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ランキングだけじゃない!「東京オリンピック」の複雑な出場条件

2016年リオ五輪での、左からフアン マルティン・デル ポトロ、アンディ・マレー、錦織圭

「全仏オープン」閉幕の翌日にあたる6月14日、「東京オリンピック」のテニス種目への参加条件となる世界ランキングが発表された。これでようやく、この夏に有明スタジアムでプレーする選手がわかるかと思いきや、実はそれほど簡単な仕組みではない。「東京オリンピック」のテニス種目に参加するための複雑な仕組みを、国際テニス連盟(ITF)が公式サイトで説明している。

出場条件は世界ランキングだけではなく、それ以外にもクリアしなければならない条件がいくつかある。さらに、これらを満たしているからと言って必ずしも東京に行けるとは限らないのである。


選手はまず、以下の3つの条件を満たしていることが大前提となる。ただし、満たしていない場合でもITFのオリンピック委員会に異議を申し立てることは可能だ。


・代表する国のテニス協会および国際テニス連盟に所属していること
・「デビスカップ」や「ビリー・ジーン・キング・カップ」(旧「フェドカップ」)に国の代表として十分な回数出場していること
・男子は14歳以上、女子は15歳以上であること


これを踏まえた上で、各国およびオリンピックのテニス種目に設けられた人数制限や選出枠の条件は以下の通りとなる。


■各国に与えられた選手枠の上限
男女6人ずつ


■各国が参加できる人数の上限
シングルス:男女4人ずつ
ダブルス*:2組(計4人)
(*男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスのすべてを含む)


<シングルスの条件>
シングルスには男女それぞれ64人の参加枠が設けられており、そのうちの56人がまず初めに6月14日付のATP(男子プロテニス協会)およびWTA(女子プロテニス協会)の世界ランキングによって決まる。つまり、男女それぞれのトップ56人が自動的に参加資格を得るということだ。ただし、ここで注意しなければならないのが、前述した各国と種目別の人数の上限。例えば、アメリカはトップ50に9人の女子選手が入っているが、この中からは最大で6人しか参加できない。トップ56に入っている選手が不参加となった場合、6月14日付のランキングをもとに、上から順に57位以下の選手に参加資格が与えられる。


次に、残りの8人は次の3つの方法によって決められる。なお、いずれの方法においても、該当選手が世界ランキング300位以内に入っていること、6月14日付のランキングによって参加資格を得ていないこと、そして前述した上限枠を超えていないことが条件となる。


1.コンチネンタル(大陸)競技大会の優勝者
4年に1度、それぞれの大陸で開催される総合競技大会であるパンアメリカン大会、アジア競技大会、アフリカ競技大会で金メダルを獲得した選手が選ばれる。パンアメリカン大会からは男女シングルス2名ずつ、アジアとアフリカの大会からは男女シングルス1名ずつが選ばれる。さらに、地理的な平等性を確保するために、ヨーロッパとオセアニアの国からはそれぞれ1名の選手が別途選ばれる。3つの大陸競技大会から選ばれた選手が不参加となった場合、メダルの順によって選手が繰り上げとなる。ヨーロッパとオセアニアの選手が不参加となった場合は、それぞれの大陸の最もランキングの高い選手が選出。いずれの場合も条件を満たす選手がいない場合は、これらの大会の成績や地理的な条件に関係なく、6月14日付のランキングに従って繰り上げとなる。


2.金メダリストまたはグランドスラム優勝者
過去にシングルスで金メダルまたはグランドスラムタイトルを獲得した選手のために、それぞれのドローで1人分の枠が確保されている。条件を満たす選手が2人以上いた場合は、金メダルを1つのタイトルとし、獲得タイトル数の多い方が選ばれる。また、彼らが同じタイトル数だった場合、6月14日付のランキングが高い方が選ばれる。条件に該当する選手がいない場合は6月14日付のランキング全体に従って繰り上げとなる。


3.開催国の選手
開催国の選手がシングルスのドローに参加していない場合は、開催国の最高ランキングの選手にこの枠が与えられる。6月14日付のランキングによって既に開催国の選手がシングルスおよびダブルスの参加資格を得ている場合、この枠はランキング全体に従って繰り上げとなる。


<ダブルスの条件>
男女ともにダブルスのドローには32組の枠が設けられ、ペアは同じ国の代表選手に限られる。シングルス同様、人数の上限を超えてはならない。32組のうち31組は6月14日付のダブルスのランキングによって決まる。まずは自国から推薦を受けているATPおよびWTAのトップ10の選手に資格が与えられ、この選手たちが同じ国でシングルスかダブルスのトップ300に入っている相手を見つけるという仕組みだ。残りの1組は開催国の選手に与えられる。すべてのペアは、2人のランキングを足した時に300を超えてはならない。


最後に、これらをすべて考慮した上で、最終的に各国の代表選手が決まるまでのプロセスとスケジュールを見てみよう。


6月16日
上述の条件をもとに、ITFは各国のオリンピック委員会(NOC)や国内協会(NA)に参加資格のある選手を通達。


6月22日
この日までに各国のNOCやNAは実際に参加する選手をITFに報告。また、男女ダブルスに参加する選手もこの日までに報告しなければならない。


7月5日
資格を有する選手が不参加となった場合、ITFは空いた枠への選手の割り振りをこの日までに再度行う。


以上のことから、今後数週間にわたって代表選手を決めるやり取りが頻繁に行われることは明らかだ。「東京オリンピック」の選手のエントリーは7月5日が期日となっているが、順調にいけば6月末には最終リストが発表されるものと思われる。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2016年リオ五輪での、左からフアン マルティン・デル ポトロアンディ・マレー錦織圭
(Photo by Ian MacNicol/Getty Images)

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