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全米オープン

フェルナンデス、ラドゥカヌ、アルカラス...全米OPで躍進した10代たち

「全米オープン」でのラドゥカヌ

10代選手が躍進した。2021年の「全米オープン」でこれほど若手が活躍するとは、誰も想像しなかっただろう。今年は、大会前にロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)など実力あるベテラン選手が怪我を理由に立て続けに出場を見送ると発表。

そんな中で脚光を浴びたのは、昨年覇者の大坂なおみ(日本/日清食品)を破ったレイラ・フェルナンデス(カナダ)、世界ランキング3位のステファノス・チチパス(ギリシャ)を倒したカルロス・アルカラス(スペイン)、そして「ウィンブルドン」での活躍も記憶に新しかったエマ・ラドゥカヌ(イギリス)も、次々と強豪を倒し勝ち上がった。「全米オープン」で旋風を巻き起こした10代の3人について、米People誌が伝えた。


エマ・ラドゥカヌ(イギリス)


18歳のラドゥカヌは、ルーマニア人の父と中国人の母との間にカナダで生まれ、2歳の時にロンドンに移住した。5歳でテニスを始めたラドゥカヌは、イギリス人女子選手として42年ぶりに「ウィンブルドン」初参戦で4回戦まで進出。しかし、アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)との対戦中に呼吸に困難を生じ、棄権を余儀なくされた。


「全米オープン」では予選を勝ち抜いて、本戦でも格上のシュテファニー・フェーゲレ(スイス)、ジャン・シューアイ(中国)、サラ・ソリベス トルモ(スペイン)、そしてシェルビー・ロジャーズ(アメリカ)を次々と下し、世界を驚かせた。


「私も、ここまで来られたことにビックリしてるわ」とラドゥカヌは試合後のインタビューで語っている。「予想してなかった。たくさん練習しているから、いずれ実を結ぶだろうと思っていたけど、それがいつかは分からないものね。今、この瞬間をとてもありがたいと思っているわ」


「自信っていうのは、内なる信念から来ると思う。私の母は中国系だけれど、彼らは自分を強く信じている。他の人に自分のことをひけらかすということではなくて、自分の中で自分を信じることなの。母方の文化のそういうところをとても尊敬しているわ」


「私はとても恥ずかしがり屋で、全然話さない子供だった。でもスポーツを通じて、コートでは大胆に、恐れずに戦う必要があったから、内面の強さを持つことができるようになった。その強さがあれば、望めば何でも達成できるようになる」


ラドゥカヌはさらに準々決勝で「東京オリンピック」の金メダリスト、ベリンダ・ベンチッチ(スイス)に、準決勝では「全仏オープン」ベスト4のマリア・サカーリ(ギリシャ)に勝利し、「全米オープン」初出場で決勝に進出。同じ2002年生まれのフェルナンデスをストレートで破って、イギリス人女子選手として44年ぶりとなるグランドスラムの栄冠を勝ち取ったのだ。


レイラ・フェルナンデス(カナダ)


4回戦を戦った翌日の9月6日に19歳になったフェルナンデスは、フィリピン系カナダ人の母とエクアドル人の父との間にカナダのモントリオールで生まれた。父は元サッカー選手で、現在は娘のフェルナンデスのコーチを務めている。


「全米オープン」ではアナ・コニュ(クロアチア)、カイア・カネピ(エストニア)に続いて3回戦で大坂を、4回戦で2016年大会覇者のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を退けた。


「現実なのか信じられなくてちょっと自分をつねったわ。でも、私のテニスが高いレベルに来ていることは分かっていた。タイミングとチャンスの問題だったの。こんなチャンスを得られたこと、私にできることを皆に見せられたことを嬉しく思うわ」


「もし負けたとしても、自分のプレーと戦い方を誇らしく思ったと思う。今日勝てて、この経験を得られてラッキーだった。私の初めてのグランドスラムの準々決勝よ。100%楽しむだけ。明日はまた新しい日よ」


その後、フェルナンデスは準々決勝で世界5位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を下した。


準々決勝に勝利したあと、フェルナンデスは次のように話した。「父は多くのことを教えてくれた。でも今日は、楽しんで、とにかくボールを追いかけなさい、全てのポイントを取ろうと頑張りなさいって言ってくれたの。今日は初めての準々決勝だ、最後の準々決勝にしないように。夢を叶えるために頑張れって」


そしてフェルナンデスは準決勝で第2シードアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)とのフルセット激闘を制して決勝に進出。決勝では惜しくもラドゥカヌに敗れたが、その闘志にあふれた戦いぶりに勝者に劣らぬ喝采を送られた。


カルロス・アルカラス(スペイン)


18歳のアルカラスは、1回戦で第26シードのキャメロン・ノリー(イギリス)、2回戦でアルトゥール・リンデルネック(フランス)、3回戦でチチパス、4回戦でペーター・ゴヨブチック(ドイツ)に勝利したが、第12シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)との試合途中で怪我のために棄権し、準々決勝で敗退となった。


今大会で、アルカラスは「全米オープン」でトップ3の選手を破った最年少選手となった。それだけでなく、オープン化以降に準々決勝に進出した選手の最年少記録も更新した。


「初めてグランドスラムの2週目に勝ち残ることができてとても嬉しいよ。僕にとってはすごいことだ」と試合後の記者会見でアルカラスは語った。「夢が叶ったよ。5セットまでプレーするのは本当に大変なんだ。もっと2週目もプレーできるようになりたい。グランドスラムの準々決勝を今後もたくさん戦いたいな。ここで準々決勝に進めるなんて思ってなかった。これまでの試合でいいパフォーマンスができたってことだと思う」


大会開始時に世界55位だったアルカラスは、5月の「ATP1000 マドリード」で憧れのナダルと対戦した日に18歳の誕生日を迎えた。アルカラスのコーチを務めるのは元世界王者のフアン カルロス・フェレロ(スペイン)だ。


フェレロは次のように話した。「カルロスはとても積極的なプレーが好きなんだ。まだ14、15歳だった彼に会った時から、彼の可能性、彼の才能が見て取れた。でもあそこまで積極的になるには、自分を制御し、自分の持つ様々なショットを操る必要がある。簡単なことじゃない」


さらに、フェレロは続けた。「彼は、コートでそういう部分をコントロールできるようになってきた。コートの外ではまだ18歳で、感情を制御したり、100%の力を出すのか、80%を出すのか、スピンを多めにかけるのか、フラットで打ち込むのか、そういうコントロールができるようになるには、もっと大人になる必要があるけどね。まだ色々と取り掛かっているところだけれど、良い方向に進んでいると思うよ」


ナダルもアルカラスのことを高く評価し、5月に記者にこう語っていた。「彼はすごく才能がある。既に高いレベルのテニスをプレーできているけれど、近い将来素晴らしい選手になると確信しているよ。あの年で今彼のやっていることができるってことは、特別な何かを持っているということだ。同時に、彼は努力を続ける謙虚さも持っている。テニスに情熱を燃やしている。彼は隙のない選手だと思う。勇敢で、積極的にネット際に出ることができる。フォアハンドバックハンドも文句なしだ。サーブはもう少し練習が必要だけど、まだ18歳だからね、まだまだ時間がある。例えると、サラダを作る時、いろんな材料をサラダに入れるよね。彼は素晴らしい選手になる材料を沢山持っているんだ」


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全米オープン」でのラドゥカヌ
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

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