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全米で輝いたスティーブンスと女子テニスにかかる期待[全米オープン]

「全米オープン」女子シングルスで初優勝を飾ったスローン・スティーブンス

スローン・スティーブンス(アメリカ)が全米オープンで優勝し、表舞台に躍り出てからおよそ1時間後、コーチのカマウ・マレーが、アーサー・アッシュ・スタジアムの女子ロッカールーム前の廊下にたたずんでいると、同業者が通りかかった。

セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)のコーチ、パトリック・ムラトグルーである。2人は抱き合い、マレーは周囲の人々に、「誰か僕達の写真を撮ってくれないか? 彼はレジェンドだが、僕はそうじゃないから」と言った。

マレーの言葉は、グランドスラム23回の優勝を誇るウイリアムズと、初優勝のスティーブンスの間に横たわる、現在の大きなギャップにも当てはまるだろう。

それでも優勝した土曜の夜の出来事は、スティーブンスがスポットライトを浴びる準備を整えていることを示している。しかも、申し分ないタイミングで。

ここ2週間、そしてここ数ヶ月のテニス界を見れば、テニスファンは、出産を終えたウイリアムズが素晴らしい顔ぶれに合流する2018年を思って、大喜びしているはずだ。

37歳にして若返ったかに見えるウィリアムズの姉、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に加えて、台頭してきた若いアメリカ人達(24歳のスティーブンス、22歳のキーズ、準決勝まで勝ち上がった25歳のココ・バンダウェイ(アメリカ))と、月曜日に初めてランキング1位に君臨することになるウィンブルドン・チャンピオンの23歳のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、全仏オープンで優勝した20歳のエレナ・オスタペンコ(ラトビア)が顔を揃えるのだ。

「(スティーブンスは)危険な選手だと見ています。......それに、もちろんたくさんの武器を持っているので、グランドスラムで優勝できたんです」とムラトグルーは言う。「ですが、誰が危険であろうと、セレナは今でもセレナです。私の仕事は、彼女をベストの状態にすることです。ベストの状態であれば簡単には負けません」

今スティーブンスがすべきは、成功を継続させることだ。
「いつだって苦しいことがあるでしょうね。これまでよりずっとたくさんのことが、人生にのしかかってくるんだから。好不調の波もあるだろうし、大変な時もあるに決まってる。こういうことが起きた時は、いつだって簡単じゃないから。悪いって言ってるわけじゃないのよ。負担が増えると言ってるだけ」とスティーブンスは言った。

「だから、本当は楽しみなの。これからの2ヶ月、これからの2年ほどは、一つの挑戦になるだろうけど、すごく楽しいと思うわ」

1ヶ月前のランキングは900位を下回っていたが、月曜日には17位に上昇する。スティーブンスのテニスはディフェンスに重点を置いたスタイルで、通常のプレーヤーが相手ならウィナーになるショットをスピードを活かして追いかけ、チャンスを賢く選んで攻撃する。

今後はもっと攻撃的なプレーをしたいかどうか問われた時、スティーブンスは真顔で答えた。「私のテニスは問題ないと思います」

それから少し笑って続けた。「なにも変える必要はないと思う。だって、こういうプレーができて、グランドスラムに勝てるんだったら、議論する必要はないと思うの」

決勝戦のアンフォースト・エラーはわずか6で、キーズより24も少なかったと記者がスティーブンスに言うと、スティーブンスは驚いて、「試合全体でアンフォースト・エラーが6?」と聞き返した。

その通りだという返事が返ってくると、スティーブンスは左手の掌でテーブルを叩いて声を張り上げた。「うっそー! そんなの初めてじゃないかな。どうしよう。すごい数字!」

スティーブンスの陽気な性格は、次のようなやり取りにも表れた。

メジャー大会のタイトルを初めて獲得して、次のタイトルへの渇望が生まれたかと記者が尋ねると、スティーブンスはこう答えたのだ。「もちろん。あの女の人が私にくれた小切手を見た? もちろん。あれ以上にテニスをしたくさせるものなんて、ほかにないと思うわ」

テニス界における自身の立ち位置については、こう語った。「自分が "表舞台に躍り出た" のか、"すでに躍り出ていた" のか、それとも "躍り出たばかり" なのかわからないけど、全米オープンの優勝者だってことはわかってるわ。これがあなたにとってどういう意味があるのかわからないけど」

そう、スティーブンスはたしかに表舞台に躍り出た。ウイリアムズ姉妹がビッグマッチにどれほど長く勝ち続けるにしても、スティーブンス、キーズ、バンダウェイの3人は、今後長年に渡ってアメリカを、グランドスラムを左右する存在になることができるだろう。この3人にほかの新顔を加えれば、女子テニスは、かつてないほどワクワクするものになりそうだ。全豪オープンが待ち遠しい。

(C)AP(テニスデイリー/ワウコム)

※写真は「全米オープン」女子シングルスで初優勝を飾ったスローン・スティーブンス
2017 US Open women's champion Sloane Stephens poses for a picture in Central Park in New York, Sunday, Sept. 10, 2017. (AP Photo/Seth Wenig)

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