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ラドゥカヌの全米優勝はテニス界にとって悪い兆候?元チャンピオンが語る

「全米オープン」でのラドゥカヌ(右)とフェルナンデス(左)

数々の偉業を成し遂げる形で「全米オープン」で優勝を飾った世界ランキング24位の18歳、エマ・ラドゥカヌ(イギリス)を多くの人が称賛する中、2022年度の殿堂入り候補者であるフラビア・ペンネッタ(イタリア)が苦言を呈した。伊ニュースサイト UBI Tennisなど複数のメディアが報じている。

2015年、「全米オープン」を制覇してキャリアハイとなる世界6位に到達したペンネッタが、ラドゥカヌの優勝は今の女子テニス選手の一貫性のなさを象徴していると述べた。


ラドゥカヌは今シーズンにWTAツアーでデビューしたばかり。ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場して4回戦進出を果たした「ウィンブルドン」に続いて、グランドスラム2回目となる「全米オープン」では予選から勝ち上がり、ベリンダ・ベンチッチ(スイス)やマリア・サカーリ(ギリシャ)という当時トップ20の選手たちも退け、同じく初めてグランドスラムの決勝に臨んだ19歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)を破ってツアー初タイトルを手にした。1セットも落とさずに予選を含めた10試合を戦い抜き、ランキングは150位から22位にまで急上昇。彗星のごとく現れた次世代のスーパースターはその後、一気にスポンサーやファンの数を増やした。最近ではフランスの老舗ファッションブランド、ディオールから新しいアンバサダーに任命され、ジュエリーブランドのティファニーとも契約している。


ペンネッタは先日、地元イタリアのメディアにこう話した。「今起きていること、つまりこの一貫性のなさは気に入らないわ。個人的にこれはテニス界にとって悪い兆候だと思うの。私の時代には、ニューヨークでのエマ・ラドゥカヌのように、若い女の子が予選から出場してグランドスラムを制するなんてことはあり得なかった。トップ選手の実力があまりにも高かったもの。だから何かが間違っている。今の女子テニス界にはカリスマ性が欠けているから、以前よりセールス力が下がっているわ」


ペンネッタの主張を裏づけるデータとして、最後にグランドスラムで連覇を達成したのは元世界女王のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が2016年の「ウィンブルドン」を優勝した時で、既に5年も前のことだ。それ以来、過去20回のグランドスラムで14人の異なる選手がタイトルを獲得。そのうち複数優勝を果たしたのは4人、4回の大坂なおみ(日本/日清食品)、そして2回ずつのシモナ・ハレプ(ルーマニア)、アンジェリック・ケルバー(ドイツ)、アシュリー・バーティ(オーストラリア)だ。


奇しくもペンネッタが2015年の「全米オープン」を優勝した際も、第26シードとして出場しながら、当時世界2位だったハレプや世界4位だったペトラ・クビトバ(チェコ)を下し、決勝では世界43位だったロベルタ・ビンチ(イタリア)にストレート勝利を収め、世間を驚かせた。だがラドゥカヌと大きく異なる点は、先述の発言にもある通り、ペンネッタが当時身を置いていた女子テニス界だ。ペンネッタの現役時代は、セレナをはじめ、「全仏オープン」3連覇などグランドスラムで7度優勝したジュスティーヌ・エナン(ベルギー)や、4度のグランドスラム制覇を含む合計41個のツアータイトルを獲得しているキム・クライシュテルス(ベルギー)などが活躍していた。また、ラドゥカヌがキャリアの初めに優勝を飾ったのに対して、ペンネッタは2015年のシーズン最終戦をもって現役を引退しており、「全米オープン」優勝はキャリアの最後にやっと手にしたメジャータイトルだったのだ。


セレナの調子が落ちてきたことがこの一貫性のなさを生んでいるのではないかと聞かれたペンネッタは、「ラドゥカヌやフェルナンデスといった若手は、まだそのレベルに達していないわ。それに、グランドスラムのチャンピオンが完全に姿を消すこともない。私はスーパースターの仲間入りをしたことはないけど、15年間、高いレベルを維持していたし、フランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)も同じよ」と答えている。


ペンネッタは、世界1位になるほどダブルスでも実績を残している。そんな功績が認められ、先日、2022年度の国際テニス殿堂入りの候補に選ばれた。厳しい審査や投票を経て殿堂入りを果たせば、元選手のニコラ・ピエトランジェリと「貢献者」部門で選ばれたジャーナリストのジャンニ・クレリッチに次いで、イタリア人としては史上3人目の快挙となる。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全米オープン」でのラドゥカヌ(右)とフェルナンデス(左)
(Photo by TPN/Getty Images)

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