マイページ

グランドスラム

新女王はクレイチコバ!2時間の熱戦を制し、亡き恩師との約束を叶える[全仏オープン]

「全仏オープン」でのクレイチコバ

現地6月12日、「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月13日/クレーコート)14日目に女子シングルス決勝が行われ、世界33位のバーボラ・クレイチコバ(チェコ)が第31シードアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)に6-1、2-6、6-4で勝利。約2時間に及んだ熱戦を制し、グランドスラムのシングルス初優勝を果たした。

波乱の相次いだ今大会の女子シングルスでは、準々決勝までにグランドスラム優勝経験のある選手たちが姿を消し、「全仏オープン」では6年連続でグランドスラム新チャンピオンが誕生することが決定していた。


試合前、グランドスラム52回目の出場となった今大会で初めてベスト8の壁を破り、優勝まであと一歩に迫った29歳のパブリウチェンコワは、「(グランドスラム優勝は)ずっと望んでいたことだったの。テニス選手なら当然だと思うわ。そのためにテニスをしているんだもの。テニスを始めて以来、ずっとそのことを考えてきたの」と発言。対するクレイチコバは、「この大会でこんなに勝ち進んだことがないから、楽しみたいわ。そして、最後まで戦うの。こういう舞台で戦いたいとずっと思ってきた。時間はかかったけど、正しいタイミングでチャンスが巡ってきたと感じているわ」と述べていた。


シングルスでの初対戦がこの決勝となったパブリウチェンコワとクレイチコバ。先手を取ったのは、ネットに積極的に出たクレイチコバだった。開始直後こそ3ポイント連続で失って第1ゲームをブレークされたが、そこから6ゲームを連取し、わずか30分で一気に第1セットを取る。対するパブリウチェンコワの第1セットでのファーストサーブの確率は70%と悪くなかったが、その入ったサーブのうち25%にあたる4ポイントしか奪えないという決定率の低さが響いた。


しかし、シングルスでの優勝回数は12回と経験の多いパブリウチェンコワ(クレイチコバは優勝1回)も簡単には諦めない。ファーストサーブでより厳しい位置を狙って決定率を上げると、第2セットの最初のサービスゲームでピンチを迎えながらもなんとかキープ。ベースラインから我慢のプレーを続けて第2ゲームをブレークしたこともあり、3-0とリードを奪う。第6ゲームもブレークに成功し、最初のセットポイントは逃したが、2度目のチャンスをモノにして、セットカウント1-1とイーブンに。


最終セット、互いに1ブレークし合って迎えた第6ゲームで、クレイチコバがラブゲームでサービスキープ。波に乗った彼女は直後のゲームも4ポイント連取、最後はフォアハンドクロスを決めて4-3に。パブリウチェンコワも第8ゲームでデュースに持ち込むが、ゲームを取り返すには至らない。結局1ブレークアップとなったクレイチコバが4回目のチャンピオンシップポイントを決め、初の栄冠を手にした。「全仏オープン」女子シングルスでチェコの選手が優勝したのは、1981年のHana Mandlikova(チェコ)以来40年ぶり。


クレイチコバはこの優勝によって、最新の世界ランキングで33位から15位に浮上することが確定。また、準優勝のパブリウチェンコワも32位からトップ20返り咲き(19位)となることが決まっている。なお、クレイチコバは実は女子ダブルスでも決勝に進出しており、日曜のファイナルに勝てば、2000年のメアリー・ピアス(フランス)以来の女子シングルス・ダブルス2冠となる。


この大会を通して、亡き恩師で元グランドスラム女王のヤナ・ノボトナ(チェコ)に感謝してきたクレイチコバは、優勝を決めた後もコートから空を見上げて恩師へ感謝を捧げていた。オンコートインタビューでは「何が起きたのか信じられない。本当にグランドスラムで優勝できたなんて」と興奮気味に話した。「ヤナが亡くなってからずっと厳しい日々を送ってきたわ。彼女からは亡くなる前に、『どうか楽しんで。グランドスラムで優勝できるよう頑張ってみて』と言われていたの。きっとどこかから見守ってくれていると思う。心からの感謝を捧げたい。本当に幸せよ」


試合後の記者会見でもノボトナとの思い出を語ったクレイチコバ。「初めて彼女の家を訪ねた時はとにかく緊張したの。だって彼女はすごい選手だから。でも彼女はいつも感じが良くて、温かい人だった。多くのタイトルを勝ち取った特別な人間という風に振る舞ったりしなかった。いつでも人に挨拶をして、感謝の念を忘れなかった彼女は素晴らしいお手本よ。ヤナのように私もなりたいの」


残念ながら敗れたパブリウチェンコワは「今大会では自分を信じることの大事さを学んだわ。100%の状態とは言えなかったから、決勝に行けるなんて考えていなかったの。でもそれでもやれると考えて戦えば、予想以上の結果を出すことができるのよ」と語り、その背景にはスポーツ心理学者の存在があると説明する。「マドリード大会の少し前から心理学者と組み始めたの。懸命に努力しているのに何かがいつも足りないことに焦りを感じていたから、悔いを残さないように、できることは何でもやることにした。そして今日、自分にできることをやり尽くしたわ。最後は彼女の方が上だった。いつかまた決勝に出るチャンスがあったら、その時はもっとうまく対処して、よりフレッシュな状態でいいプレーを見せたい。それが今の目標ね」


この決勝を受けて、イガ・シフィオンテク(ポーランド)やペトラ・クビトバ(チェコ)、全仏を負傷欠場したシモナ・ハレプ(ルーマニア)、元世界女王のアナ・イバノビッチ(セルビア)などがコメントを寄せている。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全仏オープン」でのクレイチコバ
(Photo by Mehdi Taamallah/NurPhoto via Getty Images)

全仏オープンテニスWOWOW生中継!

今回は例年の期間から約1週間遅れての開催となる"ローランギャロス"。センターコート、アザーコート共にパワーアップした大会の模様を連日生中継でお届けする。

【放送予定】 6/13(日)まで連日生中継
■詳細・放送スケジュールはこちら >>

グランドスラムの関連記事

PAGE TOP
menu