オーストラリアがカザフスタンに逆転勝ちでベスト4に進出 [デ杯ワールドグループ準々決勝]

 7月17日から19日まで各地で開催されているデビスカップ・ワールドグループ準々決勝。

 オーストラリア対カザフスタンは、オーストラリア・ダーウィンでの開催で屋外グラスコートで実施された。

 オーストラリアの精神的支柱、レイトン・ヒューイットを含め、交代で出場した2人の選手がオーストラリアのプライドを守った。

 初日のシングルスで2敗していたオーストラリアだったが、ヒューイットとサム・グロスが2日目のダブルス、そして最終日のリバースシングルスでも勝ってカザフスタンを逆転した。

 最後はヒューイットが決めた。2勝2敗として迎えた第5試合、ヒューイットがカザフスタンのアレクサンドル・ネドベソフを7-6(2) 6-2 6-3で破ってオーストラリアに3勝目をもたらし、ベスト4進出を決めたのだ。

 ネドベソフの打ったフォアハンドがロングとなって試合が決した瞬間、ヒューイットは後ろに倒れ込み、ニック・キリオスタナシ・コキナキスといったチームメイトたちが、まだヒューイットが対戦相手と握手もしていないというのにコートになだれこんでヒューイットと抱き合っていた。キリオスとコキナキスはこの日はともに出場せず、ベテランの2人と交代していた。

 「我々はこの週末に全部がうまくいっていたわけではなかったから、とにかく総力を結集する必要があったんだ」とヒューイット。「我々は後輩のチームメイトたちと国のためにプレーしたんだ」と彼は続けている。

 グロスと34歳のヒューイット。ヒューイットは次の全豪オープンを最後に引退を表明している。土曜日のダブルスではこの2人のペアが勝利したことで、オーストラリアに望みをつなげていた。

 これでオーストラリアは準決勝進出となり、9月の準決勝ではイギリスとフランスの勝者との戦いとなる。
 
 オーストラリアが0勝2敗から逆転で勝利したのは、1939年の決勝、アメリカ戦以来のことだ。

 この2週間のオーストラリアチームには、トップの2人の選手、バーナード・トミックとキリオスに関してウィンブルドンの大会期間中や、そのあとの問題などでいろいろな批判があった。

 初日のシングルスの試合中の不適切なふるまいなどで批判されていた20歳のキリオス(彼はウィンブルドンでも同様の問題を起こしておよそ1万ドルの罰金処分を受けている)に代わって、最終日のシングルスに出場したのがグロスだった。

 また、オーストラリアの現在トップ選手である世界25位のトミックは、ウィンブルドンの期間中にオーストラリア協会を批判するなどしたことでチームから外されていた。

 さらにトミックはフロリダのマイアミビーチのホテルで騒音騒ぎを起こし、警察官に抵抗して逮捕される事件を起こしていた。この週末のオーストラリアの新聞各紙には、彼の犯罪者としての顔写真(逮捕時に撮影される上半身の写真)がデ杯のニュースの横に掲載されている状態だった。

 グロスは最終日の第1試合でカザフスタンのエース、ミカエル・ククシュキンと対戦し、6-3 7-6(6) 4-6 7-6(6)で勝ってチームに2勝目をもたらし、これで勝ち星はイーブンとなった。

 コキナキスに代わって出場したヒューイットは15年以上のキャリアをそのままぶつけるような激しい闘志を全面に出してプレーした。彼にとって今回の試合はデ杯のシングルスでは57試合目だったが、勝負がかかった第5試合で勝利するのは初めてだった。

 ヒューイットが敗れれば、それがそのまま彼のデ杯での最後の試合になる可能性があったが、彼は準決勝も戦うチャンスを自ら切り開いた。

 「デ杯では最高の勝利も経験したけれど、最悪の敗戦も経験してきた」とヒューイットは話している。数時間前のグロスも同じようなことを話していた。

 「たぶん、テニスで経験してきた中では最高に不思議な気分になっているよ」とグロス。彼は第1試合で29本のサービスエースを決めて勝利していた。「自分のテニスに自信を持って臨む必要があった。そして、プレッシャーのかかる中でそれをやり遂げられたんだ」。

 オーストラリアのウォーリー・マスー監督は41位のキリオスと68位のグロスを交代させることで、自分が批判される可能性があると考えていたという。「私は愚か者と言われるか、天才と言われるかどっちかだったろうね」とマスー監督は話している。

 今となってはほとんどの人たちが彼を天才だという側になるだろう。キリオスは初日にカザフスタンの115位のネドベソフに敗れたことで精神的に消耗していたと話している。

 「たいへんな1ヵ月を過ごすことと、大きな試合を1試合だけやったあとの疲れ方の間に大した違いはないんだ」と、マスー監督はグロスの勝利の前に話していた。「それは選手たちにとっては、ダメージになるものなんだよ」。

 「ウィンブルドン以来、ニック(キリオス)の周囲で起きていたことは少しばかりヒステリックだったので、私は彼については気の毒だと思っている。メディアからの扱いが少しばかり加熱していたからね」とマスー監督は話している。

 今回の勝利はオーストラリアのテニスに関して、この数週間では初めてポジティブなことで取り上げられることになりそうだ。(C)AP

Photo: DARWIN, AUSTRALIA - JULY 19: Sam Groth, Thanasi Kokkinakis and Nick Kyrgios run on court to congratulate teammate Lleyton Hewitt of Australia as he celebrates winning the reverse singles match between Lleyton Hewitt of Australia and Aleksandr Nedovyesov of Kazakhstan during day three of the Davis Cup World Group quarterfinal tie between Australia and Kazakhstan at Marrara Sporting Complex on July 19, 2015 in Darwin, Australia. (Photo by Scott Barbour/Getty Images)

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