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「全豪オープン」に影響?ビクトリア州がアスリートへもワクチン義務化

2021年「全豪オープン」でのジョコビッチ

「全豪オープン」の開催地であるオーストリアのビクトリア州が、スポーツ選手に対する新型コロナワクチンの義務化を発表した。ロイター通信など複数のメディアが報じている。

現地1日、ビクトリア州のダニエル・アンドリュース州首相は、感染力の高いデルタ株の蔓延を懸念し、約125万人の「認可された労働者」に対してワクチン接種を義務付けると発表した。「認可された労働者」の中には「プロまたは優れた実績を有するスポーツ選手およびその選手の安全な競技生活をサポートする労働者」が含まれる。つまり、すべてのアスリートとその関係者がワクチンを受けなければならないことを意味する。現地で就労する人たちは10月15日までに1回目のワクチンを、11月26日までに2回目のワクチンを接種しなければ、職場への出入りが禁止されるという厳しい措置が採られる。


今月1日の新規感染者が1143人に上ったビクトリア州には、サッカーやクリケット、ラグビーといったスポーツのチームが拠点を置いており、テニス、ゴルフ、陸上競技などの主要大会の開催地でもある。今回のワクチン義務化が州外や海外から訪れる選手にも適用されるかどうかは今のところ不明だ。しかしながら、アンドリュース州首相は「私はパスポートやビザを発行する立場ではないが、中期的に見て、連邦政府がワクチンを2回接種していない人を入国させる可能性は極めて低いと思っている」と発言していることから、「全豪オープン」に参加する選手とそのチームにもワクチン接種が義務付けられる可能性は高い。


テニス界では何人かのトップ選手がワクチン接種に懸念を示しているため、「全豪オープン」の大会ディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏はまたしても難題を抱えることになった。世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は昨年に新型コロナに感染したものの、一貫してワクチン接種を個人の自由だとするスタンスを取っている。世界ランキング5位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)や世界2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)も疑問を呈してきた。一方で世界3位のステファノ・チチパス(ギリシャ)は自分と同年代の人がワクチンを接種する必要はないと発言していたが、のちに態度を改め、年内にはワクチン接種を受ける予定だと話している。


仮にジョコビッチがワクチン接種拒否を理由に「全豪オープン」を欠場することになれば、ディフェンディングチャンピオンが不在となるだけでなく、グランドスラム優勝回数で単独トップに立つチャンスを逃すことにもなる。情報筋によれば、ワクチンの義務化によってスター選手を欠くことの重大性を訴えたタイリー氏は、州政府に「我慢しろ」と一蹴されたとのことだ。また、メディアに同様のことを訴えられたアンドリュース州首相は、職業や実績に関係なくウイルスには感染すると答えており、例外は認められないことを示唆している。


今年の「全豪オープン」で選手たちは2週間の厳しい隔離生活を強いられた。これに対してタイリー氏は1ヶ月ほど前に、2022年1月17日開幕予定の次回大会では規制が緩和され、観客も動員できるかもしれないと話していたばかりだ。ビクトリア州を含むオーストラリア全土で急速にワクチン接種が進むことで、「全豪オープン」が開催される来年1月には今より状況がもっと良くなっているだろうと前向きな姿勢を示していた。だが皮肉にも、ワクチン接種の加速化こそが「全豪オープン」に参加する選手のワクチン義務化を招くことになりそうだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は2021年「全豪オープン」でのジョコビッチ
(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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