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ジュニア

連載第8回 小堀桃子【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~

【第8回】

 13歳以下の大会、RSK全国選抜ジュニアで優勝したときが、小堀桃子にとっての全国レベルで初めての決勝進出だった。次の全国タイトルまでは2年近く空いたが、その間にじっと力を蓄えていたように、この1年半は主要なジュニアタイトルを次々ゲット。全日本ジュニアU16を当時14歳で制し、その年の全日本ジュニア選抜室内では17歳までが出場している中で優勝した。昨年は15歳11ヵ月で全日本ジュニアU18のタイトルを手にし、国内大会ではもっともコンスタントに成績を挙げているといっていいだろう。いよいよ舞台を大人の世界に移していくのか、あるいはもっと積極的に海外か。いずれにしろ、新たなフィールドに足を踏み入れていく16歳の今後が注目される。


小堀桃子(こぼり・ももこ)

♥プロフィール

生年月日◎1998年8月22日生まれ(16歳)

所属◎IHSM 

身長/体重◎158cm/50kg

利き手◎右利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/454位(2015年2月23日付)、最高/363位(2015年1月5日付)

主な成績◎2011年RSK杯優勝、13年全日本ジュニアU16優勝、13年全日本ジュニア選抜室内優勝、14年全日本ジュニアU18優勝

◇   ◇   ◇

 昨年夏、16歳になる1週間前に全日本ジュニアの18歳以下を制した。同じように16歳に満たないうちにこのビッグタイトルを手にした選手は過去20年に5人いるから、それ自体は滅茶苦茶に珍しいというわけではない。ただ、その中にはのちに全日本チャンピオンとなる選手が3人おり(奈良くるみ、森田あゆみ、藤原里華)、彼女たちは世界ランキングでも奈良の32位を最高として森田は40位、藤原も84位までいった実績がある。だからといって小堀の将来が約束されているとはいえないが、それでもこうした先輩たちの実績は期待感をある程度高めるだろう。

 ところが本人は将来に関して、テニスそのものに関してさえ、拍子抜けするくらいクールでマイペースだ。コート上で感情をむき出しにしないのと同様に、夢や目標を熱く語ったりもしない。

 奈良や森田の例に触れても、「あとに続きたいです!」ではなく「同じようにできるとは限らない」とまるで他人事。国内トップレベルのジュニア選手なら誰もが口にしそうなグランドスラムへの憧れも、あるのかもしれないが表には出さず、「そういうところにいる自分が想像できない」と以前話していた。あまりテレビでテニスを見ないので海外の選手のこともよくわからない、とちょっと不思議なテニス少女である。

 これは本心なのか、それとも必死さを隠すタイプなのかと探っていると、逆にこちらが観察されているような妙な気分になる。この人は何を言ってほしいのかな、何を期待しているのだろう、じゃあ逆のことを言ったらどんな反応をするかしら、と。本人は意識していないかもしれないが、その観察の目はテニスでも同じなのではないかという気もする。相手はどこが弱いのか、何をされるとイヤなのか……。その目の鋭さが強さの理由の一つかも。

 158cmと小柄でパワーがあるわけではないが、早いタイミングでとらえるショットをコントロールよくコースに打ち分け、ミスも少ない。普段男子と練習することが多いため、パワー系のプレーヤーも回転系もそう怖くないという。ライジングで巧く処理して相手のリズムを崩す。試合で緊張もしないし、相手が年上でも年下でも意識することはないそうだ。 

 2015年を迎え、挑戦意欲も控えめながら口にするようになった。
 「ITFもJTAの大会も含めて、今まであまり出ていなかった大会にもっと出て、自分を試したい」

 年が明けてからは全豪オープン・ジュニアと、もう一つオーストラリアでグレード1の大会に出場。後者は予選を上がったが本戦1回戦ではジュニアのトップ30の選手に歯が立たなかった。全豪は予選の1回戦で敗退。2月には島津全日本室内の予選を突破したが、本戦勝利はならなかった。「自分を試す」ためのフィールドはそうやさしくは迎え入れてくれない。しかし、新しい場所で経験を重ねていけば、以前は想像できなかった、例えば遥かなウィンブルドンの光景に自分のテニスを重ねることができるようになるのかもしれない。

 
【オフコートQ&A】

------試合の前のルーティンは?

毎試合というのはないですけど、このところ、決勝の前は必ず焼き肉を食べに行ってます。

------好きな有名人は?

いないです。学校の友達は嵐とかで盛り上がってるけど、日本人はあまりかっこいいと思わなくて(笑)。外国人ならベッカムとか。

------英語は得意なの?

得意じゃないです(笑)。だから実際は、外国人とはなかなか親しくなれない。あんまり時間ないけどこれからがんばって勉強します。

※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年3月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)



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