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コラム

破産のベッカー、失くした14個の優勝トロフィー「見つけて」と訴え

写真は2017年のATPツアーファイナルズで優勝カップを運ぶベッカー

80年代から90年代にかけて活躍し、グランドスラムで6度優勝経験のあるボリス・ベッカーが、グランドスラムなどの優勝トロフィーを14個紛失していることが明らかになった。借金返済に充てるため「見つけるのを手伝ってほしい」と広く協力を呼びかけている。

◆グランドスラム優勝トロフィーや五輪金メダルを紛失
 ボリス・ベッカーといえば、それが誰かの説明など多くのテニスファンにとって不要だろう。1985年に全英オープン(ウィンブルドン)をノーシードで勝ち進み、大会史上最年少の17歳で制したのを皮切りに、グランドスラムで6回も優勝を飾った。ベッカーがウィンブルドンで打ち立てた最年少記録は、30年以上たった今も破られていない(グランドスラムとしては、この後にマイケル・チャンが全仏を17歳110日で優勝してベッカーの記録を塗り替え、現在のグランドスラム最年少優勝記録となっている)。アメリカのテニス雑誌Tennis(電子版)は、1968年に始まった「オープン時代」と呼ばれる現代テニスの50周年を記念し、オープン時代を飾るトップ選手のランキングを発表しているが、ベッカーはそこで13位と評価されている。また現役を退いた後も、2013〜2016年の3年間、ノバク・ジョコビッチのコーチを務め、ジョコビッチはその間、グランドスラムで6度優勝。ベッカーは後進の指導にも能力を発揮した。

 そのベッカーが、現役時代にグランドスラム優勝で獲得した6つのトロフィーのうち5つを紛失していることが明らかになった。2017年6月にベッカーは破産宣告を受けており、負債の返済にこのトロフィーを当てたいといい、「見つけるのを手伝って欲しい」とこのほど声明を発表し、人々に協力を訴えている。

 1月24日付のBBCによると、ベッカーが紛失したのは、1985年、1986年、1989年の全英オープンの優勝トロフィー、1991年と1996年の全豪オープンの優勝トロフィー、1992年のバルセロナ五輪でのダブルスの金メダルを含め、全部でトロフィー類14個だ。ベッカーと破産管財人は声明の中で、「トロフィーをどこに置いたのか思い出せない」としている。しかしオール・イングランド・テニス・クラブ、ドイツ・テニス連盟、全米テニス協会、テニス・オーストラリア、さらには世界最大のテニス博物館「国際テニス殿堂」はそれぞれ、自分たちの組織にはベッカーのトロフィーはない、と表明しているという。

 イブニング・スタンダード紙はベッカーの破産に詳しい消息筋の話として、ベッカーは90年代に多忙を極めたため、トロフィーのありかが分からなくなってしまったのではないか、と伝えている。

 全英オープンでは、男子優勝者には表彰式で高さ約45センチの優勝カップが渡されるが、あのカップ自体は選手のものにはならない。代わりに、記念として約35センチ弱のレプリカが贈呈される。デイリーメール紙は昨年10月、ベッカー氏がウィンブルドンで獲得したこれらのカップを売却すると、1億5000万円弱程度になる見込みだと報じていた。

◆当初はトロフィー売却を否定も......
 昨年10月のテレグラフ紙によると、ベッカーは最初の妻との離婚や複数の事業の失敗が原因で、実業家の知人から約3億円弱を25%の金利で借りたという。この知人への借金は完済したが、一方で金融機関などからの借金が膨らみ、去年10月の時点で80億5000万円近い負債を抱えていると報じられていた。

 またエクスプレス紙は10月の時点で、借金返済のためにトロフィーを売却するようなことはしない、とベッカーがツイッターで発言していると伝えていた。しかし現在は、優勝トロフィーの他、海外に保有する不動産も売却するなどして、返済金を工面する予定だとみられている。

 男子プロテニス協会(ATP)の公式サイトによると、ベッカーは現役選手として16年間活動。その間、ATPツアーでシングルス49回、ダブルス15回の合計64回優勝した。現在は、BBCでの全英オープン解説など、スポーツ・コメンテーターとして活躍している。

(松丸さとみ)

※写真は2017年のATPツアーファイナルズで優勝カップを運ぶベッカー
(PROMA1 / Shutterstock.com)

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