グランドスラム

「テニスに引き分けがあるなら、僕は喜んでラファと勝利を分け合う」とフェデラー [全豪オープン]

 オーストラリア・メルボルンで開催された 「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝で、ロジャー・フェデラー(スイス)がラファエル・ナダル(スペイン)を6-4 3-6 6-1 3-6 6-3で破り、自身が持つ史上最多記録を更新する18度目のグランドスラム制覇を果たした。試合時間は3時間38分。 

 フェデラーは流れが行き来した第5セットで、ナダルにいきなりブレークを許したが、第6ゲームでブレークバックし、3-3に追いついた。

 第5セットが始まる前にフェデラーはメディカルタイムアウトをとり、コートを離れている。第3ゲームのあとにもエンドチェンジで右太腿のマッサージを受けているが、プレーへの影響は見たところ確認できないものだった。

 観客たちは、フェデラーが打つすべてのウィナーに歓声を挙げるようになっていった。その声援に後押しされるかたちでフェデラーは、第6ゲームの終盤から第8ゲームの途中まで10ポイントを連取。その第8ゲームでトリプルのブレークポイントをつかんだが決めきれず、結局、2度デュースを経てブレークを果たし、5-3とリードした。

 ナダルは次のゲームで15-40と2度のブレークチャンスをつかむも、ものにすることができず、逆にフェデラーは2度目のマッチポイントで、ファーストサービスをセンターに深く打ち、ナダルの浅くなったリターンを前に入ってフォアハンドでとらえ、クロスへウィナーを狙った。ライン際に落ちたそのボールは一瞬、決まったかどうかがわからず、ナダルがチャレンジ(自動ライン判定)を求める。その間、わずか数秒。そして、巨大スクリーンがボール軌道を映し出し、ラインをかすめたことがわかると試合は終わった。
 
 フェデラーは数回跳び上がって、喜びの叫びを上げた。そして、ネット際まで歩き、ナダルと肩を寄せて称え合ったあと、涙をおさえながらコートサイドのベンチに腰を下ろした。
 
 フェデラーの全豪タイトルは5度目(2004、2006、2007、2010、2017)で、グランドスラム優勝は2012年ウィンブルドン以来。

 ナダルは全豪で2009年以来2度目のタイトル、そして2014年全仏以来15度目のグランドスラム・タイトルを狙っていたが叶わなかった。ちなみに2009年の全豪決勝の相手はフェデラーで、7-5 3-6 7-6(3) 3-6 6-2で破っていた。
 
 表彰式でのふたりはお互いへの敬意にあふれていた。

 「ロジャー、おめでとう」と言ってスピーチを始めたナダルは、「素晴らしい1ヵ月、素晴らしい試合だった」と続け、最初は暗い表情をしていたものの、しばらく話していくうちに、清々しい笑顔を浮かべた。
 
「今日はたぶん彼のほうが、僕よりも勝利に値した」とナダルはフェデラーを称えた。そして、「僕もハイレベルに戻ってきた。だからこれからいいシーズンを送れるようにトライし続け、またここに戻ってきて、今度はあの優勝杯を獲得したい」と、そのあとフェデラーが受け取る予定の優勝杯を指しながら言った。
 
 一方、フェデラーは「昨年、彼(ナダル)のアカデミーを尋ねたとき、まさか僕らが今、ここに立つことになるなんて想像もしていなかった」と話し、「テニスは厳しいスポーツで引き分けというものがない。しかし、もしも引き分けがあるなら、僕は今日喜んでラファと勝利を分け合うだろう」と続けた。

 フェデラーはまた「テニスはラファを必要としている」と話し、ナダルの復帰を支えたナダルのチームにも賛辞を送った。それを聞いていたナダルのチームがスクリーンに映し出されると、みなうれしそうに笑顔で返していた。


※写真は全豪オープン男子シングルス表彰式で、ロジャー・フェデラー(スイス/右)とラファエル・ナダル(スペイン/左)


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