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田中優之介と菊地裕太が決勝進出、“因縁”の対決へ [第37回全日本ジュニア選抜室内/男子]

 兵庫県三木市のブルボン ビーンズドームで開催されている「JOCジュニアオリンピックカップ 第37回 全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月9~11日)は第2日、ラウンドロビンの残りと順位別トーナメントの初戦が行われた。

 その結果、タイトルがかかる1位トーナメントで決勝進出を決めたのは、第3シード田中優之介(秀明英光高)と第4シードの菊地裕太(相生学院高)。田中は準決勝でノーシードの佐々木健吾(高松北高)を6-1 6-1と寄せつけず、高校センバツ優勝の菊地はそのときの決勝の相手でもあった今村昌倫(清風高)との接戦を6-3 5-7 6-1で制した。

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 各組リーグ戦の中で唯一のシード崩れとなったのがB組で、2勝同士で迎えたラウンドロビン最後の試合で第2シードの山尾玲貴(柳川高)を破った佐々木が1位トーナメントに進出した。山尾はインターハイのベスト4などの成績で高体連から推薦されての出場だったが、試合中に腹筋を痛めたこともあって、左利きの佐々木の粘りに屈した。

 1位トーナメントの準決勝では、その佐々木に対して第3シードの田中が2ゲームしか与えず圧勝。佐々木と山尾との試合を少々観戦できた田中は、「左利き」「バック片手打ち」「しつこいスライス」といった情報を仕入れ、「ちょっとイヤな相手かなと思ったけど、焦らず落ち着いて自分のプレーをすることを心がけた」と会心の勝利だ。

 ジュニア最後となる今シーズンはインターハイ準優勝、全日本ジュニアは準決勝で綿貫陽介(グローバルプロテニスアカデミー)に敗れてベスト4と、一つも全国タイトルが獲れていない。それが、すでに進路も決まっている田中がこの大会でがんばる原動力となった。

 「このままだと、ただの『惜しいヤツ』じゃないですか(笑)。やっぱりジュニアの最後にタイトルを獲って終わりたいなと」

 そして、決勝の相手には強く菊地を望んでいた。というのも2年前の中牟田杯で、第2シードだった田中は当時「全然知らなかった」菊地に2回戦で敗れた苦い経験がある。いつかリベンジをと胸に秘めてきたが、この2年間、一度も対戦する機会はなかった。「僕がいつもその前に負けるんです」と苦笑いしながら言ったのは菊地だが、今回は負けなかった。

 ただ、準決勝は勝利を目前にしてから予想外に時間がかかった。相手は高校センバツの決勝で下した一つ年上の今村。第1セットを取った菊地は第2セットで5-2と王手をかけるが、「勝ちを意識して集中力をなくした」と強打の今村の術にはまっていった。ギアを上げてくる今村に5ゲーム連取を許し、第2セットを失う。

 流れは今村かと思われたが、「自分は足と体力には自信がある」という菊地はショックを引きずらず、意識していた勝ちを手放したことでもう一度集中力を上げることができた。今村のほうが息切れし始め、最終セットは6-1と一方的なスコア。菊地も相当疲れているように見えたが、明日の決勝に向けて「全然大丈夫です」と弱みは見せなかった。

 2年ぶりの再戦で田中が借りを返すのか、菊地が無名だった頃とは違う今の力でふたたび勝るのか、なかなかにドラマのある一戦だ。
 
テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美)

※写真は全日本ジュニア選抜室内で決勝進出を決めた第3シードの田中優之介(秀明英光高)

全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会|日本テニス協会ホームページ

全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会|関西テニス協会ホームページ

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