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オフコート

元全米女王 全豪OP出場中に祖父母の葬儀にZoomで参列していた

2020年「全豪オープン」でのスティーブンス

新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、テニス選手たちも数々の苦難に直面してきた。自宅でのトレーニング、自身や家族の感染、大会の中止や延期。中でも「全豪オープン」でのバブルによる徹底した完全隔離は、心身への負担が大きかったものと思われる。

その一方で、私たちは選手の勝利や全力のプレー、何事もなかったかのような振る舞いを、当然のこととして期待してしまう時がある。だが彼らもまた、選手である以前に一人の人間であることを思い出させてくれた選手がいた。


アメリカの女子テニス選手、スローン・スティーブンスだ。


2017年の「全米オープン」で優勝し、2018年にはキャリアハイの世界ランキング3位になったこともあるスティーブンスだが、2020年末から今年にかけて多くの敗戦を喫し、そのほとんどが1回戦敗退で現在53位。その勢いが徐々に失速していることは誰の目にも明らかだった。だが、彼女が新型コロナによって愛する家族を立て続けに失っていたことを知る者は少ない。親しい叔母が亡くなり、さらにその数週後には彼女の最大のファンだった祖父母が続けてこの世を去った。


Tennis World USAがスティーブンスの言葉を伝えている。


「このパンデミックは人によって捉え方が違うわ。どうやって向き合うか、何を期待するかは人それぞれ。私にとってコロナは本当に過酷なもの。愛する家族を3人も奪われたわ。オーストラリアにいる時、祖父母のお葬式にZoomで参列したのよ。とてもじゃないけど、テニスができる状態じゃなかった」


「この世界では常にプレッシャーがあって、コートに出て平然とプレーすることが求められる。でも私の頭は他のことでいっぱいで、いいタイミングとは言えなかった。勝ち負けの問題ではなくて、どういう気持ちでコートに立つかが私にとっては大事だったの」


スティーブンス本人も以前コロナに感染しており、2021年に入ってからは精神的にかなり追い詰められていると見られていた。これに対して彼女は「テニスとは関係なくて、立て続けに辛いことがあったから」だと話している。


そんな中、嬉しいニュースも。スティーブンスは4月上旬の「WTA500 チャールストン」で準々決勝にまで進んだ。一歩一歩悲しみを乗り越え、今後の大会でもまた活躍する姿を見せてほしいものだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2020年「全豪オープン」でのスティーブンス
(Photo by Fred Lee/Getty Images)

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