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東京オリンピックの暑さ対策はどうなってる?

「東京オリンピック」でのジョコビッチ

高温多湿の屋外コートで開催される「東京オリンピック」(日本・東京/7月24日~8月1日/ハードコート)のテニス競技には「エクストリーム・ウェザー・ポリシー(異常気象対策ルール)」が適用されている。その詳細をITF(国際テニス連盟)公式サイトが伝えた。

ITFが設けているエクストリーム・ウェザー・ポリシーは、主に選手が体感する気温や湿度を対象に、コート上の条件が厳しくなり、プレーできなくなった場合に選手を守るための対策を定めている。東京の気温は30度を超え、コート上の体感温度は38度を超えるとも言われる初日から、連日適用されているこの対策の詳細は以下の通りだ。


まず、大会審判員は風速、雲、太陽の角度などを考慮した直射日光下で選手が感じる暑さ指数(WBGT)を判断基準とする。この指数はオリンピックのテニス競技期間中、午前10時から30分ごとに計測される。指標が30.1度に達するとエクストリーム・ウェザー・ポリシーが発動し、その場合の選択肢の一つである「プレーの変更」が実施されると主審はその旨を選手に伝える。これにより、シングルスの場合はどちらかの選手の要求に応じて第2セットと第3セットの間に10分間の休憩を取ることができる。試合中にエクストリーム・ウェザー・ポリシーが解除されたとしても、続行中の試合は終わるまでは適用される。ダブルスは第3セットの代わりにスーパータイブレークで決着をつけるため、10分間の休憩は与えられない。


この10分間の休憩で選手に許されている行為:
●トイレに行くこと
●シャワーを浴びること
●ウェアを着替えること
●飲食
●医療用ストラップの調整やテーピングの巻き直し


この10分間の休憩で選手に禁じられている行為:
●大会審判員またはスーパーバイザーの承認がないのに医療診断を受けたり、医療上のタイムアウトを取ったり、治療を受けること
●コーチと話すことやコーチングを受けること
●電子機器の使用
●トイレや着替えのためにさらに休憩を取り、10分間の休憩時間を延長すること


試合再開の1分前と30秒前を主審が知らせ、時間までに選手がコートに戻らなければタイムバイオレーションの対象となる。


「プレーの変更」が発動された舞台裏では90分以内に医療関係者などを含む内部の諮問グループが招集され、エクストリーム・ウェザー・ポリシーとしてのもう一つの選択肢である「プレーの停止」を適用するか否かが検討される。プレーを中断するかどうかを判断するには、前後2日間の天候や医療関係者による懸念事項が考慮され、WBGTの指標が32.2度に達した時点で再度検討することがガイドラインとして設けられているが、ルールではない。


「プレーの停止」が発動された場合、屋外コートで進行中の試合は現在のセットで偶数のゲーム数が終わった時点で、またタイブレークに入っている場合は、タイブレークが終了した時点で試合が中断となる。スライド式開閉屋根が採用されているセンターコートでは、屋外コートと同じタイミングで中断され、屋根を閉めた後で試合が再開される。


複数の海外テニスメディアは、気温が30度、湿度が70度を超える東京での試合を終えた選手たちから続出する不満を報じている。「全仏オープン」で準優勝した第13シードアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)はメディカルタイムアウトを取った際に冷風を送るチューブの取り扱いに苦戦し、熱中症対策のためコート脇に用意されている氷の量が少なかったと苛立ちを露わにした。「暑いことが予想されていたのに100%の準備がされていなかった」とコメント。大会初日の第1試合でプレーしたモナ・バートル(ドイツ)はダブルフォルトを連発したが、それは眩しさのあまりサーブの時にボールを完全に見失ってしまったからだと漏らしている。


第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)や第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)は第1試合の開始時間を午前11時からではなく、ナイターの環境も活かして、少しでも暑さをしのげる夕方から開始するべきだと訴えた。これに対してITFは試合時間にばらつきがあることや、5つのテニス競技を9日間に収めるというタイトなスケジュールを理由に11時開催を維持し続けている。


一方でこの過酷な環境を歓迎している選手もいる。湿度は日本ほどではないが、同じように夏の暑さが厳しい母国ギリシャで鍛え上げてきたマリア・サカーリだ。「このような環境でプレーできて最高」と口にしており、その言葉通り順調に駒を進めている。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「東京オリンピック」でのジョコビッチ
(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)

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