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オフコート

テニスコート外で最大のインパクトを与えた選手:大坂なおみ

写真は「全米オープン」での大坂なおみ

グランドスラムで優勝することと、社会にポジティブはインパクトを与えることはどちらがより重要だろうか。2020年にその両方を果たしたとして、米テニスメディアBaselineが大坂なおみ(日本/日清食品)を讃えた。

テニスの2020年シーズンはこれまでのどの年とも違っていた。そんな中で大坂は、過去2度グランドスラムで優勝、元世界ランキング1位という肩書で2020年を迎え、人種差別に抗議の声を上げることで、伝説的なボクシング選手モハメド・アリやテニスレジェンドのアーサー・アッシュといったスポーツ界の偉大な先駆者たちと肩を並べた。


シーズン初めの大坂はあまり好調ではなかった。2019年に優勝した「全豪オープン」では3回戦敗退。「フェドカップ」でも勝利をあげることができず、そのままパンデミックによりシーズンは中断してしまった。


中断中に大坂は、アメリカから世界中に広がった人種差別に抗議するデモに参加。その後テニスのシーズンは再開され、大坂は新型コロナウイルス感染予防策としてシンシナティからニューヨークに場所を移して開催された「ウェスタン&サザン・オープン」に出場、快進撃を見せた。


だが大坂が準々決勝を勝ち抜いた頃、今度はウィスコンシン州で黒人青年が警官に撃たれるという事件が勃発。抗議の声はスポーツ界でも巻き起こり、アメリカのプロバスケットボールリーグNBAや、野球のメジャーリーグのいくつかのチームが試合のボイコットを決めた。


大坂もこれに賛同し、SNSに綴った。「明日の準決勝には出場しません。私はアスリートである前に、一人の黒人女性です。一人の黒人女性として、たった今、私のテニスの試合を見るよりもずっと重要なことがあると感じています」


そして大会側は大坂の意向を受けて、翌日の試合をすべて中止した。その次の日に大会は再開され、大坂は準決勝に出場して勝利したが、敗者となったエリース・メルテンス(ベルギー)は「彼女のしていることは素晴らしいと思う」と大坂に賛辞を惜しまなかった。


「ウェスタン&サザン・オープン」は準優勝で終わった大坂だったが、続く「全米オープン」でも人種差別への抗議行動を行った。1回戦のコートに現れた大坂が着けていたマスクには、ケンタッキー州で警官に殺された黒人女性ブリオナ・テイラーさんの名前が書かれていた。


その後も試合のたびに大坂は、別の人種差別による被害者の名前が書かれたマスクを着用。そのことが世界中で大きな反響を呼んだが、大坂はそれに集中をそがれることなく、最後まで勝ち進んで用意していた7人の名前が書かれた7枚のマスクをすべて着用し、自身3度目のグランドスラム優勝を遂げた。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全米オープン」での大坂なおみ
(Photo by Al Bello/Getty Images)

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