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全仏オープン

チチパス、父の不在でその有難みを痛感

写真は2019年「ATP250エストリル」優勝したチチパスと家族

テニスの世界ランキング6位、22歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)は、第3シードで出場した「ATP1000 ローマ」の初戦で敗退してしまった。だがその原因は、身体的なものではなかったようだ。伊ニュースサイトUBI Tennisが報じている。

チチパスは同大会のシングルスとダブルスの両方で初戦敗退。それは今シーズンそれまでなかったことだった。コートサイドではいつもの彼の“チーム”が見守っていたが、一人大事な人がいなかった。チチパスの子供の頃からのコーチである父親のアポストロス氏だ。


アポストロス氏がローマに同行しなかった理由は明らかにされなかったが、その前にチチパスが出場した「全米オープン」で親子は少し揉めていた。3回戦のボルナ・チョリッチ(クロアチア)との試合中に、アポストロス氏が何か言ったのに対し、チチパスが無観客の会場に響き渡る大声で「わかってない」と怒鳴ったのだ。


チチパスはこの試合で第1セットと第3セットを取りながら、フルセット激闘の末チョリッチに敗れて3回戦敗退となった。


そんな出来事はあったが、ローマ大会の翌週に開催された「ATP500 ハンブルク」ではいつものようにアポストロス氏は息子の傍におり、チチパスは決勝に進出した。チチパスが十代の頃から、試合の時に父が傍にいなかったのはそのローマの大会が初めてのことだった。


それについてチチパスはこう言った。「ローマで、父がおらずに戦うのは難しかった。そこに父がいない、ということが。12歳か13歳の頃、あちこちを回って試合をするようになってから、父がいなかったのは初めてだったと思う」


アポストロス氏が最初に選んだスポーツはサッカーで、ギリシャ代表チームにいたこともある。その後はバスケットボールをプレーした。大学に入ってスポーツ科学を学ぶようになってから、アポストロス氏はテニスを始めた。本人曰く、「その理由はわからない」そうだ。


チチパスは父の不在について語った。「大事なものが欠けている感じだった。選手にとって、いるべき人々が傍にいて、安心していられることはとても重要だと思う。それで父が傍にいてくれることを前よりも感謝して、大切に思うようになったよ


「父はいわば僕の右腕で、何をするにも助けてくれて、コート上でもそれ以外でも自分は大事な人間なんだと感じさせてくれる」


チチパスが父と揉めたのは「全米オープン」が初めてではない。今年1月の「ATPカップ」で、苛立ったチチパスはラケットを地面にたたきつけ、意図的ではなかったが父に当たってしまったことがあった。チチパスは後に父に謝った。


「父は万能ナイフのような人なんだ。僕のためにいろんなことをしてくれる。父は誰より僕のことを良く知っているし、僕らはとても仲良しだ。コート上で父に怒りをぶつけてしまうこともあるけど、直そうと思ってる。僕がしたいくつかのことは許されないことだと言われているし、その通りだと思うよ。父が僕のやることを尊重してくれるように、僕も父のすることを尊重しなきゃいけない。僕らの関係は独特で、特別なんだ」


「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)1回戦でチチパスは、ジャウメ・ムナール(スペイン)に第1・第2セットを奪われながら4-6、2-6、6-1、6-4、6-4で逆転勝利、彼のキャリアで初めてのことだった。変わらぬ父のサポートを受けて、チチパスはどこまで勝ち進めるだろうか。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2019年「ATP250エストリル」優勝したチチパスと家族
(Photo by Pedro Fiúza/NurPhoto via Getty Images)

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