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オフコート

元グランドスラム女王がテニスの先の人生を見据えてビジネスを学ぶ

写真は2020年「全豪オープン」で準優勝のトロフィーを掲げる準備するムグルッサ

グランドスラムで2度の優勝経験を誇るガルビネ・ムグルッサ(スペイン)は、ビジネスの世界をもっと知りたいと望んでいる。ムグルッサは最近ハーバード大学でビジネスの講座を受講し、Forbes誌による2020年の女性アスリート長者番付では6位に入っていた。そして2021年春には、ジャガーとニベアという2つの有名企業と新たなスポンサー契約を結んだ。現在27歳のムグルッサは、テニスの先の人生を見据えることができるくらいに自分は成熟したのだと語る。米経済誌Forbesが報じた。

自身のキャリアのビジネス的側面について、ムグルッサはこう語る。「年齢を重ねるにつれて、もっと知りたいことが出てくるし、もっと深く関与したくなる。初めは、何も知りたくなかったし、ただテニスがしたかった。それから、テニスはただのスポーツではないと気づき始めるの。たくさんの物事や企業スポンサーシップがあって、興味が湧いたわ。私にとっては、私のビジネスの一部であり、人生の一部よ」


ムグルッサはさらに最近になって、「スポーツから頭を離して、ビジネスの現実世界について考える」ための一つの手段として、学習機会を利用し始めた。


このほどニベアとジャガーがムグルッサのスポンサーに加わったが、彼女には既に多数のパートナー企業が存在する。このうちアディダスとの10年契約では、ムグルッサは同社が契約する女子スポーツ選手の中で最高の報酬を得ている。このほか、時計メーカーのロレックス、スペインの保険会社Serguros Caser、ラケットメーカーのバボラ、サングラス会社のMaui Jim、ヘッドホンメーカーのBeats by Dreなどとパートナーシップを結んでいる。


ベネズエラで生まれ、スペインに移ったムグルッサは、スペイン人としてプレーしているが、現在はスイスで暮らしている。こうした経験から、ムグルッサはテニスの特徴である国際的な趣を個人的にも好むようになった。ムグルッサは、多様な文化を尊重する自身の姿勢が、スポンサーシップの可能性を大きく広げることにつながったと語る。


だが新たな契約を締結するとなると、トレーニングや試合に集中しながらスポンサー契約に注げる時間やエネルギーには限りがあることをムグルッサは知っている。ロレックスのように個人的なつながりのあるパートナーを選ぶのは有効な策だ。ムグルッサは若い頃からロレックスが大好きで、17歳で初めてプロ大会で優勝した後にはロレックスの時計を購入した。それ以来、複数のロレックスの施設を訪れている。また、Beats by Dreは、契約を結ぶ前から彼女が使用していたヘッドホンのブランドだ。


「本当に思い入れがあるから、彼らとパートナーであることは難しくないわ。それがいい関係を生み出していると感じる」


誰と仕事をするかについては「すごくえり好みする」としながらも、つながりがあることと同じくらい重要なのは忠実であることだ。ムグルッサはスポンサーの多くと長くパートナーシップ関係にあり、アディダスとの契約においては、同社がテニスウェアの素材やサイズを選ぶことをムグルッサが手助けしている。現在はアパレルや靴の会社にフィードバックをしているムグルッサは、「何かをデザインすることは全ての女性の夢だと思う」と話し、テニスウェアという枠を超えたパートナーシップに結びつくこと、そしてテニス選手としてのキャリアの先につながることを期待している。


2016年の「全仏オープン」と2017年の「ウィンブルドン」を制したムグルッサは、最近になってハーバード大学での半期の講座を修了した。これは彼女の人生の新たな章を始めるのに役立つとムグルッサは言う。「私は選手としてのキャリアではかなり成熟している。次のステップはどうあるべきか、そしてそのために何をすべきかを少し考えてみるのにいい時期にきているわ」


将来への野心を持っていることも役に立つが、彼女がテニスから逃げている時にさえ学んだことがある。「踊っている時が一番楽しい。大好きなの。楽しいし、いいエネルギーをもらえるわ。私の心をリセットしてくれる。私は自分自身と過ごす一人の時間が好き。いつもあちこちへ移動して人に囲まれていて、人の声が聞こえる。踊るのは、自分自身の思いを聞く、自分の時間なの。テニスのことだけを考えている状態から気持ちを切り替えるのはすごく大事。逃げ場を持っておいて、テニス以外のことで楽しみに思えることを育んでいくの」


ハーバード大学の教材で学ぶのは素晴らしい経験となった。ムグルッサはそこで、どれほど多くのスポーツ選手が一つ一つの事業に深く関与しているか、そして彼らが各々のブランドや将来の事業にどれほど野心的であるのかを目にした。「選手たちが最高のレベルでプレーしながら、自由時間には人生の次の章を開拓することにそのエネルギーを注いでいるということを知れて、ただただ素晴らしかったわ。契約や株や取引のように、私の世界から遠く離れていない物事について知識が増えたのも最高だった。幸運にもそういった会話が身近にある立場にいるおかげで、全く知らないことではなかったの」


世界を転戦しながら、ムグルッサはブランドの最高経営責任者や国際的なファッションデザイナー、あるいはビジネスリーダーたちと会合を持つなど、常に学ぶことに熱心だ。3年前、彼女はファッションブランドのザラの本部で2日間を過ごし、会社とそのビジネスモデルについて学んだ。こうしたこと全てが、知識の基盤を広げることにつながり、現在の彼女の助けとなるとともに、テニス引退後の人生への備えにもなっている。


ムグルッサは活発で冒険好きな性格を活用している。コート上ではかなり「真剣で集中している」ように見えるかもしれないと本人も認めているが、本当に「笑顔でいるのが好き」で、少なくともコートの外ではエネルギーと喜びに満ちた人物であるムグルッサは、常に自身を試そうとしている。スペイン軍と共に訓練したり、「ただ自分がどんな反応をするのかを見たいがためのとても厳しい経験」として2019年にキリマンジャロに登頂したり、ハーバード大学の講座や自身のスポンサー契約に取り組んだりと、彼女は自身の性格を活かして未来の基盤を築こうとしている。「私はかなり活発な人間なの。それに、難しいことに挑むのがすごく好き」とは彼女の言葉だ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2020年「全豪オープン」でのムグルッサ
(Photo by Fred Lee/Getty Images)

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