マイページ

コラム

Next Genで試される未来のテニス タオル手渡し廃止、コーチ助言への選手の反応は?

21歳以下のトップ・プレイヤーたちがしのぎを削る、ネクストジェネレーション・ATPファイナル。2017年から開催されているこの大会では、様々な新ルールが試験導入されている。ポイント・システムの変更やオンコート・コーチングの許可に加え、今年はボールキッズによるタオルの差し出しを廃止。若いファンの開拓などを目指す革新的な試みだが、選手からは戸惑いの声も聞かれる。

◆多彩な新ルール
同大会では初回開催となった2017年から、複数の先進的な制度を導入している。線審を廃止したホークアイと呼ばれるシステム、タッチ・ネットなどを判定するビデオ・システム、ウォームアップ時間の5分から4分への短縮、サーブのネットイン後もやり直しを行わないノーレット、4ゲーム先取の5セットマッチの導入などがTelegraph紙で紹介されている。

ただし、ポイント・システムの変更など、プレイヤー間で評価がわかれているものも。ステファノス・チチパス(ギリシャ)は、スピーディーな決着を目指した新制度は「ストレスが溜まる」と批判する。一方、男子47位のテイラー・フリッツ(アメリカ)は、若いファンたちがより熱中できるシステムだとして歓迎の意向を示している。ATP代表のクリス・カーモード氏も、試合時間の短縮化を目指す新システムは若いファンに受けると見込んでいるようだ。テニスの観客層は平均60歳を超えているといい、危機感を滲ませる。

なお、大胆な変更によるランキングへの影響も心配されるところだが、Tennis.comによるとネクストジェネレーション・ATPファイナルではATPポイントの付与は行われないことになっている。

◆タオルはご自分で
これらの先進的な制度は大会初年度の2017年から導入されていたものだが、今年になってタオルにまつわる制度変更が追加された。ATPツアー大会で慣例となっていた、ボールキッズによるタオルの手渡しを廃止。代わりにプレイヤー自身がコート外に設置されたタオルラックまで取りに行く方式に改められた。

だが、選手からの評判は芳しくないようだ。一連の新方式のなかでタオルの件が唯一気に入らないと述べるフランシス・ティアフォー(アメリカ)は、ラックまで歩くことで試合のペースが乱れることを嫌い、ボールボーイの復活が必要だと訴えている。チチパスも新ルールに反対だ。ハイレベルのプレイヤーはボールキッズからタオルを渡されるのが普通であり、そうでないのは少し変わっているとの意見を述べている。ただし、チチパスは過去に、苛立った様子でボールキッズからラケットをむしり取るなど、ボールキッズへの不適切な行動で批判を浴びている。ボールキッズたちは新ルールの恩恵を受けることになりそうだ。

さらに、今年9月にはフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)がタオルの手渡しに手間取ったボールボーイを叱責し、波紋を呼んでいた。新ルールはボールキッズに対する奴隷のような扱いを避けるため、とTelegraph紙は説明している。

◆コーチングOK、ただし公開します
もう一点、選手たちの大きな関心ごとがオンコート・コーチングだ。ヘッドセットを装着してコーチからの指示を受けることができるシステムであり、1セットにつき1回までで、セット終了時に限り権利を行使できる。Tennis World誌によると、チチパスはオンコート・コーチング不要の立場を示し、選手たちは自身でやり方を導き出すべきだ、との意見を述べている。

また、多くのルール変更を「何もかもが無意味だ」と切り捨てるアンドレイ・ルブレフ(ロシア)は、ヘッドセットを通じた会話内容が放送されるシステムに反発している。そのせいで曖昧で凡庸な会話しかできなかったとのコメントを残し、不満を滲ませた。しかし同誌によると、制度を最大限に活用した選手もいるようだ。バックのダウンザラインを活かすようコーチから指示を受けたテイラー・フリッツ(アメリカ)は、続くセットですぐさま成果を発揮。指示通りのプレーで3ポイントを獲得した。

他にも観客が試合中に席を移動できるなど、実験的な制度が導入されているネクストジェネレーション・ATPファイナル。ATP代表のカーモード氏はTelegraph紙に対し、テニスに変化を加え、改革をもたらし、あるいは現状を維持するために、様々な意見を必要としていると語り、反応に耳を傾ける姿勢を示しているとのことだ。

(テニスデイリー編集部)

※写真はヘッドセットを装着しコーチングを受けるアレクサンダー・ズベレフ(Paolo Bona / Shutterstock.com)

コラムの関連記事

PAGE TOP
menu