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大坂なおみ 全米優勝までの3つのターニングポイント~トッププロとしてのプレッシャー~

「全米オープン」で優勝したときの大坂なおみ

2018年、「全米オープン」で日本人初のグランドスラムシングルス優勝という快挙を成し遂げた大坂なおみ(日本/日清食品)。まだ当時弱冠20歳の彼女がこの優勝によって日本のマスメディアでも多く取り上げられ、一躍「時の人」となったこともあり、テニスファン以外には彗星のごとく現れたと思っている方もいるかもしれない。

しかしそんな大坂も、いくつもの挫折やターニングポイントを経て成長してきた。今回は大坂が「全米オープン」で優勝するまでの3つのターニングポイントのうち、「2016年全米オープンでの涙の大逆転負け」、「バジンコーチとの出会い」に続く「トッププロとしてのプレッシャー」について紹介する。

バジンコーチの参加によって、2018年の1月には「全豪オープン」でグランドスラム3回戦の壁を破り、さらに3月には「BNPパリバ・オープン」でツアー初優勝を飾った大坂。2018年の年始には68位だった世界ランキングも、ツアー初優勝後に22位まで上昇。トッププロの仲間入りを果たした。

しかし結果を出したことで、大坂は勝たなければならないという責任を感じ始めていた。得意の夏のハードコートシーズンになっても重圧がのしかかり、笑顔もなく、7月末の「シティ・オープン」では2回戦敗退、8月の「ロジャーズ・カップ」では1回戦敗退を喫していた。

苦悩のなか迎えた「全米オープン」前最後の大会「ウェスタン&サザン・オープン」の1回戦の相手は、当時世界ランキング31位のマリア・サカーリ(ギリシャ)。序盤は相手の強打におされ、第1セットを3-6で落とす。それでもオンコートコーチングでバジンコーチが「君を誇りに思っている、本当だよ」と励ますと、大坂も何かが吹っ切れたのか笑顔も見えた。

この試合には敗れたが、失いかけていた前向きな気持ちを取り戻し、WOWOWの当時のインタビューには「周囲は私が良い結果を出すと期待しているので、確かにプレッシャーがありました。特にハードコートシーズンが始まってから、テニスがあまり楽しく思えませんでした」「でも今日は久しぶりに楽しかったです。だから『全米オープン』では良い結果が出せると思っています」と力強く話していた。

そして迎えた「全米オープン」。大坂はこれまでの不振を吹き飛ばし、3回戦では相手に1ゲームも与えない6-0、6-0での勝利も見せた。また、試合後のオンコートインタビューでも笑顔と大坂らしい受け答えを見せ、会場のファンを虜にする。

一方バジンコーチはこの大会、大坂に対して厳しい態度で接していたという。グランドスラムでは女子ツアーと異なりオンコートコーチングは禁じられており、劣勢でも一人で立てなおさなければならない場面が来ると見越していたからだ。

バジンコーチの言う通り、その場面は4回戦のアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)戦で訪れる。第1セットを6-3で奪った大坂だったが、第2セットはサバレンカが反撃し、この大会初めてフルセットにもつれ込む。さらに第3セットでは苛立ちもつのり、先にブレークを許してしまう。

今までの大坂ならここで崩れてしまうことが多々あったが、この日は正念場で我慢のプレーを続けて踏みとどまり、すぐさまブレークバック。何度もこぶしを握りしめて自分を鼓舞し、最後は相手のダブルフォルトでグランドスラム初のベスト8進出をもぎ取った。大坂がまた大きく成長した試合だった。

大坂はこれらのターニングポイントを経るたびに成長し、ついには「全米オープン」優勝へと輝いた。その後も初めて最終戦となる「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」も経験し、世界ランキング5位で今シーズンを終えた。

来年も大坂のさらなる成長と、活躍に期待がかかる。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」で優勝したときの大坂なおみ
(Photo by Chris Trotman/Getty Images for USTA)

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