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オフコート

テニスの元世界王者が2セットのリードを2度無駄にした忘れたい一日

写真は1999年のサンプラス

1992年8月2日、テニスの世界ランキング3位だったピート・サンプラス(アメリカ)は、「バルセロナオリンピック」で自ら「タフな、忘れたい一日」と表現する一日を経験した。当時20歳のサンプラスは、この日に二度の敗北を喫したが、どちらの試合でも2セット先取して2-0とリードしたところから負けたのだ。これはそう頻繁に経験することではない。Tennis World USAが振り返っている。

その日、気温は摂氏30度を超えており、湿度は70%に達していた。球速の落ちるクレーコートでの過酷な試合にはとても厳しい条件であり、5セットマッチを一試合戦うにも困難な状況だった。サンプラスはこの環境下で二試合を戦わなければならず、コートで何時間も過ごした末に、収穫なくバルセロナを去ることとなった。メダル争いに残る絶好の機会があったにもかかわらずだ。


まずシングルスの3回戦で、サンプラスはアンドレイ・チェルカソフ(ロシア)と対戦し、3時間49分の激闘の末、7-6(7)、6-1、5-7、0-6、3-6で敗れた。なんと最後の17ゲームのうち14ゲームを相手に献上したのだ。


他のアメリカ選手はすでに全員敗退しており、サンプラスは拮抗した第1セットをものにすると第2セットを支配し、ペースを握って準々決勝進出まであと1セットに迫った。


第3セットでは1ブレークダウンから盛り返し、5-6で迎えた自身のサービスゲームでタイブレークに持ち込もうとしたが、2本のフォアハンドのエラーを犯し、セットを相手に渡してしまった。流れを掴んだチェルカソフが第4セットで4-0と突き放すと、サンプラスはこのセットを放棄して最終セットに体力を温存する戦略を取が、この戦略もうまくいかなかった。


崩壊したソ連の出身で統一チーム旗のもとで戦っていたチェルカソフは、第4セットを堂々とものにし、彼が大逆転を演じて最終セットで勝利を決めるとの予想が優勢となった。サンプラスは最終セットの第8ゲーム、ブレークポイントを握られた場面でダブルフォルトを犯し、チェルカソフが5-3でリード。その数分後にはチェルカソフがサービスゲームをキープしてベスト8進出を決め、サンプラスは敗者となった。


これでは不足であったと言わんばかりに、若いサンプラスはしばしの休憩の後にコートに戻り、ジム・クーリエ(アメリカ)と組んでダブルスの2回戦を戦った。クーリエはシングルスではマルク・ロセ(スイス)相手に7ゲームしか奪えていなかった。


2人の対戦相手はセルジオ・カサル(スペイン)とエミリオ・サンチェス(スペイン)の組。こちらの試合も壮大なものとなったが、アメリカのペアは圧倒的なリードを無駄にした。5-7、4-6、6-3、6-2、6-2でカサルとサンチェスのペアが勝利したのだ。彼らは第2セット以降に自分たちのプレーを取り戻し、残りの3セットではどんどん調子を上げ、準々決勝に進出。準々決勝ではボリス・ベッカー(ドイツ)とミハエル・シュティヒ(ドイツ)組にフルセットの末に敗れた。


「(シングルスの第4セットで)リードされ、3-0、4-0となって、このセットを捨てて最終セットに備えた方がいいと思った。難しいことだけど、わざと負けたのではなく、最終セットに向けて体力を温存したんだ。ヨーロッパに2ヶ月いてこの機会を楽しみにしていたけれど、個人的にはグランドスラムの方が楽しみだった」


「オリンピックは大規模な大会だが、グランドスラムの大会と同じカテゴリのものではない。ここのコートはスペインの選手により適しているけど、まあ、それはいいんだ。彼らのオリンピックなんだから、好きなようにすればいい。アトランタではもっと球足の速いコートでできるかもね」


「オリンピックは楽しみにしていたし、シングルスのメダルを持ってバルセロナを去りたかった。でも大会はとにかくとても厳しかった。5セットマッチのシングルスに、ダブルスまでもが5セットマッチ。それに、僕は今年たくさんの試合に出場してきたから、オリンピックはスケジュール上きつい時期にあった。ここでクレーコートの試合に出ているよりも“全米オープン”に向けて準備したい時期だよ。今回は残念だったけど、くよくよしてはいられないね」とサンプラスは語った。


(テニスデイリー編集部)


※写真は1999年のサンプラス
( Jeff Gross /Allsport)

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