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オフコート

右利きのナダルが左手でテニスをプレーする理由

写真は2020年「全豪オープン」でのナダル

ラファエル・ナダル(スペイン)は両利きだ。ナダルの左腕から生まれる圧倒的なプレーに魅了される多くのテニスファンは、彼が生来は右利きであると知ると、とても驚く。

生まれつきの利き手ではない方の腕でプレーしながら世界の頂点に立つということは、間違いなくナダルにしかできない偉業だろう。確かに、テニス界では左利きの選手は少数派だ。ナダルの利き手について、ウェブメディア Essentially Sportsが伝えている。


左手でテニスをプレーするという技術を身につけた選手は、確かに多くの成功を収めてきた。その中には、ロッド・レーバー(オーストラリア)、マルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)、ジョン・マッケンロー(アメリカ)、ジミー・コナーズ(アメリカ)、ゴラン・イバニセビッチ(クロアチア)らがいる。


対戦する上で、左利き選手が難敵となりやすいことには明確な理由がある。大多数の選手が右手でプレーするため、優れた左利き選手は、右利き選手の弱みであるバックハンド側に球を集める。さらに、コートのアドバンテージサイドから、よりワイドに逃げるサーブを打つことができる。ではそれが、ナダルが左手でプレーすることを選んだ理由なのだろうか。実は、答えはもっと複雑だ。


ナダルはなぜ左手でプレーするのか


過去には、ナダルの叔父で元コーチであるトニ・ナダルが、彼を左打ちに転向させたのだという噂があった。厳格なことで有名なこのコーチが、弟子のナダルに明白な利点を持つ異色の選手になるよう望んだのだと。しかし、二人はこの噂を否定。


「トニは、どちらの手でプレーすべきというようなことは一度も言わなかった。過去にそういう報道があったけど、それは事実とは違うよ」


トニがこの件を説明した。彼はナダルが子供の頃からどちらの手でもプレーできたことを明かしている。左手でのプレーの方が得意であるようにトニは感じたが、それでもナダルに左打ちに切り替えるよう強いたことはなかったそうだ。トニがナダルに与えた助言は、得意な方に集中するように、ということだけだった。これにはとても技術的な理由があった。


「私が助言したのは、両手でフォアハンドを打つのをやめなければいけないということだけだ。彼が10歳の時のことさ。両手でフォアハンドを打つトップ選手はいないし、私の甥が初めてのそういう選手になるとは想像できなかったからね。この件についてはそれで全てだよ。ラファが右手を使っていたら今ほど強かっただろうかって?そんなことは分からないし、永遠に答えが出ることはないさ」


ナダルの究極のジレンマ


ナダルはテニス以外の全ての生活面で右手を使う。しかしテニスをプレーするとなると、常に左の方が得意に感じた。現在でも、ナダルは右手でかなりいいサーブやフォアハンドを打つことができると言われている。


「自分が右利きなのか左利きなのか分からないんだ。本当さ。時々、本当に妙な感じがする。左手では大抵のことがうまくできない。右手ならできるんだけど」


「でもテニスに関しては、実は右手を本格的に試したことが無いんだ、できるとも思えない。まあここ何年かは左手でうまくいっているからね(笑)。この数年、あるいは僕のキャリアを通しての成績を、右手で同じように達成できたとは考えにくいな」


左打ちのナダルが、史上最も偉大な選手の1人として記憶されるだろう事実は変わらない。この功績に、彼の左手が大きく影響したのかどうかを判断するのは難しい。しかし、ナダルを突き動かしているのは彼の信じられないほどの情熱と決意であり、彼の左手が生み出す独特の角度ではないということについては、多くのファンが同意するところであろう。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2020年「全豪オープン」でのナダル
(Photo by Wayne Taylor/Getty Images)

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