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オフコート

ヒューイット全米OP優勝20周年、911テロとのニアミスを振り返る

写真はデ杯、オーストラリアの監督であるヒューイット

テニス界のレジェンドであるレイトン・ヒューイット(オーストラリア)は、2001年の「全米オープン」制覇から20周年となるこの機会に、優勝からほんの数日後に起きた911米同時多発テロ事件とのニアミスの思い出を振り返った。豪ニュースサイト nine.com.auが報じている。

ヒューイットは2001年9月9日、20歳の時にニューヨークで自身初となるグランドスラム優勝を果たした。しかも、決勝では絶対王者ピート・サンプラス(アメリカ)をストレートで破るという印象的な優勝であった。決勝で地元アメリカの声援を受けたサンプラスと激突するまでの道のりでは、元世界1位のエフゲニー・カフェルニコフ(ロシア)や当時の新星アンディ・ロディック(アメリカ)らを倒していた。


この優勝はヒューイットの最も輝かしい時期の始まりを告げるものであり、ヒューイットはこの年、世界ランキング1位で1年を終えた。しかし、この優勝から20周年に当たる今、ヒューイットが無視できないのは、「全米オープン」優勝の数日後に起こった「非現実的な」危機一髪の体験だった。


ヒューイットは、世界を震撼させた大事件のほんの数時間前にニューヨークを離れた。その事件とは2001年9月11日に起きた、世界貿易センターのツインタワーへのテロ攻撃だ。


その週の後半にスウェーデンとの「デビスカップ」準決勝を控えていたヒューイットは、「全米オープン」優勝の翌日の朝にメディア対応を終え、夜にはニューヨークを飛び立った。彼が母国へ向かう飛行機に乗っている間に、ハイジャックされた2機の飛行機が世界貿易センタービルに突っ込んだのだ。


「信じられないなりゆきだったよ」とヒューイットは語る。「僕らはロサンゼルスからシドニーに向かう飛行機に乗っていた。その旅の途中で、数人のフライトアテンダントが調理室で泣いていたんだ。その時は何も思わなかったけど、着陸した時に機長が、僕らが飛行機に乗っている間に何が起こったのかを可能な範囲で説明しようとしてくれた。あれは非現実的な瞬間だったよ」


「僕らはさっきまでニューヨークにいた。でも飛行機に乗っている間に、地球の反対側のオーストラリアに着く頃には、その街全体が変わってしまっていた」


「飛行機を降りる前に、たくさんのオーストラリアの連邦警察に質問されて、何枚もの用紙に記入させられたよ。ただ僕らがニューヨークから来たという理由でね。空港で何か見たかとか、世界が目撃したあの事件が、どうやって起こり得たのかとか、そんなことをね」


「ただただ信じられなかったよ。2晩前には、キャリア最大のタイトルを獲得してこの上なく幸せな状態でパーッとやっていたのにね。それに、ニューヨークには僕を応援してくれた人たちもいた。その人たちが、マンハッタンで足止めを食らっているかもしれなかった。僕の思いは彼らに向けられていたよ」


ヒューイットは、事件を知るやニューヨークの知人たちのことが心配になったと振り返った。その中には、「全米オープン」決勝でヒューイットを見るためにオーストラリアから来ていた、オーストラリアのフットボールクラブ「ウェスタン・ブルドッグス」の選手たちもいた。


「ルーク・ダーシーにトニー・リベラトーレ、ネイサン・ブラウンや他の選手たち。彼らは“全米オープン”決勝の僕とピートの試合を見に来てくれたんだ。僕は知らなかったんだけど、試合の後に降りてきて、センターコートでフットボールを蹴った」


「試合に勝ったその夜は彼らも一緒に出掛けてお祝いをした。その頃アメリカにはオーストラリア人の知り合いはあまりいなかったからね。そして彼らはその後の数日間は観光する予定だと聞いていた。奇妙な状況だった。この上なく幸せだと思えた瞬間の後、世界中が変わってしまったと知るなんてね」


ヒューイットはシドニー到着後に「全米オープン」優勝の記者会見を開く予定であったが、当然ながら中止となった。そして瞬く間に、もっとずっと大きなニュースが報道を埋め尽くした。彼の優勝は911の計り知れない衝撃と悲劇によってすぐさま覆い隠されてしまったが、ヒューイットはこの時の「全米オープン」決勝は自分のキャリアの中でも特別な試合だったと語っている。


「僕にとっては特別だった。当時最も偉大な選手だったピートとプレーすることができた。彼は当時すでにグランドスラムで13回優勝していた。そして決勝の前には、僕にいったいどうやってサンプラスのサーブをブレークすることができるんだって言われてた。でも僕のサーブはそれほどのものじゃなかったけど、リターンは僕の強みだった。だから一球でも多く返球して、なるべく多く相手にプレーさせるのが僕の戦略だった」


「そして彼の最初のサービスゲームをブレークした。すぐにブレークバックされたけど、その第1セットで僕は戦えると自信を持ち、同時にサンプラスの自信が揺らいだんだ」


騒々しいアメリカの観客たちはサンプラスを応援したが、ヒューイットは自分のプレースタイルがアメリカの観客に愛されていると感じたと言う。


「ニューヨークの観客たちは、僕がいつも必死で戦ったことを認めてくれていたと思う。相手がアメリカ人選手じゃない時は、観客は僕を応援してくれていると感じてた。彼らは僕の絶対諦めない態度が好きだったんだ」


(テニスデイリー編集部)


※写真はデ杯、オーストラリアの監督であるヒューイット
(Photo by Mark Brake/Getty Images)

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