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ウィンブルドン

引退寸前だった27歳選手、マレーのアドバイスで開花

写真は2020年「全豪オープン」でのブローディ

今年の「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したリアム・ブローディ(イギリス)は、過去に引退を考えていたことがあると明かした。彼を思いとどまらせたのは他でもない同じイギリス出身のグランドスラムチャンピオン、元世界王者のアンディ・マレー(イギリス)だった。伊テニスメディアUBI Tennisが伝えている。

ブローディはジュニアのスター選手だった。ジュニア時代のランキングは最高2位、グランドスラムのジュニア部門2大会で準優勝し、期待の若手として注目されていた。しかし、2018年の末頃は引退を考えていたという。2018年のブローディは、出場した29大会のうち25大会で2回以上勝つことができず、世界ランキングも300位以下に落ちてしまった。


苦境に立たされながらも、ブローディは諦めずプレーし続けることを選んだ。今週行われた「ウィンブルドン」の1回戦で世界86位のマルコ・チェッキナート(イタリア)に6-3、6-4、6-0で勝利したブローディは、ようやく勝ち組に復帰することができた。ブローディにとって2015年以来2回目の「ウィンブルドン」本戦での勝利だった。1回戦を突破したブローディは世界ランキング140位内に到達することになり、自身最高位の137位も目前となる。


この勝利を長い間待ちわびていたかと記者に問われたブローディは、「なんていうか、正直に言うと、僕自身が一番そう感じていたよ」と答えた。「今振り返ってみると、僕が考えていたよりずっと時間がかかったな。もちろん、同年代の選手と比べると、ずっと遠回りをしちゃったのかもしれない」


「でも、もし遠回りをしなかったら、今の僕が理解していることを理解できていたかな?今と同じ立ち位置にいるだろうか?誰もわからない。ひとつありがたく思っているのは、ここに戻ってこられたということ。テニスをやめる寸前だったからね。最終的には、自分に手が届くものを掴みに行くよ。ここ数年は、あまりいいテニスができていなかった。たしか2018年の終わり頃、僕はラケットを置こうと考えていたんだ」


現在27歳のブローディは、自身のキャリアを好転させることができた要因の1つはマレーとの会話だったと語った。2人は昨年の7月に行われたエキシビションマッチ「バトル・オブ・ブリッツ」で言葉を交わす機会があり、ブローディはマレーに貴重なアドバイスをもらったそうだ。


「試合の後、素晴らしい会話ができたんだ。二人だけでカフェでディナーを食べながらね」とブローディは明かした。「その後、試合や僕のプレーについていくつかメッセージをもらった。それがある意味転機になった」


マレーとの会話の後、ブローディはチャレンジャー大会で着実に成績を残している。2021年は、南アフリカとイタリアで行われた大会で準優勝し、他の2大会でも準決勝まで勝ち進み、約7ヶ月でランキングを60ほど上げた。


一方マレーは、ブローディのコメントに対して謙虚な姿勢を見せている。「ウィンブルドン」1回戦でニコラス・バシラシビリ(ジョージア)に勝利した後の記者会見で、マレーはブローディのことを“ちょっと寛大になっている”と語った。


「そうだね、試合後に話はしたよ。彼は試合とかいろいろと苦しんでいるようだった。彼はかなり落ち込んでいた。だから、ポジティブなアイディアやポジティブな考え方を伝えたんだ。彼は厳しいトレーニングもやるし、テニスを愛している。僕は、彼があの試合から12ヶ月以内に自己最高位まで到達できると思っている、と伝えたのさ。彼は当時、自分の試合が全く駄目だと感じていた。だから彼のランキングはきっと上がるってメッセージした。僕自身、完全に信じていたか分からないけど…。僕は彼がすごく好きなんだ。いいヤツだよ。彼には活躍してほしいし、活躍してくれれば嬉しいよ」


「彼は、うまくいっている時はとてもにぎやかな人なんだ。もしイギリスのテニス選手のグループチャットがあれば、今晩彼から山程メッセージが届くだろうね!」


ブローディは2回戦で第9シードディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に残念ながら敗退してしまったが、今後の彼の活躍に期待しよう。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2020年「全豪オープン」でのブローディ
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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現地在住ライター、テニスライター内田暁がレポート!

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