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グランドスラム

連覇を目指す19歳の全仏女王が語る、成功との付き合い方の難しさ

写真は「全仏オープン」でのシフィオンテク

昨年の「全仏オープン」決勝で、イガ・シフィオンテク(ポーランド)はソフィア・ケニン(アメリカ)を6-4、6-1で破り、ポーランド人初のグランドスラムシングルスチャンピオンとなった。シフィオンテクは英BBCの取材に答え、前回優勝者として参戦する「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月12日/クレーコート)への意気込みを語った。

シフィオンテクの寝室の壁にはラファエル・ナダル(スペイン)のポスターと彼がサインしたシャツが飾ってある。まさにテニスを愛するティーンエイジャーのベッドルームといった感じだが、彼女がただのティーンでは無いことを示す物も同じ部屋に飾られている。「全仏オープン」の銀色のトロフィーだ。シフィオンテク曰く、トロフィーを飾るのに適した場所はそこしかないとのこと。


「ちょっと不思議な感じよね。グランドスラムで優勝して、毎週ツアーで試合をしているけど、私はまだ十代で、トロフィーは父の家の、私の部屋にある。まだ独り立ちしていないから」と19歳のシフィオンテクは語る。


「対照的だけれど、私達が人間だってことを示しているわ。私のトロフィーは今あそこにあって、たぶん私が家を出てもずっと置いておくと思う。そこがぴったりの置き場所だし、私が子供の頃から両親がどれだけ多くのことをしてくれたかを示すものだから」


昨年の「全仏オープン」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で秋開催へと変更された。つまりシフィオンテクは、通常の1年ではなく、たった7ヶ月しか経たないうちに前回優勝者として来週開催される今年の大会に出場することになる。


前回の「全仏オープン」で1セットも落とすことなく優勝し、冷静なプレーで多くのファンを獲得したシフィオンテク。今年の大会に向けても冷静さを保っている。


「グランドスラムで優勝すると、みんな自分がグランドスラム優勝者だってことをいつまでも覚えているわよね。私は今回も自分が優勝しなければならない、とは考えないわ。だって私が成し遂げたことは、これからもずっと私と共にあるから」


昨年の大会ではシフィオンテクは世界ランキング54位で、歴代の女子優勝者の中で最も低い順位だったが、現在は自身最高の9位。「全仏オープン」以後、今月の「WTA1000 ローマ」も含め2大会で優勝しており、期待は大きくなっている。


シフィオンテクは、「全仏オープン」での成功の要因としてスポーツ心理学者のダリア・アブラモビッツ氏とのトレーニングを挙げることが多い。人生を“すっかり変えてしまった”全仏優勝後にも、アブラモビッツ氏を頼ったそうだ。


「周りの期待とか、“全仏オープン”後に私がいろいろ悩んでいたことに関して、ダリアはすごく助けてくれた。負けている時より、成功と付き合う方が難しいこともあるって気付いたの」とシフィオンテク。


「時々、自分で自分に期待してしまうことも難しいけれど、そんな時はやるべきことに集中して、自分がなぜテニスをプレーするのかを思い出して、コートで楽しもうって自分に言い聞かせるの。自分のためじゃなくプレーしているような気分になってしまうことがあるけれど、それは良くないから」


「自分を落ち着かせられるスペースを見つけて、思い出す必要がある。2年後には、悩んだりせずにただ楽しめるような精神状態になれたらいいな。偉大なチャンピオンはそういうことができていると思うから。彼らはあまり気にせず、ただプレーしてやるべきことに集中しているわ」


もし彼女がディフェンディングチャンピオンであることのプレッシャーについて更なる助けを必要とする場合には、良き友でありグランドスラム4回優勝の大坂なおみ(日本/日清食品)に頼ることもできる。


「なおみは“全仏オープン”後にメッセージをくれて、必要な時はいつでも頼っていいって言ってくれたの。彼女も同じような状況にいたことがあってよく分かるからって。選択肢があるのはいいことよね」


ここ最近のグランドスラム16大会の女子シングルスでは、12人の違う選手が優勝している。最後に2年連続で同一大会で優勝できたのは、2015年・2016年に「ウィンブルドン」を連覇したセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)だ。


「前回優勝者として出場するのは確かに難しい。特に女子テニスではね。私たちはちょっと安定性が足りないのかも」


では2年連続の「全仏オープン」優勝より、他のグランドスラム大会優勝を狙いたいのか?


「そんな状況になれたらいいけどね」と彼女は笑う。「他のグランドスラムに勝てたら嬉しいわ。クレーコートではプレーできるのがわかっているけれど、ここ数年はハードコートでの試合を改善しようとしていて、それなりに上手くいっているの。勝てればしっかりトレーニングできているって実証されることになる」


「それから、グラスコートで勝てたら私にとってすごいことだわ。(2018年に)“ウィンブルドン・ジュニア”で優勝したけれど、あのサーフェスはまだ良く理解できていないの。だからあり得ないことかもしれないけど、“ウィンブルドン”で優勝したい」


さらに今年の夏はオリンピックでの成功もあり得る。父のトマシュ・シフィオンテク氏は1988年の「ソウルオリンピック」に出場した元ボート選手なので、シフィオンテクにとってオリンピックは特別な意味を持つ。


「今年の重要な目標よ。(オリンピックに出場した父を持つことは)私のものの見方を変えたわ、小さい頃から父の体験を聞いていたから。父に見に来てほしいけど、コロナのせいで大会に多くの人を連れて行くのが難しくなっている。でも父の経験は絶対助けになるから、来てもらえるように調整するつもり」


もし彼女の父親が家に留まることになれば、少なくとも娘の部屋のトロフィーや、飾ってあるナダルのポスターや記念品を眺めることはできる。シフィオンテクは、それらについてナダルがどう思うか少し気になるようだ。


「ちょっと怖いわよね。でも、彼がそう思わないことを願うわ!」


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全仏オープン」でのシフィオンテク
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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