【プレビュー】一筋縄ではいかぬアウェーでの決戦 [フェド杯ワールドグループ2部プレーオフ・日本対オランダ]

 2月に行われたワールドグループ2・1回戦でアルゼンチンに敗北を喫し、日本は2011年以来となるアジア/オセアニアゾーン転落の危機に立たされることになった。しかも、オランダとのプレーオフはまたもアウェーでの戦いとなる。昨年のロシア戦から数え、4戦連続で敵地での戦いである。その間、日本は一度も勝利を挙げることができていない。

 フェド杯が開催される週には、マレーシア・クアラルンプールのツアー戦がある。日本選手たちにとっては貴重なアジア圏でのツアー大会だ。そのため日本テニス協会は、フェド杯開催日程の1週繰り上げをオランダ側に打診することを検討していた。しかし、その後スケジュールについてのアナウンスはないままオランダの会場が決定。スケジュールの変更はなかった。

 そのため、吉田友佳監督にとっては難しい選手選考になった。ツアーにおける選手のサポート&育成と、フェド杯の勝利という両輪が真っ向からかち合ったからだ。加えて、森田あゆみ(キヤノン)はケガからの復帰が長引き、マイアミもスキップ。モンテレイの大会に出場(シングルス2回戦で棄権負け)したが、復帰直後の招集は見送らざるを得なかった。

 結果的に、奈良くるみ(安藤証券)、土居美咲(ミキハウス)、シングルスの控えに尾﨑里紗(ロイヤルヒル'81テニスクラブ)、ダブルスの青山修子(近藤乳業)というアルゼンチン戦と同じメンバーで挑むことになった。

 オランダはスヘルトーヘンボスを会場に指定してきた。芝のツアー大会が行われている街だ。しかし、会場はそこではなく、より中心部にあるインドア施設のマースポールト・スポーツ&イベント。ここにクレーコートを敷いてくる。ただし、その理由はクレーを苦手とする日本対策というよりも、オランダ選手の多くがクレーを得意とすることにある。

 2月10日付の国別ランキングでは、日本の14位に対してオランダは24位。個々の選手を見ても、世界ランキングでは日本勢が上回っている。それでも簡単にコトが進みそうにないのは、オランダの若手たちがクレーの上でランキング以上の力を出してくるからだ。

 エース格のキキ・バーテンズは、持ち前のフットワークを生かしたより粘り強いプレーヤーへと変貌する。さらに怖いのが元ジュニア・チャンピオンのアランチャ・ラス。難のある守備力を俊敏性でカバーできるクレーでは、爆発的な攻撃力を最大限に発揮してくる。ナンバー2が予想されるため、日本にとっては初日の奈良との一戦が、大きな山場となるかもしれない。さらにはダブルス勝負になっても、ツアー4勝を誇るミヒャエラ・クライチェクが控えている。

 日本がクレーで最後に勝利を挙げたのは、04年のブルガリア戦まで遡らなければならない。不得手なサーフェスであることに変わりはない。しかし、リオデジャネイロでツアー初優勝を遂げた奈良はもちろん、土居も敗れはしたが、アルゼンチンとの一戦で赤土への対応力が上がっていることを証明した。

 勝利を手繰り寄せるには、いかに個々の選手が持てる力をフルに発揮できるかにかかっている。そして、アウェーの地でそれを実現するには、スタッフを含めた日本のチームとしての力が必要になる。ブエノスアイレスでは想定を上回る過酷な環境に翻弄された。その苦い経験を糧にすることができれば、ワールドグループ2残留が見えてくるはずだ。

※写真はフェド杯アルゼンチン戦での日本代表チーム(左から青山修子尾﨑里紗土居美咲奈良くるみ、吉田友佳監督)

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