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IOCのバッハ会長が渦中の中国選手とテレビ電話「彼女は無事」

IOCのバッハ会長

元ダブルス世界ランキング1位のペン・シューアイ(中国)が、中国共産党の最高幹部の一人で元副首相の張高麗氏から性的暴行を受けたと告発した後に消息不明となったことは先日お伝えした通り。その後、IOC(国際オリンピック委員会)がペンとテレビ電話で話したと発表した。IOCの公式ウェブサイトや英BBCなど複数のメディアが報じている。

ペンは今月2日に中国版TwitterのWeibo(微博)で、政界を引退した張氏から3年ほど前に性的暴行を加えられたなどと告発。その投稿は直後に中国当局によって削除され、以来本人は消息不明に。告発から約2週間後、ペンによって書かれたとされるメールがWTA(女子テニス協会)スティーブ・サイモン会長宛てに送られ、告発が嘘であり、今は家で休んでいるといった内容が書かれていた。だが、サイモン会長はこれが本人によるものではないという見解を示しており、中国の対応によっては今後、同国で大会を行わないと主張。一方、アメリカではジョー・バイデン大統領が中国に圧力をかけるよう議員から促されるなど、政治問題へと発展している。関係者は一様にペンの安否確認と、告発に対する適切な調査を求めている。


そんな中、これまで中立的な立場を強調してきたIOCが声明を発表。トーマス・バッハ会長はIOC選手委員会のエマ・テルホ委員長、そして長年ペンを知っているという中国のIOC委員Li Lingwei氏とともに、テレビ電話を通じてペン本人と30分間話したとし、その様子を捉えた写真も公開した。対話の中でペンは北京の自宅で無事に過ごしているが、プライバシーを尊重してもらいたいため今は友人や家族とのみ過ごしていると説明したとのことだ。テルホ委員長は「ペン・シューアイの元気な姿を見ることができて安心しました。私たちはそれを一番心配していましたから。彼女はとてもリラックスしている様子でした」と述べている。


一方で中国国営メディアのジャーナリストが、北京で行われたジュニア大会に出席するペンの動画をアップし、現地21日の午前中に撮影したものだとしている。さらに、ペンが会場で子どもたちのサインに応じたりコーチらと会食している動画、自宅でくつろぐ写真を立て続けに投稿した。


こうしたIOCと中国側の新たな動きに対して、WTAのサイモン会長は以下のような声明を発表。「中国の国営メディアが公開した動画で、北京のレストランで会食するペン・シューアイの姿を見ることができたのは良かったですが、彼女が圧力や外部からの干渉を受けずに自分で判断して行動できる状態にあるかどうかはまだ不明です。この動画だけでは不十分です。初めから述べているように、私はペン・シューアイの健康と安全を心配しており、そして彼女の告発が検閲され、隠蔽されていることを懸念しています。このような動画が公開されたからといって、我々の姿勢に変わりはありません。彼女の訴えに対し、検閲のない状態で完全かつ公正で透明な調査が行われることを求めます。中国とWTAとの関係は岐路に立たされていると言っていいでしょう」


この波紋は世界各国へと広がっており、イギリスの外務省はペンのことを「非常に心配している」との声明を発表。中国に対して、彼女の安全と所在に関する検証可能な証拠を早急に提供するよう求めた。また、国連もペンの所在を示す証拠を求めると同時に、「完全な透明性」を持った調査の必要性を訴えている。


大坂なおみ(日本/日清食品)やセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)が声をあげたのに続き、テニス界から新たな動きがあった。先日「Nitto ATPファイナルズ」のダブルスで優勝したばかりの元世界王者ニコラ・マウ(フランス)が、WTAのサイモン会長の対応を褒め称え、問題が解決しなければ二度と中国でプレーしないと主張している。


「スティーブ・サイモンは素晴らしいリーダーシップを発揮している。彼の声明は称賛に値する。ATP(男子プロテニス協会)の対応も素早かった。このまま状況が変わらないようなら、ATPもWTAに足並みを揃えるだろう。事態に進展がなければ、僕は今後中国ではプレーしないつもりだ。今は団結することが大切だよ。ITF(国際テニス連盟)の会長は今のところ何も言っていないけど、近いうちにサイモンと同じような対応をしてくれると期待している」


ペンが安全であること、告発がきちんと調査されることを祈るばかりだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真はIOCのバッハ会長
(Photo by Toru Hanai//Getty Images)

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