コラム

デビスカップ決勝、クロアチアはフランスにワールドカップのリベンジなるか?

奇しくも、今年、2018年7月に行われたサッカーワールドカップ決勝戦と同じ対戦カードとなったフランス対クロアチアの「デビスカップ」決勝戦が11月23日から25日にかけて開催される。2019年からレギュレーションが大きく変わることが決定しているので、現行のものとしては最後となる2018年「デビスカップ」、決勝の見どころをご紹介しよう。

■現役引退後も人気のヤニック・ノア、監督として有終の美?

1991年から断続的に監督としてフランスチームを率いてきたヤニック・ノアは、現役時代の1983年にシングルスで「全仏オープン」優勝。これがフランス人男子が最後に獲得した四大大会タイトルだ。「デビスカップ」では監督として1991年、1996年、2017年に優勝。選手としても1978年から1990年まで出場し、シングルス・ダブルス通算で39勝22敗という素晴らしい結果を残している。国別の優勝回数で見ると、トップはアメリカの32回、2位オーストラリアが28回、フランスは10回で、イギリスと並んで3位である。今年いっぱいで辞意を表明しているノアは、連覇で有終の美を飾れるか。

今年のフランスは、1回戦でオランダ、準々決勝でイタリア、準決勝でスペインを撃破。出場選手は全部で8人と、層の厚さが強み。今年出場した各選手の「デビスカップ」での過去通算成績はアドリアン・マナリノ1勝1敗、リシャール・ガスケ18勝12敗、ピエール ユーグ・エルベール6勝2敗、ニコラ・マウ9勝4敗、ルカ・プイユ7勝3敗、ジェレミー・シャルディ5勝1敗、ブノワ・ペール1勝0敗、ジュリアン・ベネトー11勝8敗と、負け越している選手は1人もいない。しかも今年はジョー ウィルフリード・ツォンガ(27勝9敗)やガエル・モンフィス(12勝2敗)は出場もしていないのだから、驚くべき層の厚さである。実際、2018年11月5日現在のフランス人選手のシングルスランキングはガスケ26位、モンフィス29位、ジル・シモン30位、プイユ32位、シャルディ42位、マナリノ44位、ペール53位、エルベール55位、ウーゴ・ウンベール98位と、100位以内に9選手もランクイン。またダブルスでも、マウ15位、エルベール17位とトップ20に入っているのだ。

■少数精鋭のクロアチア、上位2選手の奮闘が原動力

対するクロアチアはカナダ、カザフスタン、アメリカを下して決勝進出。これら3戦をいずれもクロアチア国内で戦ってきたが、決勝はアウェーのフランスで開催される。とはいえ、クロアチアは2015年以来アウェーで負けたことがない。必ずしも不利だと感じてはいないだろう。フランスとクロアチアの過去の対戦成績は2戦して1勝ずつだが、フランスの勝利は2004年の1回戦。クロアチアは2年前の準決勝で、マリン・チリッチがシングルス2勝、ダブルスでも1勝をあげ、3-2でフランスを破っている。

クロアチアの今年の出場選手はボルナ・チョリッチ(シングルスランキング12位、デビスカップ通算9勝7敗)、ビクトル・ガロビッチ(199位、1勝1敗)、チリッチ(7位、37勝17敗)、イバン・ドディグ(シングルスランキングなし、ダブルス35位、18勝27敗)、ニコラ・メクティッチ(シングルスランキングなし、ダブルス11位(過去最高)、4勝1敗)、マテ・パビッチ(シングルスランキングなし、ダブルス3位、0勝4敗)の6人。

今年まだデビスカップに出場していない選手としてはイボ・カルロビッチがいるが、彼はシングルスランキング102位、デビスカップ通算13勝14敗。クロアチア国籍の選手で100位以内なのはチリッチとチョリッチの2人だけだが、7位と12位という高順位の彼らで今年のシングルス10戦中9戦を戦い、7勝2敗という好成績がクロアチア決勝進出の原動力となった。つまりフランスとクロアチアは、層の厚さ対少数精鋭という、対照的な戦い方で決勝まで勝ち上がってきたわけだ。

■地の利を生かす老練なフランスか、勢いのクロアチアか

来年からデビスカップのやり方は大きく変わる。特に、11月の決勝ラウンドは、それぞれの国ではなく決まった場所で(2019・2020年大会はマドリード)行われるようになるため、これまでのようなホームチームの熱狂的な応援は見られなくなるかもしれない。今大会では老練で層の厚いフランスがそうした地元ファンたちの力も借りて勝利するのか、少数精鋭のクロアチアがスポーツは違えど、ワールドカップのリベンジを果たすのか。秋の夜長の決勝戦が楽しみだ。

(文/月島ゆみ)

※写真は2017年のデビスカップで優勝したフランスチーム(Photo by Jean Catuffe/Getty Images)

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