マイページ

ジュニア

連載第11回 坂田季美佳【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World
~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~

【第11回】

 1月の全豪オープン・ジュニアで初めてグランドスラムに挑んだ坂田は、当時15歳。日本勢最年少ながら、6人が予選に挑戦した日本女子の中で唯一本戦に上がった。4月には、オーストラリアで行われた16歳以下の国別対抗戦、ジュニア・フェドカップの日本代表としてアジア/オセアニア予選を3位で通過し、秋にマドリードで行われる決勝大会への進出を決めた。小学4年生のとき、出身である和歌山で、体力や運動能力が特に優れた子供を発掘するプロジェクト『ゴールデンキッズ』にも認定されているアスリートとしての素質。今、その才能の蕾を、高いレベルでの実体験によってますます膨らませている最中だ。



坂田季美佳
さかた・きみか

♥プロフィール

生年月日◎1999年5月13日生まれ(16歳)

所属◎山梨学院大学附属高校 

身長/体重◎160cm/53kg

利き手◎右利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/223位(2015年5月18日付)、 最高/212位(2015年4月6日付)

主な成績◎2011年全国選抜ジュニアU12優勝、11年全小準優勝、14年中牟田杯準優勝、14年全日本ジュニアU16準優勝、14年全中準優勝、14年オランダ・グレード4優勝など

◇   ◇   ◇

 世界遺産でもある高野山の麓に位置する和歌山県橋本市の出身だが、これまで約4年間、大阪府堺市のテニスクラブまで練習に通っていた。田舎にはテニスクラブがないため、よりよい環境を求めて…という事情を想像するかもしれないが、そうではない。クラブチーム『テニスエナジー』が主な練習会場として1995年に橋本市に開設した『紀伊見の里テニススクール』(※のちにバークレーテニスカレッジに改称)は坂田の自宅近くだった。しかし地域の事情で取り壊され、新たな拠点となった堺市に、秘蔵っ子だった坂田もいっしょに移ったのだ。車で片道約40分。毎日、母親が運転して送り迎えを担った。

 小柄だがスピードと思いきりのよさを備え、小学生の頃から全国で頭角を現し、13歳で国内でのITF大会に出場するようになった。一方で、打球音が爽快にこだまする自然の中、田舎育ちの元気な子供たちが無邪気にボールを追う光景にスルッと溶け込むような、溌剌としたプレーと屈託ない言動が微笑ましい女の子だ。

 去年の全日本ジュニアで、雨による中断を挟んだ試合のあと、「コートを一生懸命拭いてくれている人たちを見て、私も頑張らないとって思いました」と語ったのをよく憶えているが、今年の1月に全豪オープンで初めてグランドスラムの舞台を踏んだときも、その会場の大きさや施設の充実ぶり、試合運営に関わる人々の数といった規模の違いだけでなく、選手が戦いやすい環境をつくってくれるスタッフやファンの情熱にも感激していた。
 テニスの実力と関係ない?
 そんなことはない。些細なことにもストレートに感動や感謝の気持ちを抱ける人は、たぶんここぞというとき心が強いのだ。最後まであきらめない姿勢と終盤の粘り強さは、その強さのせいかもしれない。全豪の本戦1回戦は第5シードの強敵に2-6 0-6で完敗し、持ち前の粘りを発揮するような展開に持ち込むことはできなかったが…。

 昔ウィンブルドンの中継をテレビで見て、「テニスを極めたら、こんなところでプレーできるのか」と、大きな目標ができたのだという。「だんだん難しさもわかってきて、小さいときみたいに、簡単に『プロになりたい』とは言えなくなった」と言うが、画面越しのウィンブルドンを見た日から常にプロという夢は心のどこかにある。

 4月に有明コロシアムで行われたフェドカップでは、コートサイドで代表メンバーやスタッフとともに戦況を見つめるジュニアたちの中に坂田の姿もあった。16歳以下の国別対抗戦、ジュニア・フェドカップの代表選手たちだ。対戦国ベラルーシのエースは元女王ビクトリア・アザレンカであり、日本は敗れたが、”かぶりつき”の場所から見たプロたちの姿はその目にどう映っただろうか。

 橋本を拠点にしていた頃のクラブのキャッチコピーは、「世界に一番近い山奥のテニススクール」だったそうだ。この春から、愛着ある故郷とテニスコートを離れ、山梨学院大学附属高校に入学した坂田。テニスをする場所は変わっても、その感性で指導者や家族の思いをしっかり受け止める16歳は、〈世界〉にさらに一歩一歩近づいていくことだろう。



【オフコートQ&A】

------好きな選手は?

ワウリンカです。片手のバックハンドが好きなんですけど、ワウリンカは特にスコーンって感じですごいカッコいいです。

------試合の前のルーティンはある?

ざわざわしているのが嫌いなので、だいたい音楽を聴きます。好きなのは、テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデ、1D(ワンディー)。この頃はセカイノオワリにもはまり始めました。

------テニス以外の特技は?

昔ピアノを習っていたんですけど、ピアノって、ずっと座ってないといけないじゃないですか(笑)。同じ一生懸命やるんだったら、動き回るほうがいいかな。今は全然弾けません。

※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年4月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)



テニマガ表紙の人気投票|みなさまの投票をお待ちしています!




関連キーワード
ジュニア
坂田季美佳

テニスデイリーのおすすめ

PAGE TOP
menu

ランキング人気記事ランキング

「上海ロレックス・マスターズ」優勝を飾ったフェデラー

2017.10.15

フェデラーが王者ナダルを圧倒しマスターズ通算27個目のタイトルを獲得[上海ロレックス・マスターズ]

「ストックホルム・オープン」でベスト8進出を決めた杉田祐一(楽天ジャパンオープンのときのもの)

2017.10.19

杉田が元世界8位を破りベスト8進出。デル ポトロとの対戦が濃厚[ストックホルム・オープン]

痛めた左手に苦しむデル ポトロ

2017.10.14

デル ポトロ、左手の負傷で病院へ[上海ロレックス・マスターズ]

「ストックホルム・オープン」で2回戦へ進出した杉田祐一(楽天ジャパンオープンのときのもの)

2017.10.17

杉田が大逆転で2回戦進出へ[ストックホルム・オープン]

「上海ロレックス・マスターズ」で優勝したフェデラーと準優勝のナダル

2017.10.16

フェデラーとナダルのライバル関係は熱いまま