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オフコート

12歳で契約、18歳で全仏3回戦進出。才能を見出したエージェントが語る

2019年9月のアルカラス

現在18歳にして世界ランキング97位のカルロス・アルカラス(スペイン)が、プロテニス選手への道を歩み始めたのは10年近く前のことだ。過去29年間に「全仏オープン」で3回戦に進出した最年少の選手となったアルカラスはメディアの注目の的だが、当時の彼はまだそんなものとは無縁だった。それは見込みのある若い選手のためにかつて行われていたナイキ・ジュニアツアーの大会でのことだった。この時アルカラスは、自身を輝かせるチームの枠組みを築き始めたのだ。ATP公式ウェブサイトが伝えた。

「私がカリート(アルカラスのニックネーム)に注目し始めたのは、彼が11歳の時です」アルカラスのエージェントであり、かつてはダビド ・フェレール(スペイン)やニコラス・アルマグロ(スペイン)の代理人も務めていたアルベルト・モリーナ氏は語る。「彼にはとてもいい印象を持ちました。当時の彼はやせていて、いろんなことが上手だった。私は彼をずいぶん追いかけて、私と組むように彼の両親を説得しようと努めました。彼らの息子の成長や進歩に必要なこと全てにおいて、私が彼らの助けになれるとわかっていました。彼に注目すること8ヶ月、彼が12歳の時に、彼の父がその考えを受け入れてくれました。その時点でもまだ、彼の父はこれほど若い時にエージェントをつけるのは時期尚早かもしれないと考えていましたが」


当時、モリーナ氏には課題が二つあった。アルカラスの両親を口説き落とす必要があっただけでなく、世界最大級のスポーツエージェンシーであるIMG社に対して、自身の決断を擁護しなければならなかったのだ。


「これほど若い選手を迎え入れるべく、IMGには本当に無理を言いました」とモリーナ氏は認める。「7年前は、11歳の少年と仕事を始めるのは普通のことではありませんでした。でも私は本当に彼を信じていましたし、我々が物事を正しく進めれば良い結果が得られると思ったんです。彼が我々をがっかりさせるようなことはこれまで一度もありませんでした。彼が18歳にして、世界ランキング80位に入ると思っていたと言ったら嘘になります(アルカラスは今年5月5日に18歳になったばかりで、6月14日付のランキングでは80位前後まで上昇することが見込まれている)。でも、彼は大きなことを成し遂げる巨大な可能性を持った選手だということはわかっていました。何よりも、彼が良い導きを得られればですが」


アルカラスが15歳の誕生日を迎え、ラケットのスポンサーであるバボラ社とスポーツウェアのロット社との契約締結を助けてから間もなく、モリーナ氏はアルカラスの未来にとって鍵となる行動を取った。長期のプロジェクトに乗り出して彼を可能な限りはばたかせる意思のある、経験豊富で一流のコーチを見つけたのだ。彼がコーチに招き入れたのは、元世界ランキング1位のフアン カルロス・フェレロ(スペイン)であった。


「カリートはムルシアでの下部大会に出場していて、私はフェレロに彼を見に来るように言いました。見ればすぐに、何かが違うとわかります。彼と同年代の選手たちがいて、彼らは2つのことしかやらないけど、それらをとてもうまくやって、本当に最大限生かしていました。彼の場合は反対でした。彼はすごく色々なことをやって、うまく系統立てられていないためにしょっちゅう失敗していました。あるポイントではネットに出たり、アングルショットやスライスを打ったり、ロブを上げたり…。そして、彼からは既に勝者の特質が見て取れました。勇敢さと大胆不敵さです」


フェレロとの合意に達し、現在まで続く冒険の旅が始まると、アルカラスは中級のトレーニングシステムに順応した。彼はスペインのビリェーナにあるフェレロのアカデミーに週2日通い、残りの日々は生家のあるムルシアで過ごした。このリズムは、アカデミーでコーチと過ごす時間を増やすという目標のもと、段階的に変化していった。


アルカラスは数週間前に18歳になったばかりだが、既にモリーナ氏やフェレロにとどまらない完璧に組織されたチームがついている。ビリェーナにはフィットネスコーチと理学療法士がおり、ムルシアにはまた別のフィットネスコーチと理学療法士、そして医師がいる。


「私がフアン カルロスを求めたのはこれが理由です。彼を説得してプロのチームを組織するため。一番難しいのはあの年齢で才能を見出すことですが、その次のステップは良い体制を築くことです。それが、選手の持つ可能性を最大限発揮させるためになすべきことです」


アルカラスにはまだまだ最大限発揮されていない可能性があることは明らかだが、彼のATPツアーでの成績からは、今後数年の間に多くの成功を成し遂げるであろうことがうかがわれる。


「例えば彼が成長途上にあった時、すごいスピードのフォアハンドを打つようになりました。こういうことは目に見えません。幸運なことに、私は過去25年間にわたって14歳の選手たちを見続けてきました。おかげで、カルロスを彼と同じ年齢であった頃の偉大な選手たちと比較することができました。私の25年の中で、彼は最もインパクトのある選手の一人でした。間違いなく、彼は特別な選手です」


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年9月のアルカラス
(Photo by Quality Sport Images/Getty Images)

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