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連載第3回 村松千裕 【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~

【第3回】

 ITFのランキングでは、現在日本の女子ジュニアでナンバーワンの村松千裕。細身だが、2010年の全国小学生大会ベスト4に始まって、常に同世代のトップを争ってきた。先天的に左利き。鉛筆を持つ手は直されたというが、ラケットを握る手は最初に自然につかんだ左手のままだ。その左のフォアを武器に、昨年からは積極的に海外で経験を積み、攻撃力にも忍耐力にも成長の跡がうかがえる。来年のオーストラリアン・オープン・ジュニアで初のグランドスラム出場が期待される16歳をクローズアップ。


村松千裕(むらまつ・ちひろ)

♥プロフィール

生年月日◎1998年5月22日生まれ(16歳)

所属◎吉田記念テニス研修センター(千葉県)

身長/体重◎161cm/49kg

利き手◎左利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/92位(2014年12月15日)、最高/82位(2014年11月17日付)

主な成績◎2013年全日本ジュニアU16準優勝、14年全日本ジュニアU16優勝、14年ジャパンオープン・ジュニア優勝

◇    ◇    ◇

 私事だが、部活でテニスをしていた高校時代、全国トップクラスの子たちは皆ちょっと怖かった。弱小県の出身だった自分には、どうやったってかなわないという気持ちが強すぎてそう感じただけなのだろうか……いずれにせよ、かつて抱いた「テニスが強い子」のイメージと、か細い声ではにかみながらおっとりと話している女の子の雰囲気はかけ離れている。

 しかしその選手、村松千裕こそ、日本の女子で唯一ITFジュニアランキングのトップ100に名を列ねる16歳だ。国内では夏に全日本ジュニアのU16を制している。今後はより国際的な活躍を目指し、また期待もされる存在だ。

 オフコートでは「友達としゃべるのが好き」と実に女子高生らしい村松だが、ひとたびコートに立てば、普通の女の子とは違う顔つきになる。左利きの特性を生かしたキレのあるグラウンドストロークが光り、特に大きく回り込んで打つフォアハンドは、本人も一番得意なショットと言うだけあって、自信に満ちてパワフルだ。

 昨年の海外遠征はアジアとオセアニア地域だけだったが、今年はドイツやカナダにも出向き、欧米の選手たちとの対戦経験を重ねた。7月にはドイツのグレード4のクレーコート大会で優勝。「景色がきれいな田舎の街でプレーできたのがうれしかった」上に、クレー巧者の多いヨーロッパの選手ばかりと対戦してつかんだタイトルは、グレード4といえども大きな自信になったことだろう。全米オープンでは初めてグランドスラム会場の空気を吸い、憧れを強くした。

 「予選に入れなかったので、見学だけしてきたんですけど、雰囲気がすごくよくて…。行ってみて、こういうところでプレーしたいという気持ちが強くなりました」

 10月には名古屋で行われたジャパンオープン・ジュニアで優勝。第1シードのケイティー・スワン(イギリス)を激戦の末に破って手に入れた、自己最高となるグレード2のタイトルだ。ただ、翌週、グレードAのワールドスーパージュニアの1回戦で同じ相手に敗れたのは皮肉だった。スーパージュニアでは昨年ベスト16入りしている。年明けのオーストラリアン・オープン・ジュニアの本戦入りのため、少しでも多くポイントがほしいときだったが、ジャパンオープンで昨年より多く稼いだ分を、この1回戦負けで失った。

 「ハードコートなのに、先週のオムニと同じような戦い方をしてしまった。もっと攻めればよかったと思います」と反省。ユージェニー・ブシャールのような攻撃的なテニスが好きというだけに、悔やまれる一戦だった。

 だが、その後の韓国2週を終え、かろうじてトップ100は守った。オーストラリアの本戦ドローは64だが、グランドスラムでもオーストラリアは欧米の選手が回避する傾向にあるため、チャンスは十分だ。今年の全仏オープンから、グランドスラム・ジュニアでは日本女子が一人も出場していない事態が続いている。将来を憂える声が高まる中、どうかこの寒い状況にひとまず終止符を打ってほしい。




【オフコートQ&A】

------テニス以外で好きなことは?

友達としゃべったり、音楽を聞くことです。音楽は洋楽が中心で、1D(ワン・ダイレクション)とかテイラー・スウィフトが好きです。

------海外に特別持っていくものは?

いつもではないですけど、『サトウのごはん』をふりかけといっしょに持っていきます。ご飯が好きなので、ドイツに行ったときは毎朝パンばかりで、辛かったです…。

------海外で困った経験は?

これもドイツでの話ですけど、途中で日本人のコーチが帰ってしまって、もう一人の日本人の子とドイツ人のコーチと3人でまわったときに、やっぱり英語が…。公文で英語の勉強はしてきたんですけど、もっとしゃべらないと身につかないですね。がんばります。

※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年2月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)


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