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コラム

今さら聞けないテニスのイロハ ~第7回 グランドスラムについて〜

2009年の「全仏オープン」で生涯グランドスラムを達成したときのフェデラー

テニスのニュースや選手のプロフィールを見ていると出てくる「グランドスラム」の文字。今回はこの「グランドスラム」が何なのか、何がすごいのかを解説します。

■そもそもグランドスラムとは

「グランドスラム」という言葉は、テニス以外でも使われます。そこで、辞書を使って「グランドスラム」の意味を調べてみました。

1)トランプの「ブリッジ」で13組すべてを取ること
2)野球の満塁ホームランのこと
3)スポーツで年間の主要な試合で優勝すること
 ・テニス:世界四大選手権(「ウィンブルドン」「全米オープン」「全仏オープン」「全豪オープン」)に優勝すること
 ・ゴルフ:「全英オープン」「全米オープン」「マスターズトーナメント」「全米プロゴルフ」に優勝すること

となっています。

ちなみに英語では「grand slam」と表記します。
「grand」は壮大な、威厳のある、最高位の、すべての、という意味があり、「slam」は戸や窓をピシャリと閉める、強く打つ、楽勝する、などの意味があります。

つまり「グランドスラム」とは、大きな大会を指す言葉であると同時に、その大きな大会をすべて制覇する、という2つの意味があるんですね。ただテニスでは「グランドスラム」は大会のカテゴリ名でもあるため、1つの大会で優勝した際にも「グランドスラムに勝つ」と表現されます。

■テニスのグランドスラムとは

テニスにおけるグランドスラムは、前述した4つの大会のことです。それぞれまとめてみました。
・「全豪オープン」 毎年1月にオーストラリア・メルボルンで開催。ハードコート。
・「全仏オープン」 毎年5~6月にフランス・パリで開催。クレーコート。
・「ウィンブルドン」 毎年6~7月にイギリス・ロンドンで開催。芝コート。
・「全米オープン」 毎年8~9月にアメリカ・ニューヨークで開催。ハードコート。

テニスの4大大会、すなわちグランドスラムはITF(国際テニス連盟)が主催するもので、男女同時に行われるのが特徴です。もともとはアマチュアの大会でしたが、1968年にプロも参加できるように「オープン化」したため、「●●オープン」という呼び名になっています。

■グランドスラムでの試合の形式

この4つの大会がいかに特別な大会であるかは、その試合の形式を見ると分かります。多くの大会は、32人や64人のトーナメント方式で行われます。つまり5連勝か6連勝で優勝です。さらに上位シードの場合は1回戦が免除されることも。

しかしグランドスラムは128人のトーナメントであり、1回戦の免除もないため、誰しもが7連勝しなければ優勝できません。さらに男子にいたっては通常の大会では3セットマッチですが、グランドスラムでは5セットマッチとなります。ですので1試合の時間がよりかかるため、勝ち抜くには強靭な体力が必要で過酷なものになります。

■グランドスラムの達成にも種類がある!?

このようにグランドスラムの大会で優勝するのはとても大変で、それだけ名誉のあることです。それを1年で4つ全て勝つのは、実力はもちろん運があっても困難です。実際シングルスではロッド・レーバー(オーストラリア)やシュテフィ・グラフ(ドイツ)など、5人しか達成した選手はいません。そこで、グランドスラムを3つに分けて表現することがあります。

・年間グランドスラム
1月の「全豪オープン」から9月の「全米オープン」まで、1年で4つの大会全てに優勝することで、厳密な意味での「グランドスラムの達成」を意味します。

・ノン・カレンダー・イヤー・グランドスラム
「年間グランドスラム」と違い、年をまたいで4つ連続で優勝することです。例えば、2018年の「全米オープン」で優勝し、そこから2019年の「全豪オープン」「全仏オープン」「ウィンブルドン」と勝つような感じですね。男子ではノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、2015年の「ウィンブルドン」から2016年の「全仏オープン」までの4大会で達成しています。

・生涯グランドスラム
これは、選手として活動している間に4大大会全てで優勝することを指します。ジョコビッチのほかにはロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、マリア・シャラポワ(ロシア)といったトップ選手の中でも一握りのみが達成しています。

■終わりに

グランドスラムは注目度が高く、ランキング上位の選手しか出場できない憧れの大会です。これまで日本人選手はグランドスラムのシングルスで優勝していません。日本人初のグランドスラム優勝はいつ、誰になるのか。錦織圭(日本/日清食品)選手?大坂なおみ(日本/日清食品)選手?それとも!?と、こうしたところにも目を向けると、試合観戦がより楽しいものになるでしょう。

テニスの基礎知識をつけて、一緒にテニス観戦を楽しみましょう!

第1回 テニスの「スコア」について
第2回 テニスの「タイブレーク」について
第3回 「キープ」と「ブレーク」について
第4回 「ブレーク」についてもっと知ろう
第5回 実況でよく耳にする言葉について
第6回 ATPとWTAとITFについて

(テニスデイリー編集部)

※写真は2009年の「全仏オープン」で生涯グランドスラムを達成したときのフェデラー
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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