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イギリスメディアは敗者を称えすぎ?同国トップ選手が苦言

「ATP250 ドーハ」でのエバンズ

「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)に第22シードとして参戦する世界ランキング26位のダニエル・エバンズ(イギリス)が、負けた自国の選手を称えすぎているとして、イギリスメディアに苦言を呈した。英The Guardian紙やThe Sun紙など複数のメディアが報じている。

今回ワイルドカード(主催者推薦枠)を得てグランドスラム本戦デビューを飾った19歳のジャック・ドレイパー(イギリス)は、男子シングルス1回戦でセンターコートの開幕試合、しかも前回覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を相手に臨むことになった。最終的に6-4、1-6、2-6、2-6で敗れたものの、序盤ではジョコビッチを苦しめて第1セットを奪ったことで、メディアに高く評価された。


これに対してエバンズは、19歳のドレイパーを直接非難しているわけではないが、彼のような若者の多くは大敗してもメディアから良いプレーだけを称えられる傾向にあると指摘。特に「ウィンブルドン」では、試合に勝ったイギリス人選手が、大物相手に健闘しながらも敗れた選手の影に隠れがちだと述べ、ドレイパーが敗れたのと同じ日に世界143位のリアム・ブローディ(イギリス)が世界86位のマルコ・チェッキナート(イタリア)をストレートで下して初戦を突破したことはあまり報じられなかったことを挙げた。


「厳しい言い方だが、僕たちは果敢に戦うことを目指している。だから負けを喜ぶべきではないと思う。ジョコビッチとの試合はジャック・ドレイパーにとって素晴らしい経験になったはずだが、彼だって負けたかったわけではないだろう。何試合も勝つつもりで大会に臨んでいるんだ」とエバンズは述べている。


「メディアがイギリス人選手を十分に評価していないとは言わない。ただ、僕たちが負けても気にしていないように感じる。いい勝ち試合もあるのに、それが常に称賛されているとは思えない。勝利よりも敗北を称えることを好む、それが今のイギリスメディアのメンタリティのような気がするんだ」


The Guardian紙によれば、過去には「ウィンブルドン」でイギリス人選手が1勝を挙げることさえも珍しかった時代があり、勇敢な敗者を美談として取り上げる当時の傾向をメディアは今も引きずっているという。今年の「ウィンブルドン」の男女シングルスには合わせて14人のイギリス人選手が参戦したが、そのうち10人はワイルドカードでの出場だ。自国の有力選手が少ないこともあって、イギリスメディアはドラマチックな敗北をついつい拾っているのかもしれない。


なお、辛口コメントをした31歳のエバンズは、世界ランキングでイギリス男子トップだが、2017年には禁止薬物の使用により1年間の出場停止処分を科された。その後は順調にランキングを上げており、今年4月には「ATP1000 モンテカルロ」でジョコビッチをストレートで撃破。今大会前にキャリアハイの世界25位を記録した。グランドスラム本戦出場はこれが19回目だが、4回戦に進出したのは1度のみ(2017年「全豪オープン」)。「イギリス人として、僕らはもっと勝利を前向きに受け止めるべき」と話していたが、3回戦で20歳の世界50位セバスチャン・コルダ(アメリカ)に3-6、6-3、3-6、4-6で敗れ、2度目の4回戦進出とはならなかった。


コルダ戦後、「自分のテニスができなかった」と語ったエバンズが地元メディアから称えられることはなかったが、それは彼が望んだ通りかもしれない。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「ATP250 ドーハ」でのエバンズ
(Photo by Mohamed Farag/Getty Images)

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