旨の格言を刻んだスタン・ワウリンカ(スイス)をはじめ、お気に入りの文言を彫り込むパターンもよく見られる。

場所については腕に入れるのが最もポピュラーだが、男女で好みが異なるようだ。フィンランド・ヘルシンキ大学で皮膚疫学を学ぶニコラス・クルーガー氏の調査によると、男子は利き手に入れるプレーヤーが多い傾向があり、女子は反対側の腕が多いことが判明している。観戦の際に意識してみるのも面白いだろう。

◆テニス選手は一般より多い? 少ない?
ことプロのテニス選手の間で、タトゥーは一般の人々よりも浸透しているのだろうか? 観戦中にときおり目にする印象があるものの、前掲の調査によると、意外にも一般的な使用率よりは低い水準に留まっている。視認できる箇所にタトゥーを入れている選手は、男子(ATPランク上位100人)の7%、女子(WTAランク上位100人)の11%であり、同年代の平均である約30%よりも大幅に低い数字となった。テニス選手のタトゥー使用率は比較的控えめと言えそうだ。プレーヤーを取り巻く社会的環境がタトゥーの抑制につながっているほか、大会が相次ぐため彫り込みの後に必要な安静期間を確保できないといった事情があるようだ。

とはいえ、今後は徐々に選手間に広がる可能性もある。ATPツアーとWTAツアーでは年を追うごとによく見られるようになってきている、とTennis World USA誌は指摘する。フェデラーなどの一流プレーヤーたちがこの流れに加わる気配は今のところないが、すでに彼のファンたちの間ではイニシャルの「RF」をデザイン化したタトゥーが流行している。

◆実利のほどは
前述のヘルツォグは、骸骨など派手な模様を複数彫り込んでいることから、過去には「タトゥーを見て対戦相手が怯んでくれればいいのに」と冗談をこぼしたことも。まさか本気で威圧する意図があるとは思えないが、たとえばタトゥーが選手本人の士気を高揚させるといったように、ゲーム展開へのプラス効果はあるのだろうか?

自尊心を高めたり、攻撃性を増したりする効果がある、とクルーガー氏のレポートは指摘している。タトゥー入りの男子選手はそうでない選手よりもランキングの中央値が高く、かつ多くのポイントを獲得する傾向が見られた。ただし統計的に有意といえるほどの差は出ておらず、女子についてはほぼ差がない。タトゥーを入れたからといって、即座にプレーを向上させることができるとまでは流石にいかないようだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は右腕に大きなタトゥーが彫られたポロナ・ヘルツォグ(Jimmie48 Photography / Shutterstock.com)

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