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男子は松下龍馬、女子は川村茉那が優勝 [全日本ジュニアU14]

 「DUNLOP SRIXON 全日本ジュニアテニス選手権 '15 supported by NISSHINBO」(大阪府・靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月8~17日/ハードコート)の大会9日目は、14歳以下の男女シングルス決勝が行われ、男子は松下龍馬(関東/Fテニス)が第2シードの横田大夢(関東/ETC)を6-0 6-2で、女子は第7シードの川村茉那(関東/CSJ)が第10シードの武部せな(関東/CSJ)を3-6 6-0 7-6(4)でそれぞれ下して優勝した。

◇   ◇   ◇

 強打の横田に対して、松下は軌道とバウンドの高低をうまく使って横田のミスを誘い、自分からはミスをしないテニスで序盤から大きなリードを築いた。「第1セットでは我慢して、自分から無理に攻めずに相手に攻めさせてチャンスを待った。序盤にリードできたのが大きかった」と松下。

 対する横田は「自分も昨日の準決勝よりいいプレーができていたと思うが、相手にそれより上をいかれてしまった」と言いながら、「完敗ですね」と話している。「松下くんは打ってくるよりつなげてくる。前にも出てくるし、スライスも滑ってきた。打っても決まらなかった」と横田は試合を振り返っている。

 だが、スコアほどの差があったわけではなかった。横田は準々決勝や準決勝のときよりもしっかりとラケットを振り抜いて、迷いなく強いボールを使った彼らしいプレーが出ていたし、相手を押し込んでネットに出ていくプレーも繰り出せていた。

 スコアの差になったのはプレーの内容よりも、ポイントの組み立て方の差で、要所を締められたかどうかだった。

 第1セットはウィナーかミスかで、思いきりプレーしていた横田に対して、松下がしっかりとポイントをマネージメントした。あっという間に5-0とリードした松下が、その精神的な余裕をベースに、より落ち着いて試合をコントロールできるようになっていった一方で、横田は逆にショットの調子はいいという感覚を持たされつつも、スコアで離されるという展開になってしまった。

 第2セットは競り合う展開が増え始めていたが、「ここで攻めさせて、乗せたらやばい。気づかれないうちに終わらせたいと思っていた」と松下は言う。実際、横田の強打がコートに入る確率が、あともう少しだけ高かったら、まったく逆の展開もありえただろう。リードした試合をそのまま終わらせるというのは意外に難しいことだとプロもよく口にするが、松下は第1シードとしてきっちりと勝ちきった。最後は今大会で練習に取り組んでいたと言うサーブ&ボレーで決めた。

◇   ◇   ◇

 女子の決勝、川村 vs 武部は同じ所属クラブ同士の対戦で、お互いに熟知した者同士。序盤から思いきってコートに入り、フォアハンドの強打を畳み掛けてプレッシャーをかけていた武部に対して、川村はうまくコースを変えて展開することで対抗していたが、甘く弾んだボールは武部にすぐにつかまり、川村は厳しい状況に置かれていた。先行する武部に対して、川村もなんとかシーソーゲームに持ち込んでいたが、最後の3ゲームを連取して第1セットを取ったのは武部だった。

 「第1セットでは相手の早い展開から逃げることを考えて、ループとかを使っていこうとしていたけれど、1本目から攻められたりしていた」と川村は言う。第2セットでは武部の攻めに対して逃げたり交わしたりするのではなく、しっかりとラリーをする戦術に切り替えたという川村。これで状況が一変した。第2セットの第1ゲームで武部がブレークを許すと、そのまま川村が6ゲームを連取してセットを取り返したのだ。

 第3セットも先に川村が5-2とリードし、優勝に王手をかけた。だが、「初めてプレッシャーを感じた」という川村に対して、あとがなくなった武部が反撃して5-5と追いつき、さらにタイブレークに持ち込んだ。「ダブルフォールトがあって、変なミスが出てしまい、決め切れなかった」と武部。武部にすれば、タイブレークの最初の2度のサービスでダブルフォールトを続けて川村にリードを許してしまったのが痛かった。この頃には「逃げずにやっていこうと思っていた」という川村が、武部の反撃を封じきって優勝を決めた。

 「いっぱい打ってくる子にはミスもある。大事なところで無駄にポイントを落とさず、ミスをしないように意識した」と川村は勝因について話していたが、彼女がそれに気づいて課題として取り組み始めたのはつい最近のことなのだという。

◇   ◇   ◇
 
 松下も川村も駆け引きだけの選手というわけでは決してないが、奇しくも強打の選手を試合巧者が制したという形になった今年の14歳以下。敗れた横田や武部も、勝負はその武器の生かし方次第ということを学んだのではないだろうか。彼ら彼女らのさらなる成長が楽しみだ。

※写真は14歳以下男子シングルスで優勝した松下龍馬(Fテニス)

テニスマガジン/ライター◎浅岡隆太)


全日本ジュニアテニス選手権|日本テニス協会ホームページ

全日本ジュニアテニス選手権|関西テニス協会ホームページ





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