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ウィンブルドン

今年のウィンブルドンで期待できることは?

写真は2019年「ウィンブルドン」男子決勝戦の様子

青々とした芝のコートでテニスのトップ選手たちが躍動する「ウィンブルドン」(イギリス・ロンドン/6月28日~7月11日/グラスコート)の開催が迫っている。新型コロナウイルス感染防止対策が必須となる今年の大会は、2019年に行われた前回大会とどのように異なるのだろうか。英BBCが伝えている。

観客数はどのくらい?
「ウィンブルドン」は英政府の方針により会場全体の最大収容人数の50%の観客を受け入れられることになっている。決勝が行われる週末には、センターコートの最大収容人数である1万5千人が入場を許可される。また訪れる観客は、ワクチン接種証明書、陰性証明書、または過去6ヶ月以内にウイルスに感染し抗体を獲得したことを示す証明書のいずれかを提示する必要がある。


ヘンマン・ヒル(またはマレー・マウント)と呼ばれるコート・ワンの外のパブリックビューイングができる場所については、どのような対応がされるのかはまだ不明だ。例年であれば、太陽の光の注ぐ中移動もままならないほど混雑する場所である。現時点でわかっているのは、ヘンマン・ヒルは利用可能であるということだけ。マスクの着用やソーシャル・ディスタンスを保つためのシートが必要となるのか、一方通行や観客数の制限などの措置が取られるのか、今後の発表が待たれる。


1日のスケジュールも例年とやや異なる。会場は通常より30分早い午前10時(日本時間午後6時)に開場となり、野外のコートの試合は午前11時(日本時間午後7時)から、コート・ワンは午後1時(日本時間午後9時)、センターコートの試合は午後1時半(日本時間午後9時半)から行われる。


選手はバブル内に
バス停や地下鉄の駅から歩いて会場に向かうと、美しい家々を見ることができる。例年ならこれらの家は大会中の2週間、出場する選手らが借りて滞在場所としている。ファンは、セレナ・ウィリアムズ(アメリカ)やロジャー・フェデラー(スイス)がドアを開けて出てくるのではと期待しながらこれらの家々を眺めて会場に向かうのだが、残念ながら今年はそれができない。すべての選手は、大会が用意したロンドン中心部のホテルに泊まることになっている。会場近くに住むアンディ・マレー(イギリス)でさえこのホテルに泊まり、厳しい“バブル”のルールに従わなければならない。選手はホテルと会場以外を訪れることは許されず、移動に公共交通機関を使うこともできない。


バブルの状況に不満を持つ選手や、制限が多い生活に精神的苦痛を覚える選手もいる。決勝が行われる週末、センターコートは満員になり、観客はマスクをしたり、ソーシャル・ディスタンスを取ったりといった対策を取らなくてもいいとされている。それに比べると選手はずっと厳しい制限の中、2週間を過ごさなくてはならない。


アンディ・マレーが戻ってくる
マレーは男子シングルスで2013年と2016年に優勝している。元世界ランキング1位のマレーが「ウィンブルドン」に出場するのは2017年以来だ。現在34歳のマレーは、2018年の大会を欠場し、2019年は臀部の手術から復帰したばかりで、セレナと組んで混合ダブルスに出場した。昨年の大会は新型コロナウイルスの影響で中止された。「ATP500 ロンドン」で、シングルスでは3年ぶりにグラスコートに戻ってきたマレーは、初戦の勝利インタビューで涙を見せた。「ウィンブルドン」も彼にとって様々な思いがこみ上げてくる大会となるはずだ。


ラファエル・ナダル(スペイン)や大坂なおみ(日本/日清食品)は今年の「ウィンブルドン」に出場しないことを発表したが、男子シングルス最多優勝記録(8回)の更新を狙うフェデラーと、フェデラーとナダルの持つグランドスラム20勝の最多記録に並びたいノバク・ジョコビッチ(セルビア)は参戦する。


線審は採用、賞金は減額、プラスチックは使わない
「ウィンブルドン」は、今年からショットクロックと呼ばれるタイマーを導入する。すでに他のグランドスラム大会では採用されているが、選手が25秒以内にサーブを始めるよう促す装置だ。


線審を置かず、機械による自動判定を取り入れている大会もあるが、「ウィンブルドン」はこれまで通り人の線審を置き、ホークアイによるチャレンジシステムを採用する。「全豪オープン」は今年から線審を排除し、「全米オープン」もこの流れに乗る予定だ。


また、「ウィンブルドン」の賞金は約5%減額される事となった。


さらに、主催者は使い捨てのプラスチックの使用をやめ、冷たい飲み物には返却可能なカップを、名物のストロベリー&クリームもリサイクルできる容器を使用すると発表した。


名物の当日券待ちの列は?
「ウィンブルドン」で有名な当日券待ちの列。テントで徹夜しながら待つ人々が長蛇の列を作るのだが、今年はコロナウイルス感染対策によりこの列はなくなる。今までは、列の前後に並ぶ世界中から訪れたファンと交流し、お互いのお気に入りの選手について語り合うこともできた。


今年は、海外からの訪問客への隔離措置、チケットの一般抽選の中止、そしてスマートフォンでのチケット提示が重なり、これまでとは異なる層の観客が来場すると考えられ、新しいファン層の獲得が期待される。


サッカーとテニス
「ウィンブルドン」はサッカーのEURO 2020(欧州選手権)の真最中に開催され、男子シングルスの決勝はサッカーの決勝と同じ日に行われる。ただし、「ウィンブルドン」の決勝はイギリス時間午後2時(日本時間午後10時)から、サッカーの決勝は夜8時(日本時間午前4時)から行われるため、両試合が重なる可能性は低い。だが、他の日はサッカーとテニスの試合時間が重なることも多く、サッカー好きのテニスファンはチャンネルを頻繁に変えながら試合観戦なんてことになるかもしれない。


ワールドカップでイングランドが準決勝に進出した2018年の「ウィンブルドン」では、センターコートに集まった観客の中に携帯でサッカー中継をチェックしながら決勝を観戦していた人もいた。今年も似たような状況になることだろう。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「ウィンブルドン」男子決勝戦の様子
(Photo by Simon Bruty/Anychance/Getty Images)

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