ジュニア

連載第6回 相川真侑花【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~
 
【第6回】

 12歳のときに単身でアメリカに渡って4年。2010年の全小チャンピオンの「相川真侑花」という名前は、その後、国内のジュニア大会から消えたが、海外選手の中で揉まれて着実に力をつけてきた。昨年の世界スーパージュニアではグレードA大会初の3回戦に進出。30人近く本戦に名を列ねた日本の女子の中で、3回戦より先に進んだのはベスト8の福田詩織とこの相川だけ。久々に存在をアピールした16歳の次の目標は、まだ出場したことがないグランドスラム・ジュニアでの活躍だ。


 
 

相川真侑花(あいかわ・まゆか)
 
♥プロフィール

生年月日◎1998年4月2日生まれ(16歳)

所属◎Gomez Tennis Academy(米国フロリダ州)

身長/体重◎163cm/55kg

利き手◎左利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/129位(2015年2月16日付)、最高/121位(2015年1月5日付)

主な成績◎2010年全国小学生大会優勝、2013年サンチアゴ・グレード4優勝など

◇   ◇   ◇

 5年近く前、2010年の全国小学生大会を制した女の子を、その後、国内のジュニア大会で見ることはなくなった。

 相川真侑花は、日本の小学生の中で〈一番〉を取ったという自信を胸に、小学校卒業を待たずに日本を飛び出し、単身アメリカへ渡ったのだ。早くも9歳のときには両親とフロリダへ“下見”に行っていたが、「まずは今、日本でできることをして、アメリカでもやっていける力がついてから」というのが両親の考えだったという。小学生の真侑花にとって全小の優勝は、間違いなく「今できる最大限のこと」だった。条件をクリアしての渡米に、本人にも、家族にも迷いはなかったようだ。

 最初に学んだ場所はフロリダの『クラブメッド・テニス・アカデミー』。その後、同じフロリダの『ゴメス・テニス・アカデミー』に籍を移した。アカデミーのコーチの家にホームステイし、通信教育で学びながらテニス漬けの日々を送っている。

 渡米後は帰国するのも年に1度ペースだった相川が、初めて日本でコートに立ったのが昨年の世界スーパージュニアだった。日本の同年代のライバルたちと会うのも久しぶりだ。日本にいれば、全小以降も数々のジュニア大会で彼女たちとタイトルを争ったことだろう。

 「みんながどのくらいのレベルになってるのかな、とはときどき気になってました。でも、海外のITFをメインにまわって力をつけたかったので、日本に帰りたいとは思わなかったです」

 その成果を見せたかった世界スーパージュニア。実は、兄のおかげで有名なサラ・トミックを見ようとコートに行ったら、対戦相手がこの相川だった。そして、ランキング差も体格差もはねのけて、相川がフルセットの末に勝利。2013年秋にはチリでクレーのグレード4の大会を2週連続で制覇しているが、グレードAの大会では初めての3回戦に駒を進めた。

 「体が小さくても、速い動きや、メンタルでも補うことができる」という信条は、南米のクレーを中心に転戦し、大柄な欧米の選手たちとの試合経験を積み重ねて芽生えたもの。左利きを生かしたサービスからの攻撃や、キレのあるアングルショット、積極的に前に入って叩きにいくドライブボレーなど軽快さが魅力だ。

 一方オフコートではニコニコと笑顔を絶やさず、インタビューを撮影したカメラマンは、写真を整理しながら「心が和む~」と頬を緩めていた(別にアブない人ではない。念のため)。それもわかる。12歳で全小のトロフィーを掲げたときに見た夢を、今もまっすぐに見つめて進んでいる、その無垢なプライドに大人の“癒しセンサー”は反応してしまうのかもしれない。

 思わず拳を握って「がんばれ」と声をかけたくなる16歳。だが当然ながら、そうはトントン拍子にいかない。年末にフロリダで開催されるグレードAのオレンジボウルは、予選を突破も本戦の2回戦で敗退。年初の全豪オープン・ジュニアでは予選の1回戦で敗れた。目標のグランドスラム・ジュニア出場を今年中に果たせるか。次は得意のクレー、全仏オープン。少々気が早いが、「がんばって!」。



【オフコートQ&A】
 
------何をするのも左利き?

はい。でも習字だけは右でやってました。みんな右で書いてるから、なんとなく(笑)
 
------好きな芸能人は?

K-POPのガールズグループが好きです。少女時代とか、カッコいい。
 
------ゲンかつぎで試合中にすることはある?

リターンでポイントを取ったときは、同じ面でまた打つようにしています。
 
※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年3月号に掲載
 
Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)


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