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オフコート

ズベレフの元恋人に対するDV疑惑をATPが調査へ

2019年「レーバー・カップ」でのズベレフとシャリポワさん

元交際相手からDVを告発された世界ランキング4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に対して、ATP(男子プロテニス協会)が正式に調査を進めることを発表した。ATP公式ウェブサイトや英スポーツメディア Sky Sportsなど複数のメディアが報じている。

ズベレフと2018年の夏からおよそ1年にわたって交際していたオルガ・シャリポワさんは、テニスのジュニア大会に出場していたことがある。二人は10代の頃に一度付き合ったが、その後に関係は自然消滅。シャリポワさんは2018年8月に参加したITF(国際テニス連盟)の大会を最後にテニス選手としての活動は途絶えており、同時期からズベレフとの本格的な交際をスタートさせて彼が参加する大会に同行していた。


シャリポワさんがズベレフからDVを受けたと最初に告白したのは2020年の10月。そのインタビューを担当した記者のベン・ローゼンバーグはその後も彼女とのインタビューを重ねており、今年8月にも関連の記事を米情報メディアのSlateに寄稿している。その中でシャリポワさんは、本格的に交際を始めた直後の2018年末からズベレフの暴言によって精神的な苦痛を被り、2019年の「全米オープン」と「レーバー・カップ」、「ATP1000 上海」の開催期間中には、滞在先のホテルの部屋でズベレフに顔を殴られたり、息ができないくらい強く顔に枕を押し当てられるなどの暴行を受けたと語っている。生きていることに耐えられなくなったシャリポワさんは2度インシュリン注射をして自殺を試みたが、ズベレフや大会関係者に説得され、いずれも未遂に終わったという。


インタビューだけでなく、自身のSNSを通じて告発を続けてきたシャリポワさん。一連の出来事からおよそ1年経ったタイミングでの告発となったのは、やっと真実を話す勇気が持てたからであり、決してズベレフに何かを求めているわけではないと話す。ズベレフはこれらの告発をすべて「事実無根である」として全面的に否定しており、Slateの記事に記載された内容に対する法的措置を求めてドイツの裁判所に出廷したと報じられている。


これらの出来事が起きたのが大会の開催地であるにもかかわらず対応を怠ってきたATPは批判に晒され、元世界王者のアンディ・マレー(イギリス)などはテニス界におけるDVに関するポリシー策定の必要性を訴えていた。ここにきてようやく動き出したATPは、「ATP1000 上海」でのシャリポワさんの訴えについて調査を行うと、声明を通じて発表。ATPの最高経営責任者であるマッシモ・カルベリ氏は「アレクサンダー・ズベレフに対して提起された疑惑は深刻であり、我々にはそれに対処する責任がある。我々の調査により事実を立証し、適切な対応を決定できるよう期待している」と述べた。ズベレフは調査に協力的な姿勢を示しており、ATPはドイツの裁判所の経過にも注視していくとのことだ。


ATPはさらに、シーズン初めに依頼していた独立組織によるセーフガード(安全措置)レポートが完成し、組織として体制を整えたことも明かした。この報告書はロンドン警視庁の主任警部だったクリス・スマート氏率いる専門家チームがまとめたもので、ATP組織の活動のあらゆる側面において、保護を確実にするための広範な提言がまとめられている。その中には虐待の予防と報告、調査、懲戒処分、方針の表明、イベントの安全性、情報共有、他のテニス団体との連携、保護責任者の任命などに関する内容が含まれる。プロテニスに関わるすべての人が安全で守られていると感じられるよう、今後この報告書を活用していくとカルベリ氏は述べている。


ATPの調査に対してズベレフは正式なコメントをまだ発表していない。ツアーでの活動を続けることは許されており、「ATP1000 インディアンウェルズ」(アメリカ・インディアンウェルズ/10月7日~10月17日/ハードコート)には第3シードとして参加する予定だ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「レーバー・カップ」でのズベレフとシャリポワさん
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images for Laver Cup)

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