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オフコート

モヤと二人三脚で作り上げたナダルの秘密兵器

写真は2019年「ATPファイナルズ」でのナダル(右)とモヤ(左)

カルロス・モヤ(スペイン)は、ラファエル・ナダル(スペイン)の復活に大きな役割を果たした。30歳を迎えたナダルは、次々と違うコートに対応することが難しくなった。また長年故障が多かった膝は、さらに怪我をしやすくなっていた。だが彼の新コーチとなったモヤは、ナダルのテニスをさらに強化し、身体への負担を軽くすることを考えた。ウェブメディアEssentially Sportsが伝えている。

2017年シーズン以降のナダルの最も大きな変化は、試合での攻撃性を取り戻したことと、サーブの威力が増したことだった。ほぼ15年間、同じフォームで戦ってきたナダルにとっても、モヤにとっても、すでに大きな成果を挙げてきたものを変えるのは賭けだったに違いない。しかし、そのリスクを取ったことは報われた。


ナダルのサーブは安定はしていたが、弱点でもあった。簡単にサービスポイントを決めることは少なかった。サーブでポイントを取れないために試合が長くなり、身体への負担も大きくなる。そして試合と試合の間のリカバリー時間も短くなってしまう。


ナダルがキャリアを長びかせるためには、サーブの打ち方を効率的なフォームに変えることが必要だった。そのため、モヤはナダルのサーブを2019年シーズンが始まる前に造り変えたのだ。


ナダルはサーブを3つのステップで変えた。まず、ボールから手を離すことを早めた。以前のフォームではもっと時間をかけていたため、足首に体重がかかる時間が長かった。だが、今は動作が小さく、身体の回転も少なくなっている。


次に、身体を垂直に保つようにし、ボールによりパワーを乗せられるように変更。最後に、サーブを打った後、右足でしっかりと着地し、次のボールに備えられるようにした。


この改良したサーブのフォームのおかげで、ナダルは今まで以上の攻撃力を得た。新しいサーブは以前よりも速く威力があり、ナダルは簡単なサービスポイントも得られるようになった。


2019年の記録を見ると、ナダルのサーブは、スピードが速くなっただけでなく以前よりもずっと破壊力を増したことが証明されている。サービスエースの数は、2018年は124本だったが、2019年は310本と倍以上になった。サービスエースの確率はキャリア平均4.2%に対して2019年は6.8%だった。またサービスゲーム獲得率はキャリア平均約85%だが、2019年は90.8%。90%以上を出したのは、ナダルのキャリアでは2010年以来のことだった。


最も改善を示したのは、セカンドサーブのデータだ。セカンドサーブで取ったポイントは約60%。また779回のサービスゲームで、ブレークポイントを握られたのは225回だけ。彼のサーブが以前よりも威力を増し、重要な武器となったことは明らかだ。


ナダルの前コーチのトニ・ナダルは、グランドスラム優勝の数でも最も優れたコーチであることに疑いの余地はない。だがカルロス・モヤが、ラファエル・ナダル・バージョン2をつくり上げた功績はとても大きく、称賛に値するものだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「ATPファイナルズ」でのナダル(右)とモヤ(左)
(Photo by Alex Pantling/Getty Images)

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