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連載第10回 島袋将【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~


【第10回】


 昨年のインターハイではチームのエースとして団体優勝に貢献し、個人戦のダブルスでも優勝。シングルスでも年末の全日本ジュニア選抜室内でついに“全日本”クラスのタイトルを手にした。それまで全国ではよくてベスト16止まりで、「東海を代表する選手のひとり」にすぎなかった島袋将にとって、2014年はひとつ殻を破った年であることは間違いない。だが、今年さらなる活躍につなげられるかどうかが将来を決めるカギになるだろう。国際大会の経験は豊富ではないが、世界の舞台への憧れは強い。その憧れを現実にするためのビッグチャンスを狙った春。しかし……。




島袋 将

しまぶくろ・しょう


♥プロフィール


生年月日◎1997年7月30日生まれ(17歳)


所属◎四日市工業高校


身長/体重◎181cm/73kg


利き手◎右利き(両手バックハンド)


世界ジュニアランキング◎最新/--、最高/1221位(2014年1月6日付)


主な成績◎2014年全日本ジュニア選抜室内優勝、2014年南関東インターハイ団体・複優勝(2冠)、2015年全国選抜高校テニス大会・団体優勝


◇   ◇   ◇


 昨年末の全日本ジュニア選抜室内を制した島袋は、この連載でそれまで紹介された選手たちの顔ぶれを見て、「有名どころばっかりじゃないですか。いいんですか、僕で」と申し訳なさそうに言った。


 確かに、やや毛色が違うかもしれない。島袋には、グランドスラムどころか海外のジュニア大会の出場経験はなく、国内でも一昨年、埼玉のグレード4の大会とジャパンオープン・ジュニアに出場しただけ。わずかながら稼いだITFランキングポイントは1年で消え、過去1年間にITF大会には出場していないため現在ランキングは持っていない。在籍する四日市工業高校には下宿しながら通い、「岐阜の実家に帰るのはお盆と正月くらい」という多忙な高校生活の中、いわゆる〈学校テニス〉に浸かっている。


 昨年のインターハイでは3年ぶり2度目の団体優勝にエースとして貢献し、個人戦ではダブルスで優勝した。しかしシングルスはベスト16に終わった。小学6年のときに東海地区を代表して全小(全国小学生大会)に出場して以来、全日本ジュニアや全中(全国中学生大会)など全国大会に何度も出場してきたが、ベスト16の壁を破ったことはなかった。


 全国レベルではそう目立った存在でなかった島袋は、国内ジュニアの主要大会の上位者をはじめ全国から選出された16人による大会、全日本ジュニア選抜室内で優勝。初めてシングルスの全日本タイトルを獲得した。国内トップのメンバーの欠場が目立つ大会ではあったが、ノーシードで勝ち取ったタイトルは十分に評価される。181cmの長身から放つ強力なサービスを軸に、接戦や劣勢の中で発揮される忍耐強さが印象的なテニスだった。


 ただ、「僕でいいのか」という引け目を和らげるためにも、3月の“高校センバツ”にはさらに期待をしていた。というのは、この大会の個人戦シングルス優勝者には、全米オープン・ジュニア予選の出場切符が与えられる。島袋は団体でのセンバツ初優勝と同時に、シングルスも優勝して〈世界〉に挑戦したいと意気込んでいたからだ。狙い通りの優勝なら、今年の夏は経験したことのない刺激的なターゲットができる。


 しかし結果は残念ながら…。チームのエースとしてきっちり仕事を果たして団体優勝は達成したものの、個人戦はベスト4止まり。グランドスラムという夢の舞台への近道は塞がれた。


 だが、何も行く手がこれで閉ざされたというわけではない。インターハイのシングルス・タイトルが大きな目標であることは変わりないし、子供の頃から淡く抱いてきたプロへの希望も捨ててはいない。


「そんなに甘いものではないと思う。でもとにかく残り一年がんばって、自分で納得のいく成績を出せればプロにいきたいです」


 小学1年のときに両親の勧めで「遊び程度に」始めたテニスは、2年ほど経ってテレビで見たロジャー・フェデラーの試合に「生まれて初めて感動」し、そこから本気へスイッチが切り替わったという。そんな〈王道〉のエピソードを持つ全国最強校のエースは、それにふさわしい収穫を得ることができるだろうか。




【オフコートQ&A】


------ゲンかつぎでやっていることはある?


自分が入るコートの前の試合で勝ったほうが座っていたベンチをとります。たまに同じことをやってるヤツがいるので、そのときは奪い合いです(笑)。


------試合前のルーティンを教えて。


音楽を聴きます。 EXILE系が多いですね。


------テニス以外の趣味は?


映画を見に行くのは好きです。あと最近はビリヤード。だいたいどっちもテニス部の連中といっしょなんですけど。


※インタビューの続きはテニスマガジン2015年3月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)



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