全仏オープン

フェデラーがクレーの全仏をスキップ、芝とハードに集中

全仏欠場を発表したロジャー・フェデラー(スイス)(写真は4月末にシアトルで行われたエキシビションマッチ「マッチ・フォー・アフリカ4(アフリカのための試合)」での様子で、ペアを組んだのはマイクロソフトの創始者のひとりであるビル・ゲイツ)

 スイスのクレーコートで数日練習を行ったあと、休養をたっぷりとった健康なロジャー・フェデラー(スイス)は、来たるシーズンの残りのスケジュールを決めた。彼は全仏オープン(5月28日〜)には出場せず、ウィンブルドン(7月3日〜)にフォーカスし、それから全米オープン(8月28日〜)に気持ちを集中させていく。

「非常に難しい決断だった」と、フェデラーのコーチであるセベリン・ルティは月曜日にAP通信のインタビューに答えて、こう言った。「彼は全仏でプレーするのが好きだ。大きな大会でプレーするのが好きだからね。しかし、彼にとっては最良の決断だと思う。これは彼のキャリアの投資なんだ。今季と残りのシーズンのための」。

 フェデラーは、「ロジャーがロラン・ギャロス(全仏)をスキップする」と題した投稿を自分のウェブサイトに載せ、2017年は完全にクレーコート大会への出場を控え、その代わり、続くグラスコートとハードコートの大会に向けて準備を進めると発表した。

「僕はここ数ヵ月、コート内外で大いにハードワークを積んできた」とフェデラーは書いた。「しかし、今から何年もATPワールド・ツアーでプレーしていこうと努めるためには、今年、クレー・シーズンをスキップするのが最良の策だと感じている」。

 フェデラーが全仏オープンを欠場するのは、これで2年連続だ。彼は2009年に全仏のクレーコート上でタイトルを獲得し、生涯グランドスラム(キャリアで4つのグランドスラムのすべてで優勝すること)を達成していた。

 一年前のフェデラーの欠場は、2016年を通して彼につきまとっていた背中と膝の故障のせいだった。この欠場で彼は、(2000年の開始時以来)4つのグランドスラムのすべてに出場していたことからくる、65大会連続でのグランドスラム出場記録に終止符を打つことになった。

 しかし今、18度のグランドスラム優勝を誇るフェデラーは、気分も体調も素晴らしく、この状態をキープしたいと願っている。

「僕らはいい状況にいる。フェデラーは過去5年よりもいい体調だ。僕らは(強いられたのでなく)、強い立場からこの決断を下すことができた」と、ルティは全仏欠場について、こう言った。

「僕らはこのことについて数回にわたり話し合ったが、じっくり考えるための時間をとりたかった」と彼は言い添えた。「昨日も話し合い、今日、最終的な決断を下した」。

 ルティによれば、フェデラーは6月12日から始まるシュツットガルト(ATP250)、その翌週のハレ(ATP500)と、ドイツで2つのグラスコート大会出場を予定しており、それから7月3日開始のウィンブルドンに向かうことになる。

 35歳のフェデラーは4月2日以降、大会でプレーしていない。その日、彼はマイアミ(ATP1000)で2017年3度目の大会優勝を遂げ、今季の成績を19勝1敗に伸ばした。これはすべてハードコートの大会でおさめた成績で、ここ10年来、最高のシーズンのスタートぶりとなる。マイアミ優勝当初の彼は、ツアーを離れて休みをとるとだけ言い、全仏オープンまでに帰ってくるとは約束していなかった。

「今年の出だしは、僕にとって魔法のようだった。でも同時に、今後スケジュールをうまく調整していくことが、僕の選手人生における長寿のためのカギなんだ、ということを認める必要がある」とフェデラーは書いた。「そういうわけで僕のチームと僕は、今日、クレーコート上でただ一大会だけに出場するというのは、シーズンの残りに向けてのフィジカル面での準備と、僕のテニスのために最高の実りをもたらすことではない、という結論に達した」。

 クレーコートでのプレーは、1ポイントがなかなか決まらないことからくる試合の長さに加え、多くのトリッキーな動き、スライディングなどが必要とされるため、もっとも体への要求が厳しいサーフェスとみなされることもある。

 フェデラーの偉大なライバルで、"クレーの王者"の異名をとるラファエル・ナダル(スペイン)は、日曜日に終わったマドリッド(ATP1000)を含め、3大会連続でクレーコート大会で優勝を遂げ、15連勝を記録して、"レッドクレー"での覇権に戻りつつあるところを見せている。おかげでナダルは今、ロラン・ギャロス(全仏)の最有力優勝候補とみなされている。もし優勝すれば、それはナダルにとって全仏10番目のタイトルであると同時に、フェデラーが持つ記録にあと3つと迫る、15番目のグランドスラム・タイトルということになる。

 とはいえ、フェデラーはナダルの最近の好調さや、ほかの誰かの調子を考慮に入れてこの選択をしたのではない、とルティは言った。

「ほかの誰かというより、彼自身に関する決断だった」とルティ。「ほかの選手たちを気にしすぎるというのは、過ちだろう」。

 フェデラーは、手術をした左膝を回復させるため、リオ五輪と全米オープンを含む、2016年の後半でプレーすることを控えた。おそらくそのおかげもあり、彼は今年1月の全豪オープンで優勝し、可能な限り最高の形で今シーズンをスタートさせた。

 パリに関し、もう、このスイスのスターが全仏に出場することはないのでは、と心配しているファンがいる場合に備え、フェデラーは未来について、このようなメッセージも発した。

「僕は全仏オープンのファンたちに会えないことを残念に思う。彼らは常に僕のことをサポートしてくれていた」と、フェデラーは言った。「そして僕は来年、ロラン・ギャロスで彼らに会うのを楽しみにしている」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は全仏オープン欠場を発表したロジャー・フェデラー(スイス)(写真は4月末にシアトルで行われたエキシビションマッチ「マッチ・フォー・アフリカ4(アフリカのための試合)」での様子で、ペアを組んだのはマイクロソフトの創始者のひとりであるビル・ゲイツ)
Photo: SEATTLE, WA - APRIL 29: Bill Gates shakes hands with Roger Federer at the Match For Africa 4 exhibition match at KeyArena on April 29, 2017 in Seattle, Washington. (Photo by Suzi Pratt/Getty Images)

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