ジュニア

連載第2回 高橋悠介【世界へはばたけ、日本のジュニア】

Fly to the World

~世界へはばたけ、日本トップジュニアの横顔~

【第2回】

 今回紹介するのは、今年国内ジュニア界の二大タイトルを独占した高橋悠介。腰の故障明けという困難な状況でインターハイを制し、全日本ジュニアでは決勝で全身ケイレンに襲われながらも18歳以下の部でチャンピオンになった。逆境を乗りきれるのは、内に秘めたスピリットの証かもしれない。粒揃いと言われてきた年代で、2011年には14歳以下の国別対抗戦〈ワールジュニア〉代表に選ばれるなどトップを争う存在だったが、年々勝負強さが増してきた印象だ。「次は世界で結果を残したい」と誓う17歳が、次の1年に期するものは大きい。



高橋悠介(たかはし・ゆうすけ)

♥プロフィール

生年月日◎1997年10月17日生まれ(17歳)

所属◎荏原SSC(神奈川)、湘南工科大付属高校2年

身長/体重◎170cm/67kg

利き手◎右利き(両手バックハンド)

世界ジュニアランキング◎最新/117位(2014年11月24日付)、最高/59位(2014年1月6日付)

主な成績◎2011年全国選抜ジュニアU14優勝、11、12年全国中学生選手権優勝、12年中牟田杯U15優勝、13年全日本ジュニアU16優勝、14年インターハイ優勝、14年全日本ジュニアU18優勝

◇    ◇    ◇

 こう見えてけっこう真面目でやさしい------。高橋をそう紹介したのは、ライバルでもありダブルスコンビ歴も長い山﨑純平だ。もちろん褒め言葉だろう。「真面目な」17歳は、子供の頃から真っすぐに夢を見てきた。

 「目標は世界1位」

 「将来は年間グランドスラムをやりたい」

 13歳のときには、テレビ番組の企画で10年後の自分に宛てた手紙に「世界1位になっていますか?」と書いたとか。子供の頃の夢を皆が叶えられるわけではないが、そういう大きな夢を語る子供でなければ大事を成し遂げはしないものだ。

 父に連れられて始めたテニスはめきめき上達し、全国レベルのジュニアに育ったが、小学生の頃は同い年の山﨑に負けることが多かった。全国小学生大会では準決勝で、全日本ジュニアのU12では準々決勝で敗れている。だが、中学2年のときに全国選抜ジュニアと全国中学生大会でいずれも山﨑との決勝を制した。全中では翌年、やはり同学年の福田創楽を倒して連覇。その試合がこれまでのテニス人生で一番の出来だったという。

 「僕は第1シードで、連覇がかかっていて、純平も出ていなくて、たくさんの人が応援に来ていて……もう優勝しないといけないという感じでした。吐きそうなくらい緊張したんですけど、試合になったら今までで一番というくらいの試合ができました。ゾーンに入るというのはこういうことかなと思いましたね。でも、どうしてそうなったかがわからないので、もう一度やるのが難しい(笑)」

 まだ15歳になる前のあの日の自分を超える完璧さにまだ出合っていないようだが、今夏は、2年生ながらインターハイ・チャンピオンとなり、直後の全日本ジュニアでは昨年のU16優勝に続いてU18を制するなど、しっかり結果を残した。膨らむ自信のせいか、170cmという身長は、コートに立つと幾分大きく見える。コートを広く使ったオールラウンドな攻撃、ときにサーブ&ボレーに挑むアグレッシブなプレースタイルも関係しているかもしれない。

 「国内では自分の力を示せたので、次は世界やプロの中でも通用するように頑張りたい」と抱負を語る。だが、これはなかなか順風満帆とはいかない。グランドスラム・ジュニアではこれまで予選突破2回を合わせて3回本戦に出場したが、まだ本戦での勝ち星はなし。また、今年は全米オープン以降フルセットでの負けが続いているのも気になる。秋にはワイルドカード(主催者推薦)で全日本選手権に初出場したが、1回戦で第4シードの吉備雄也(ノア・インドアステージ)に完敗。国際大会では、豊田チャンジャーでもポイントを得ることはできなかった。

 「メンタルも含めて、足りないところがいっぱいあります。もっとアグレッシブなプレーをしたいし、そのためにショットの精度も上げないといけない」
 
 ジュニアの“期限”はあと1年。その間に大人への階段を何歩上ることができるだろう。少年時代の自分に胸を張れる未来のためにも、ここは正念場だ。



【オフコートQ&A】

-----テニス以外の趣味は?

趣味はテレビ。海外でも、日本でダウンロードしたお笑いや映画を見ています。海外の選手と楽しく盛り上がれるほどの英語のレベルじゃないので、気晴らしといったらそれくらい。あと、本を読むのも好きです。東野圭吾とかを飛行機の中で読んだりします。

------好きな音楽は?

洋楽が好きです。最近だと、テイラー・スウィフトとかアリアナ・グランデとかクリス・ブラウンとか……。試合前はなるべく好きな音楽で気持ちを上げてコートに入ります。

------テニス選手以外で憧れている人は?

イチローさんです。トップにいくことに関してストイックでプロフェッショナルだと思うし、プレーだけじゃなくて、生き方や考え方も一流だと思うので。僕はまだストイックさが足りない。

※インタビュー詳細はテニスマガジン2015年1月号に掲載

Tennis Magazine/ライター◎山口奈緒美)


連載第1回 山﨑純平【世界へはばたけ、日本のジュニア】


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