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コラム

新団体戦「ATPカップ」正式発表 20年開始、賞金総額17億円 デビスカップとの共存は?

ATPは11月15日、チーム戦形式の新規ツアー大会となる「ATPカップ」を2020年から新設すると公式に発表した。ATPツアー大会としては最大規模の賞金額となるが、デビスカップと時期的に極めて近接することから、選手への負担が懸念されている。

◆チーム戦が復活
ATPの大規模な団体戦としては、2012年まで35年に渡り「ATPワールドチームカップ」が開催されていた。新大会はこれに改良を加えたフォーマットとなる。世界各国の選手が6つのグループ別に競い、上位8組が決勝トーナメントに進出する。選手に参加義務はないが、勝者には最大で750点のツアー・ポイントが付与される。また、1500万ドル(約17億円)の賞金総額はATPツアー大会としては最高額となる。

大会はオーストラリアの3都市で10日間にわたり開催される予定で、今年7月にはすでにATP内部での承認が完了していた。オーストラリアテニス協会の合意をもって、今回の正式アナウンスに至った形だ。ロンドンで行われた今回の発表の場には、ATP会長であるクリス・カーモード氏に加え、オーストラリアテニス協会CEOのクレイグ・ティリー氏と世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が同席した。

◆6週間で2大会
大型の新規大会となる本計画に対しては、選手の体力的負担を懸念する声が挙がっている。現状でも過密気味のスケジュールにさらに追加されることになる、とESPNは指摘。2020年1月第1週から実施されるATPカップは、2019年11月開催予定のデビスカップから6週間しか期間を置かないことになる。

同大会から6週間後という時期については、カーモード氏自身も以前、「正気とは思えない」と発言していた。ジョコビッチは今回の会見の場では前向きな姿勢を見せたものの、会見の数日前には、すでに過密な男子のスケジュールのなか、同じような大会を2つ行うことに懸念を示している。ロイターはこうした発言を伝えた上で、競合する両大会のうち、シーズンの幕開けに開催されるATPカップが(選手の参加意欲という面で)有利になるだろうと見解を述べている。若手ホープのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)はすでに、デビスカップへの参加を見送る意向を表明している。

◆改善の意向
スケジュール上のこのような問題については、会見に出席したカーモード氏、ティリー氏ともに改善の意欲を見せている。ESPNによるとカーモード氏は、ATPはスケジュール全般の改善を検討すべきだとの考えを明らかにした。ただし、グランドスラムに加えて64のATPツアー大会が存在することから、調整は複雑になるとの見込みを示している。なお、国際テニス連盟、WTA、そしてグランドスラム大会の各開催主体とはすでに一度協議しており、話し合いのムードは非常に良好だったという。

デビスカップとの競合について、CNBCはカーモード氏から独占コメントを引き出している。テニス以外のスポーツでは団体戦を並行して開催している実績があることから、デビスカップとの並存は可能だとの考えを氏は明らかにした。また、時期が近すぎることは問題だが、追って改善できるだろうとの見込みを示している。

開催時期については見切り発車の印象があり、他大会との調整が今後求められることになりそうだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2018年「デビスカップ」の様子(Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)

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