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2019年から新フォーマットとなる「デビスカップ」。賛否両論の改革は大会を活性化させるのか?

2018年まで「デビスカップ」(テニス国別対抗戦)は、世界の最強16カ国から構成されるワールドグループと、その下にグループIからグループIVまでがあり、2月から11月までの1年近くをかけてグループ内でのトーナメントと、それぞれのグループの下位チームと上位チームとの入れ替え戦が行われていた。2019年から大幅に変更になるのは、ワールドグループの試合がまず2月にホーム・アンド・アウェーで最初のラウンド(クオリファイアー・ラウンド)が行われ、次は11月にある都市(2019年、2020年大会はスペインのマドリードに決定)で開催される「デビスカップ・ファイナル」で、リーグ戦、準々決勝、準決勝、決勝がまとめて行われる点。そして全ての試合が、2018年までは5セットマッチであったのに対し、3セットマッチになったことである。

■ファイナル出場に向けて24チームが戦うクオリファイアー・ラウンド

2019年2月1日・2日には世界12カ国でクオリファイアー・ラウンドが行われる。日本は敵地で中国と。その他はブラジル対ベルギー、ウズベキスタン対セルビア、オーストラリア対ボスニア・ヘルツェゴビナ、インド対イタリア、ドイツ対ハンガリー、スイス対ロシア、カザフスタン対ポルトガル、チェコ対オランダ、コロンビア対スウェーデン、オーストリア対チリ、スロバキア対カナダの全12組。2月1日にシングルス2試合、翌2日にダブルス1試合、続いて対戦相手を替えたシングルス2試合が行われる。

■18チームで争われる「デビスカップ・ファイナル」

11月のファイナルに出場できるのは2月にクオリファイアー・ラウンドを勝ち抜いた12チームと、2018年大会でベスト4に残った4チーム(クロアチア、フランス、アメリカ、スペイン)に加え、ワイルドカード2チーム(アルゼンチン、イギリス)の合計18チーム。

新方式の「デビスカップ・ファイナル」は2019年11月18日から24日に開催。最初の4日間は3チームずつ6組に分かれてのリーグ戦となり、シングルス2試合とダブルス1試合が行われる。各組で1位となった6チームと、各組2位の中で最も成績の良い2チームという合計8チームが勝ち上がって準々決勝に進み、その先はトーナメント制となる。

このリーグ戦でボトム2(17位・18位)となったチームは翌年ワールドグループから陥落。5位から16位のチームは翌年のクオリファイアー・ラウンドに参加、1位から4位は翌年のファイナルに出場できる。

■参加しやすい日程、大きな賞金でスター選手の参加を促せるか

2018年までの「デビスカップ」は、1年に4回、1回戦・2回戦・準決勝・決勝と、それでなくても過密なATPのスケジュールの合間に試合を入れていたので、各国のトップ選手は参加しない、ということも珍しくなかった。新しいやり方ではワールドグループの大会は2月と11月の2回だけ、しかも大口のスポンサーをつけて賞金を確保し、ファイナルは1週間で18カ国がバトルするお祭り騒ぎ的な演出だ。この大幅な変更が決まる前にも決まった後も、選手たちやファンたちからは大きな反対の声があった。その趣旨は主に、「デビスカップ」を両対戦国どちらかのホームで戦えないことは、国の代表として戦う選手たち、応援するファンたちの一体感や感動を奪い、ランキングや賞金よりも愛国心とプライドを懸けて100年以上にわたって戦われてきた「デビスカップ」を商業化するものだという意見だった。

改変に当たっては、サッカーのFCバルセロナでプレーする元スペイン代表のジェラール・ピケがCEOを務める投資グループKosmosが今後25年にわたり30億ドルを投資するというのだから、商業化という批判は免れないであろう。とはいえトップ選手たちからは以前のやり方では「デビスカップ」出場は身体的にきつ過ぎる、という苦情があったことも事実だ。改変がなされてしまった以上、選手もファンも心から盛り上がって楽しめる、そんな大会になってくれることを願うばかりである。

(文/月島ゆみ)

※写真は「デビスカップ」ワールドグループで優勝したクロアチアのメンバー
(Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)

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