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台湾に1勝2敗で敗れ世界への挑戦権を逃す [フェド杯アジア/オセアニア1部]

 2月3日から6日まで、タイ・ホアヒン(トゥルーアリーナ・ホアヒン)で開催された女子国別対抗戦「フェドカップ(フェド杯)」のアジア/オセアニアゾーン・グループⅠ。大会最終日の6日、日本は決勝で台湾に1勝2敗で敗れ、ワールドグループⅡプレーオフへの挑戦権を逃した。

 日本はタイとのグループリーグ最終戦でタイトゲームを制し、辛くもグループリーグ・プールAを首位で通過したが、対する台湾はプールBを3戦全勝で突破。いずれの試合もシェイ・スーウェイチャン・カイチェンのシングルスにチャン・ユンジャンチャン・ハオチンの姉妹ダブルスという不動のオーダーで中国、カザフスタン、韓国を退けてきた。

 迎えた決勝、日本はシングルス2で奈良くるみ(安藤証券)の起用に踏み切った。ウズベキスタンとの第1試合開始直後に内転筋を痛め、この2日間は休息に充てていたが、当初の想定よりも症状は軽かった。何より、奈良自身に期するものがあった。「シングルス2として初戦で勝利をもたらすのが役目だったのに…。不甲斐なかった」

鮮やかに復活した奈良はチームに1勝をもたらした

 思えば昨年のアジア/オセアニア予選でも、大会2日目の試合前練習で腰を痛めながら、決勝で復活。大逆転の試合を演じてチームの勝利を決定づけている。そして、この日も奈良は、見事にチームへ勝利を運んだ。

 もちろん左足に不安は残る。無理はできない。それだけに、「シンプルに考えてプレーできた」。ショットの精度に苦しむチャン・カイチェンを左右に振り回して次々とエラーを引き出し、第1セットを6-1であっという間に奪う。第2セットに入り相手が鋭さを取り戻してくると、変化をつけながらもミスなくつなぎ、チャンのアタックをカウンターで切り返していく。1-3とリードを奪われるも、そこから3つのブレークを重ねて6-4でゲームを締めくくった。

 「まだ悔いは残っているが、(穂積)絵莉の疲労がたまっていたので、最後にチームに貢献できてうれしい」と奈良。自分の代役を務め、2日連続で単複を戦っていた穂積絵莉(エモテント)をダブルスに専念させつつ、優勝へ王手をかける1勝をマークした。

日比野は序盤の勢いを保つことができず

 シングルス1で登場した日比野菜緒(フリー)は、「(相手の)ダブルスが強いのはわかっている。奈良さんが勝って自分にかかるイメージはできていた」と振り返る。第1セットはそのイメージを見事にコートの上で表現した。早いタイミングでフラットショットを打ち込んでくるシェイ・スーウェイに対し、深いスピンをまじえてリズムを変えることで相手のエラーを誘い、機を見たカウンターで追い込んでいく。

 しかし、第1セットを6-4で奪って迎えた第2セット。日比野の意気込みは空回っていった。「少しずつ硬さが出てしまった。サービスもリターンもかみ合わず、リズムを崩してしまった」。ドロップショットや変則的なスライスをまじえながらも、テンポよく散らされるシェイのアタックに、日比野は徐々に受けに回り、攻めは単調になっていく。第2セットを3-6で落とすと、ファイナルセットに入ってもリズムは戻らぬまま、やはり3-6。優勝の行方はダブルスへと委ねられた。

 日本にしてみれば、ダブルス勝負は避けたかったはずだ。青山修子(近藤乳業)/穂積の安定感は抜群、グループリーグでも勝負のかかったインド戦、タイ戦でチームに勝利をもたらしている。しかし、台湾が誇るチャン姉妹のダブルスは、姉ユンジャンが世界ランク10位、そして妹のハオチンが11位。世界トップクラスの実力者だ。

青山(右)と穂積は三度チームへ勝利を運ぶことはできなかった

 序盤は青山/穂積も必死にチャン姉妹に食らいついていった。相手の強烈なストロークに押されながらも、巧みにかわし、時に速攻を仕掛けてポイントをもぎ取る。しかし、チャン姉妹の圧力は徐々に、確実に、日本ペアにプレッシャーを与えていき、少しずつ台湾ペアのネットプレーの網にかかる回数が増えていった。

 「2人とも前でも後ろでもできるし、ボレーの決定力がすごかった」と穂積は相手の強さを称え、青山は「とにかくしぶとい。なかなかポイントが取れなかった」と嘆いた。第1セットを3-6で押し切られると、第2セットも、序盤は互いにポイントへの執着心をむき出しにした攻防を見せながら、最後は力尽きるように4ゲームを立て続けに奪われ、3-6で終戦を迎えた。

 ワールドグループⅡプレーオフへの切符は、惜しくも目前で逃した。来年もふたたび、アジアゾーンからの出直しとなる。厳しい初陣となった土橋登志久監督は、「世界で戦うことの厳しさを思い知らされた」。それでも、「選手は全員、最後まで全力を尽くした。そのことは満足」と言葉を続けた。

 序盤戦で奈良の故障というアクシデント、ナンバーワン日比野の不調が重なりながら、総力戦で決勝までたどり着いた。「アクシデントがあった中で、少ないチャンスを生かして決勝を戦うことができたのは、チームの力だと思う。そういう意味では勇気づけられる4日間だった。世界を目指すチームだと感じられた」。敗戦の中の収穫を、いかに世界への扉を開く糧としていくか。日本チームの挑戦は続く。

※トップ写真はあと一歩で優勝を逃した日本チーム

テニスマガジン/編集部◎杉浦多夢)

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