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全米オープン

33年連続参加のベテランも!グランドスラムで唯一有給の全米OPボールパーソン

「全米オープン」で雨により濡れたコートを乾かしているボールパーソンたち

現在開催中の「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/8月30日~9月12日/ハードコート)では、全コートで自動判定システムが導入されたことから、線審が不在。それもあって、選手とともにコートに立つボールパーソンの存在感が増している。そんなボールパーソンの年齢制限や給料について、米ニュースメディア FOX Sportsが報じた。

プロの大会では何十年も前から10代の若者やテニス選手を志す人たちがボールパーソンとして活躍してきた。そんな中、グランドスラムにおいては「全豪オープン」だとボールパーソンの年齢が12歳から15歳までと決まっており、「全仏オープン」と「ウィンブルドン」も似たような年齢制限を設けている。グランドスラムの中では「全米オープン」だけが年齢に上限がなく、今大会に参加している195名のうち、約3分の2がベテランと言われている。例えば、ハリー・ビジャレアルさんは1989年に14歳でデビューして以来、「全米オープン」のボールパーソンを務めるのは今年で33年連続となる。


米ニュースメディア Curbedによれば、「全米オープン」におけるボールパーソンの選出で重視されるのはスピード、敏捷性、集中力、カモフラージュ能力であり、年齢は必ずしも重要な要素ではないとのことだ。


また、2018年以降の「全米オープン」ではボールパーソンの間でボールのやり取りをする際には、投げるのではなく転がすようにとアドバイスされている。その背景として、投げるという特定の運動能力を選考条件から外すことで、毎年約500名いる応募者の中からより総合的に優れた人材を選ぶことができると関係者は話す。より必要とされる素質としては、能動的に動くことや気遣いができることなどが挙げられる。


前述のビジャレアルさんによれば、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)やロジャー・フェデラー(スイス)へのタオルの渡し方は無限にあるとし、折り畳んだままがいい選手もいれば広げた状態で渡してもらうのを好む選手もいるという。その年のタオルの特徴によっては好みの面まで分かれるというから大変だ。別のボールパーソンは、「主審が(スコアを)コールし終わるよりも先に僕たちは動かなきゃいけないから、自分でスコアを判断しないといけない」と現場の大変さを語った。


多くの経験を積んだベテランはより重要な試合を任され、ラファエル・ナダル(スペイン)のようなスター選手の独特な動きにも慣れることができるようになる。ナダルはサーブの度にボールパーソンからボールを2つ受け取り、その前からボールをもう1つ持っていた場合は余ったボールを別のボールパーソンに打ち返し、もともと1つも持っていなければもう1つボールを求めるという。また、アンディ・マレー(イギリス)のように妙な独り言を言う癖のある選手に当たった際には、笑いを堪える忍耐力も必要になるようだ。とある試合で、スピンをかけられずにフラットな球ばかり打っていたマレーは、ポイントの度に「お前はホットケーキのようにフラット(ぺちゃんこ)だ!」と繰り返していたそうだ。


年齢制限を設けていないだけでなく、「全米オープン」はグランドスラムの中で唯一、ボールパーソンに報酬を支払っている大会でもある。大会の公式サイトには「ボールパーソンは大会に欠かせない存在です。スムーズで中断のない試合進行と、試合中の選手のニーズに対応するため、彼らはコート上で重要な役割を果たしています」と記載されている。


選手のプレーはもちろん、ボールパーソンの仕事ぶりにも注目してみたい。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全米オープン」で雨により濡れたコートを乾かしているボールパーソンたち
(Photo by Al Bello/Getty Images)

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