コラム

アジアテニス界のレジェンド、リー・ナが殿堂入りへ アジア人初のGS 制覇、中国にも多大な影響

国際テニス殿堂は1月21日、36歳のリー・ナ(中国)の殿堂入りを発表した。今年7月20日に行われる式典を経て、アジア出身選手としては初の快挙となる。四大大会で2度優勝しているほか、中国のプレー人口拡大に大きく寄与したリー・ナ。2014年にWTAランク2位に輝いた後は膝の故障に悩まされ引退したが、その実績が認められた形となった。

◆アジア出身選手初の殿堂入り
殿堂入りの発表を受け、リー・ナ本人は「ものすごく光栄」との声明を発表。功績を認められたことを謙虚な姿勢で感謝したい、と控えめな態度で喜びを示した。1954年のテニス殿堂の設立以来、これまでに23ヶ国から250人超の選手たちが殿堂入りを果たしている。

正式な殿堂入りは今年7月。同時に殿堂入りする選手は女子選手のマリー・ピエルス(フランス)と、男子のエフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)だ。三者とも全豪・全仏の両大会で優勝経験を持つ。国際テニス殿堂の伝統に従い、同組織の会員、報道関係者、そしてテニス史の研究者たちによる投票で殿堂入り選手が選出された。また、今年からオンライン投票が導入され、ファンの声が反映されている。

◆現役時代の輝かしい実績
リー・ナの四大大会での初優勝は2011年の全仏オープン。世界ランクトップ10の選手のうち4人を撃破し、トロフィーを手にした。また、全豪では2度の準優勝の実績を持つ。2014年には全豪でトロフィーを獲得し、WTA2位という生涯最高ランクを記録。その8ヶ月後、膝の故障を理由として32歳で現役を引退している。

メジャータイトル獲得への転換点となったのは、2011年の全豪オープン決勝での敗北だ。キム・クライシュテルス(ベルギー)との対戦のなかで自信を掴み、試合には敗れたものの優勝まであと一歩の位置にいると確信したリー・ナ。3年後には同じアリーナでトロフィーを手にすることになる。

女子テニス界の草分け的存在であった、とAP通信は評する。2004年には中国人選手初のWTAタイトルを獲得。2011年の全仏オープンではアジアに初のグランドスラム優勝をもたらした。その後、2014年の全豪オープン優勝へと実績を繋いでいる。国際テニス殿堂のCEOであるトッド・マーティン氏は、強い影響力のあるテニス選手だと述べ、彼女の実績を賞賛している。

リー・ナ選手がテニスというスポーツに与えた影響の大きさは広く認められている。Forbes誌に記事を寄せたジャーナリストのDanielle Rossingh氏は、これまで殿堂入りした選手のなかでも影響力が大きい、と述べる。2011年の全仏オープンでフランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)を破ると、一躍世界的なスター選手となった。この試合は中国だけでも1億人以上がテレビで観戦しており、彼女は中国でのテニスの浸透に重要な役割を果たした。国際テニス連盟のデータでは、現在では中国のテニスの競技人口は約1500万人にまで拡大している。

◆人柄の良さでも人気者
実績に加え、人を惹きつけるような性格が魅力のリー・ナ。母国の中国ではテニスに興味を持つ人々が急増したのは、そんな親しみやすいキャラクターもあってのことだろう。テニス殿堂によるリリース文のなかで彼女は、中国でテニスが勢いを増していることを嬉しく思い、また、歴史の一部となれたことを誇りに思う、と心境を語っている。

私生活では2児の母親としての顔も持つ、とAP通信は紹介している。元コーチである夫との間に2人の子を設けたが、子育てと選手生活の両立は彼女には無理だったと振り返るリー・ナ。子供を引き連れて世界各地を飛び回るセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に対しては驚きを隠さない。

性格の良さで人気の彼女だが、ビジネスでは強かな一面も。Forbes誌によると、引退時点での生涯獲得賞金額は1600万ドル(約17億6000万円)に達し、同誌の「世界で最も稼ぐ女性スポーツ選手」ランキングでマリア・シャラポワ(ロシア)に次ぐ2位になったこともある。さらには映画化や書籍化のオファーを受けるほか、NIKEとのスポンサー契約やテレビ出演もこなし、現在でも年間2000万ドル(約22億円)の収入があるようだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はアジア出身選手初の殿堂入りを発表されたリー・ナ(Ike Li / Shutterstock.com)

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