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連載第5回 福田創楽【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~

【第5回】

 錦織圭の活躍でいっそう知名度が高まった“盛田正明テニスファンド”の支援で、2013年の9月からIMGアカデミーでテニス留学中の福田創楽。一度聞いたら忘れない名前と、左利きのフォアハンドが印象的だった少年ももう17歳になった。現在のITFジュニアランキング35位は、日本では11位でトップの山﨑純平に次ぐ位置だ。フロリダでの生活はもうすぐ1年半になるが、テニス漬けの環境は「自分に必要なもの」と語り、日本には帰りたくないという。未来へ夢を膨らませながら、留学期間を延長するための切羽詰まったノルマにも挑む日々だ。




福田創楽(ふくだ・そら)

♥プロフィール

生年月日◎1997年10月3日生まれ(17歳)

所属◎Project ALC(米国フロリダ州)

身長/体重◎182cm/68kg

利き手◎左利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/35位(2015年1月12日付)、最高/34位(2015年1月5日付)

主な成績◎2012年全国中学生大会・準優勝、2013年MUFGジュニア優勝、世界スーパージュニア・ベスト4

◇   ◇   ◇

 小学2年生のとき、父親とテニスをして遊んでいるところを見かけたテニスコーチが「才能がある」と指導を買って出たのが、本格的にテニスを学ぶきっかけだったという。野球や水泳も同時にやっていたスポーツ少年がテニス一本に絞った理由は「一番楽やなと思ったから」。本心なのか不真面目ぶっているのか、ちょっとわからないところがある。関西弁のイントネーションが特徴の手短かな受け答えもそうだ。

------名前の由来を教えてほしいのだけど…。
「僕が笑ったんで」
------え?
「お母さんがこの名前を言ったときに」
------いつ?
「生まれてすぐ」

 こんな調子で質問を繰り返してようやく理解できるという具合だ。本当は漢字の由来を知りたかったのだが…。まあいい。「ソラ」が自分自身の意思で決めた名前だということはわかった。

 そんな福田は、大阪府茨木市の公立中学を出ると、日本の高校には行かず盛田ファンドのサポートでフロリダのIMGアカデミーにテニス留学する道を迷わず選んだ。

 中学時代は3年のときに“全中”で決勝に進出したが、高橋悠介(荏原SSC)に敗れている。翌2013年4月に16歳以下の全国大会であるMUFGジュニアでその高橋に競り勝って優勝。アメリカへ渡ったのはその数カ月後だ。

 翌月にいったん帰国して、世界スーパージュニアでベスト4入りという成果をさっそく見せた。武器は左のフォアハンドで、いい具合に力が抜け、それでいてパワフルだ。だが、あのベスト4以降はグランドスラムを含めてグレードAの大会でなかなか勝ち進めない。昨年のスーパージュニアも2回戦で敗れた。

 それでも、もうすぐ1年半になるアメリカ生活は順調だという。日本の通信教育を受けながらテニスとトレーニング浸けの日々。時には錦織にも練習相手をしてもらったり、自宅に招待されたりと、実にうらやましい環境だ。

「向こうのほうが全然いいです。テニスに打ち込める環境だし、一人で生活しているので自立できるようにもなったし」

 錦織のように、ずっとその環境に身を置いていたいが、希望するだけで留学期間が延長されるほど甘くはない。残るためには、今年の5月までに達成しなくてはいけないノルマがある。ジュニアランキングで15位以内とかATPで5ポイント獲得とか、そういった条件リストの中からいくつクリアできるかというシビアな課題が突きつけられているのだ。

 ちなみにこのインタビューを行ったときにはまだATPポイントを持っていなかったが、11月にアメリカのフューチャーズ2大会の本戦で合計3勝を挙げ、3ポイントを獲得した。予選も合わせれば勝ち星は7つで、北米や南米、ヨーロッパ出身の年上の選手ばかりを倒して初めて世界ランカーとなったことは、大きな励みになっただろう。

 ATPランキング1413位、ITFジュニアランキング34位。確実に結果が求められる2015年、福田は「自己最高」の場所からスタートを切った。


 


【オフコートQ&A】

------テニス以外で好きなことは?

寝ることとYou Tubeで日本のテレビを見ること。ドラマでは『リーガルハイ』、バラエティでは『しゃべくり007』が好きです。

------自分を動物にたとえると?

ナマケモノじゃないですかね。でも練習はちゃんとやってます。

------試合前にすることは?

動画でナダルの試合を見ます。最近は全豪オープンで圭君とやった試合をずっと見てます。どっちも参考になるので。


※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年2月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)


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